ふうせんのブログ

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小林蕗子のブログです。2013年5月に始めたときはプロフィールに本名を明示していましたが、消えてしまいましたので、ここに表示します。。
主に歌舞伎や本のことなどを、自分のメモ的に発信したいなあって思っています。よろしく!!

今日8月25日午後9時~11時 NHK・Eテレ
 【古典芸能への招待 古典芸能を未来へ~講談~】楽しみです。

5月に東京・明治座で行われた「古典芸能を未来へ~至高の芸と継承者~」第5回は講談をメインにご覧頂く。講談の人間国宝・神田松鯉とその弟子で人気絶頂の神田伯山の芸の極みと継承をたっぷりと!合わせて伯山イチ推しの出演者による豪華な日本舞踊もご覧頂く。演目は講談「阿武松」神田伯山。舞踊「浦島」坂東巳之助。講談「お岩誕生」神田伯山。舞踊「与一の段」尾上菊之丞、市川染五郎、藤間紫、長須与佳。講談「乳房榎」神田松鯉。
ということです。
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私が「楽しみです」といいますのは、
8月16日に放送された【芸能きわみ堂『伯山×英樹!那須与一に迫る』】をみました。

番組はのっけから、神田伯山の熱気と藝の極みの講談『源平盛衰記 扇の的』が披露。
「フルバージョンでやりますと、35分ぐらいかかるところを、5分で」ということで、、いつにも増して、力がこもっていました。

与一の苦悩、葛藤に思いをはせる

【舞踊 与一の段】

なんでそんなに大急ぎなのか、といいますと、
「扇の的を射落とし源平両軍にほめたたえられた与一。講談、狂言、歌舞伎など、様々な古典芸能に登場する人気キャラクターだが、その与一にも戦争への葛藤があった!?」ということがテーマのようです。
後段で演じられる〈尾上菊之丞・市川染五郎・藤間紫(爽子)共演の舞踊で与一の苦悩に思いをはせる〉とあって、

【舞踊 与一の段】(構成・海津勝一郎、作曲・半田淳子、振付・尾上墨雪)が舞われました。
那須与一・尾上菊之丞、義経・市川染五郎、玉虫・藤間紫(爽子)の素踊り。


この舞踊で一番のポイントは、よく知られる〈扇の的〉の後に、

〈二の矢〉が舞われます。


義経の染五郎は言います「この義経は強い義経というか、菊之丞さんのほうからも、義経の冷酷な部分が見えたらとおっしゃってくださって、歌舞伎でやらせていただく義経とは違った鋭さを出せたらと思います」。
なるほど納得の素晴らしい義経でした。
染五郎はまだ19歳だということに驚くほど、体幹から醸し出される〈戦場の大将としての強さ〉が、父・松本幸四郎を凌ぐ素晴らしさ。
この義経があってこそ、菊之丞の与一の葛藤、苦悩が静謐に伝わります。

琵琶の弾き語りは長須与佳(ながす ともか)、素晴らしい演奏。源平の時代の雅、静寂、力強さ、この玉石混交の世界を奏でます。
「裡に秘めた与一の心を、人間らしく思い切り外に吐き出す……ようなところもあります…」


さて、〈二の矢〉って、どういうことでしょう?


是非今夜の【古典芸能への招待 古典芸能を未来へ~講談~】をご覧ください

もちろん人間国宝・神田松鯉とその弟子神田伯山の芸の極みと継承を味わう番組ですが、
【舞踊 与一の段】が全編放送されるということで、こちらも楽しみ。
舞踊「浦島」坂東巳之助も楽しみ。

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昨日、所要で酷暑の午後に出かけました。
汗びっしょりで作業を終えて、帰る電車の中で、突然左目に痛みが起こり、「まばたき」することが痛みを呼びこむ感じでした。
「熱さまシート」で冷やして睡眠はできましたので、今朝は痛みもやわらぎましたが、これからまた目を安静にします。

明日は、一番で眼科医に行きます。

なお、長須与佳(ながす ともか)の琵琶は薩摩琵琶だと思います。
様々な琵琶の違いの解説は
4種の琵琶(楽琵琶・平家琵琶・薩摩琵琶・筑前琵琶)解説と演奏

https://www.youtube.com/watch?v=ZvZo51QYMxw

※ なお、敬称についてですが、プロの芸術家や文筆家の方は広い意味での公人ですので、舞台そのものや作品について記す時は、私は敬称を付けません。昔からの慣例です。プライベートな内容と思われる時は「さん」の敬称を付けます。よろしくご了承ください