図書館読書日記2019.8.7.-2 | まことアート・夢日記

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まことアート・夢日記、こと徳村慎/とくまこのブログ日記。
夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

図書館読書日記2019.8.7.-2
徳村慎


2019.8.7.つづき

『谷川俊太郎詩集』
雲はあふれて自分を捨てる
何故それが雨なのか?
人はあふれて心を捨てる
何故それが歌なのか?

だから樹もきこえないように呟いている
大事なのは歌ではなくて
むしろ心を捨てることだと


心を捨てた芸術こそが大事なのか。
やはり。。。技巧を捨てよ。
美味しんぼで、鯛の開き(塩を塗って干したもの)を持ってきた山岡士郎に海原雄山が言う。技巧が鼻についてはならんが、技巧を否定するのはいけない、、、みたいなことを。
しかし、一度技巧を捨てると、楽しい世界が広がっている。小説『火花』の「楽しい地獄」というやつか。(笑)
僕も、鯛は塩焼きが好きだ。塩だけで充分な味が出る。その塩加減を厳選すれば、究極の料理にもなるということか。うーん。やはり技巧なのかもなぁ。

例えば、技巧を捨てて、人間の身体ひとつだけで、フィールドレコーディングと合わせたような作品を作れば良い、となると、ボディパーカッションや、ヒューマンビートボックスなどになるのか。それは、もうすでにやってしまった作品だなぁ。車の中でボイスレコーダーで車を運転しながらヒューマンビートボックスをやったり。お風呂でシャワーを浴びながらヒューマンビートボックスをやったり。それなりに面白いものが出来たとおもう。水音や車のエンジン音なんかが不思議とヒューマンビートボックスに合うのだ。

絵で技巧を捨てて技巧的に描くと、やはりモネの睡蓮になるのかなぁ。目が悪かったから、ああいう絵になった、というのも分かるが、それも、美だと思う。

子供の時から私は何が好きで生きてきたか?
ふと私に近く何かのよみがえる気配がする

うーむ。子供の時から、絵が好きだったなぁ。色彩。形。なぜ、絵が好きだったんだろう?
子供の頃の絵と今の絵は、どう違うんだろう?
子供の頃をよみがえらせて、絵を描いても良いんじゃないかなぁ?
→と、ドローイングを描く僕。

風が耳打ちすると
ふと大きな不在が目をさます

大きな不在。まあ、空虚だと言ってしまったら半分正解で半分間違いになるのか。断定してしまうと途端に詩を殺してしまう。自分にとって大切な人の不在とか。まあ、大切な人はたくさん居た。大切な猫、大切なぬいぐるみ、大切な楽器、大切な絵。

でも僕は画材は、あまり大切にしてなかったなぁ。絵は大切だけど絵を生み出す画材は大切に思っていなかった。まあ、普通、そんなものかも知れないけど。でも、画材が無けりゃ絵は描けない。当たり前だ。けれど、画材が切れたことがないので、経験したことが無いけど、画材が切れたら、厳しいだろうなぁ。心理的にも塞ぎ込んでしまいそうだ。大きな不在だ。

しかし今日雨の街に生者たちは生きるのに忙しい
夕刊には自殺者の記事がある
私たちは死をとりかこむ遠さにすぎない

死というものが何かは分からない。けれど、死はやがて訪れる。平等に。雨の街の生者と夕刊の自殺者。ここに違いは、あるのだが、結局違いは無い。だけど、生きている間は、死は遠い。

『谷川俊太郎詩集』2/5。
親しい風景たちの中でさえ
世界の豊かさは難解だ

別れのない日が一日とてあつたろうか
そのような世界の中へ私は帰る


今鳴っている17:00の鐘も。僕の部屋で鳴らしている自作曲も。隣から漏れ聞こえる音も。クーラーと扇風機の音も。親しい風景なのだろう。
死の無い日など無い。死の有る世界へと帰るのか。

私は言葉の病んでゆくのを見守つていた

言葉は病むものなのか。
なるほど。言葉は人間の心から離れれば病むと言えるかも知れない。あるいは人間から離れた言葉が病むのか。人間との距離がある言葉は、思想だろうか?……哲学だろうか?
それとも、人間と離れた動植物の言葉だろうか?
いやいや、植物は、健やかな言葉を持つらしい。

私は何を持つことも出来ない
たとえ私が愛していても
樹や雲やひとを

物質的な物を持つこと。心から愛してもやはり物は物なのだ。でも、愛ならば、どうか?
(と思って続きを読む)

私はただ捨てることが出来るだけだ
あふれる私の心を
それを愛と呼ぶことさえためらいがちに

捨てることが出来るだけ、かぁ。 
愛を捨てる。ふーむ。難しいけど、綺麗な詩だなぁ、と思う。
なんだか断捨離の人なら、あるいはミニマリストとかなら、捨てることが愛につながるのが良く理解出来るのかも知れない。愛を捨てることが愛なのだ、と思う。実行は出来ないけど。

-3につづく
(●´ー`●)