2024年、今年もよろしくお願いします。 | ふうせんのブログ

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小林蕗子のブログです。2013年5月に始めたときはプロフィールに本名を明示していましたが、消えてしまいましたので、ここに表示します。。
主に歌舞伎や本のことなどを、自分のメモ的に発信したいなあって思っています。よろしく!!

ご無沙汰しております。
年を重ねると、動作が鈍くなって、ブログを書く時間が作れなくなっています。
私より高齢の方がブログをほぼ毎日続けていらっしゃるのに、私は情けないです。

私は年賀状ではなく、年末状を毎年続けているのですが、「2023年の年末状」を書き終えたのが、新年にはいってからの3日。
A4判の用紙を二つ折りにしてA5判で8頁の大作になりました。
去年は4頁でしたから、それでも長いと思われたのですが、今年はその倍。
去年も今年も自覚してなかったのですが、今年書いている途中で気がつきました。
その気づきの部分を転載すると、
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さて、私は何を書こうというのかしら。
2022年に喜寿を迎えたので、私は自分の弔いをしているのだと、気が付きました。昔のお葬式は、故人を知る人が集まって、昔話で故人を偲んでくれたものですが、今はそういう時代ではなくなりました。ですから、私は私を偲んでいるのです。それを勝手に郵送していますので、お付き合いくだされば、幸いです。
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というわけで、私が生まれてからの「来し方(こしかた)」を偲ぶ文章なのです。
2022年は、1945年に生まれてから1997年ぐらいまでを俯瞰して書きました。
2023年は、大江健三郎の訃報に接してから、大江作品から受け留め、私の心の裡に残る言葉「信仰のないものの祈り」を想い起こし、、来し方を綴りました。
文章のおしまいに綴ったことは
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古典芸能には、プリミティブな「信仰をもたないものの祈り」が潜んでいると思っています。
私と中川は20数年、歌舞伎をコンプリートに観てきました。私が海老蔵=現・團十郎を特別な存在として観てきたのは、ほかの役者にはない「祈り」が深く感じられるからです。
来年の年末状は、そのあたりのことを書きたいです。
2024年9月、大阪で予定されている團十郎襲名公演では、「源氏物語」の〈須磨・明石〉をやってほしいなあ。能楽の方々が舞う住吉神社の「龍神の舞」に重ねて、歌舞伎振付による「龍神の舞」を海老蔵が舞った時の、力強さが忘れられません。
あれが観たいなと思いながら、2023年の年末状を終えます。
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この「龍神の舞」をはじめて観たのは、2016年4月京都劇場で演じられた『源氏物語 第二章、朧月夜より須磨・明石まで』でした。

もちろん第一章の、2014年4月南座の【市川海老蔵特別公演『源氏物語』】

これも素晴らしかった。

市川團十郎襲名公演は、9月大阪松竹座で打ち上げとなります。
大阪ですからね、「龍神の舞」が入る第二章ですよね。
〈月影の騎士 = アンソニー・ロス・コスタンツォ〉この配役は無理なら、脚本を書き換えてもどうにかなります。
けれど、〈世継ぎの翁 = 茂山逸平〉この配役は欠かせないという想いがします。
また、桐壷院を<能楽師・シテ方>。能楽の方々の力をお借りして、幽玄の美として舞台化することに成功していたので、こういう舞台で、團十郎襲名披露を打ち上げにしてほしいな。

もう一演目は、やっぱり『勧進帳』。
願わくば、片岡仁左衛門の富樫が観たいです。
富樫の役も弁慶と同じぐらい体力が必要とされますから、片岡愛之助とのダブルキャスとがよいかな、とも思います。
愛之助とは、2013年1月の新春浅草歌舞伎で共演しています。
愛之助のブログの扉画像の富樫は、その時のものです。清々しく立派で、すごい迫力でした。

2022年11月の市川團十郎襲名公演の弁慶は、〈不動明王の化身としての「祈り」に加えて、「感謝の心」がにじみ出る「静謐な強さの弁慶〉と思いました。
ただ、2019年5月歌舞伎座・團菊祭の時の、完璧なまでの力強さが見られなかったようにも、思いました。
先代の團十郎に感じられたように、成田屋の弁慶は「力」で押し込むだけの弁慶ではなく、「祈り」の力が加味されて、より神秘的な力強さになるはずです。
團十郎襲名公演の掉尾を飾る弁慶がみたいです。
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さて、新年、新橋演舞場の團十郎。
【初春歌舞伎公演 『平家女護嶋(へいけにょごのしま)』〈恩愛麻絲央源平(おやこのきずななかもげんぺい) ――SANEMORI PARTII――】

 

團十郎が、俊寛僧都/常盤御前/斎藤別当実盛の三役。
市川ぼたんが実盛娘ひな鶴で、市川新之助が女童笛竹実は源牛若丸。

團十郎が語る、新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

ここで紹介されるのは、
「源義朝、常盤御前の夫婦の子どもである牛若丸。彼を守るために、常盤御前は、平家になびいて生きていきます。さらに、源氏方でありながら平家でいる実盛など、さまざまな人間模様が背景としてあるうえで、実盛は娘のひな鶴と、常盤は息子の牛若との親子関係の情愛を描く、しっかりとした骨組みのある題材になっております」と、團十郎は語ります。
というわけで、「俊寛」はどうなってんの!?というのが、今のところの感想。
近松門左衛門 歿後三百年記念の『平家女護嶋』と書かれれば、歌舞伎では「俊寛」が思い浮かびますし、主役だと思いますけど……。
ステージナタリーのサイトまでが、「團十郎は2役に加え俊寛僧都も演じる」って、俊寛が付け足しで紹介されていて、私には違和感。

https://natalie.mu/stage/news/556052
海老蔵時代から團十郎の新作は、古典を基本にしているので、裏切られたことはないので、今回も期待しています。石川耕士 補綴・演出。藤間勘十郎 演出・振付。ですから、良い舞台になっているはず。
ともかく、今週中に新橋演舞場で観てきますから、それからちゃんと紹介します。
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今日から大河ドラマ『光る君へ』が始まりますね。

 

今年こそは、三行ブログでもよいから、毎日綴りたいものです。
では、どうぞよろしくお願いいたします。

※ なお、敬称についてですが、プロの芸術家や文筆家の方は広い意味での公人ですので、舞台そのものや作品について記す時は、私は敬称を付けません。昔からの慣例です。プライベートな内容と思われる時は「さん」の敬称を付けます。よろしくご了承ください。