徳村慎
xxxx1年
僕は父になる。
しかし、僕は僕の父になるのだ。
子供の身体に僕の頭脳を移植する。
ナノマシンを乳児に注射して脳内をコンピュータと繋(つな)ぎ、僕の思考感情などを移植する。そして僕の意識を移し替える。
これで、また新たな身体で長生きが出来る。
乳児の意識はどうなるのか?
、、、死ぬのである。
というか自我が確立する前に身体を乗っとるのだから、生まれないと言ったほうが良いかもしれない。
、、、都市伝説では、乳児の意識も死ぬことはなく生き続けるのだという話だが。
xxx30年
クローンの身体を買った。
自分好みの美しい身体。ここに僕の意識を移植する。
火星に移住してみると地球が馬鹿らしくなる。
火星は美しい星だと分かる。
土星のあたりまで鉱物資源を採掘している時代だ。
人類は無限の時間と無限の知識を手に入れた。
英語を知りたいなら、翻訳アプリを脳内にダウンロードしてインストールするだけで良い。
テレパシーのように脳同士を繋ぐ電話やチャットをして、アプリで同時通訳しながら会話を楽しむ。
これが人類の常識になって30年ほどが経(た)つ。
xxx60年
クローンの身体を買った。4本の腕が生えている身体だ。ピアノを弾くのに便利だ。ピアノはピアノアプリをインストールするだけで弾けるようになる。
目は暗闇でも見えるし、耳は何十km先の音だって聴こえるように調整出来る。
これが今の人類の流行なのだ。
xxx90年
人は何のために生きるのか?
わざとダウナー系の薬を飲んで哲学を考えるのも悪くない。
人の形は、今や、触手だらけの怪物となってしまった。。。そして、新たな星、地球のような惑星を見つけて過去の人類に似た原始人たちを教育しようとしたら、悪魔だと言われて殺された。
我々、悪魔は人類を教育しようとしているだけなのに。。。
(了)
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最後まで、読んでいただきまして、、、
ありがとうございます😊😃😆