絵画『魔王と眷属』 | まことアート・夢日記

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夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。


絵画『魔王と眷属』

徳村慎


なんとなくつけたタイトルなので、意味が無いっちゃ無い。まあ、あるっちゃある。けど、ようするに地球ので仲間たちを描きたかったのだ。地球の仲間たち=魔王と眷属、なのだ。


最初は海底を描くつもりだった。宙に浮いているような魚がそうである。それと魔王の顔が海底の岩盤だ。これは、iPhoneアプリのゲーム『釣りスタ』をやってるから自然と出てきた発想だろう。描き始めた時はオリジナルのつもりだったが、無意識の内に気に入ったゲームの世界を描くつもりになってたらしい。


しかし、魔王とは、何か?

実に深い問いである。

昔、キリスト教系新興宗教にどっぷり入っていた友達に仏教などの宗教は悪魔の宗教で地獄に堕ちると言われたからだ。つまりは、魔王とは仏のことではないか。


仏だから、様々な動植物が集まって来るのだ。エデンの園のようにも見える。逆説的に魔王はエデンのようなところを築いたのではないか。だって魔王=仏なんだもん。ちなみに仏は女でもある。


女?……いやいや、顔そのものは男だろう。牙まで生えている。顔の形が女なのである。どうやら、この画面を支配するのは女であるらしい。女とひとつになりたい、という男性の欲望は、形を変えてみれば、女そのものになりたいという願望とも重なる。YouTubeで見た、男から可愛らしい女の子に性転換手術した人が頭に残っていたのかも知れぬ。


地下アイドルでもいいから、ソコソコ可愛い女の子に生まれ変わりたいという謎の夢がある。生まれ変わって何をするのか?……歌って踊るのである。これは現実逃避だと分かりきっている。本当は女の子に生まれ変わっても満足しないし、性転換手術をしたいとも思わないのだ。それでも。女の子は女の子なのだ。我々男性には永遠の謎で居てくれなければならないのである。だとすると結婚なんかしない方が良いのかも知れない。本当の女を知れば幻滅することは分かっているからだ。(笑)


鬼は人間から酒をもらって呑む。異文化交流は昔からあったのだ。昔は神や仏や物の怪などが人間の交流対象だった。シャーマンは、真面目くさって、動物に取り憑かれて、未来を占ったりしたのだろう。今では、iPhoneアプリのタロットカードをひいたりする。個人個人がシャーマンとなるべき時代だ。芸術は神を降ろすことだ。であれば、現在の芸術は、一般人に浸透してしまい、なんら特別なものではなくなったのだ。


2頭のオスのライオンが1頭のメスを取り合っている。しかし、全員が画面の外を見ていることに気づく。そうだ。ライオンたちが画面の外に畏怖の対象があるかのごとくに描かれている。畏怖の対象?……それはキリスト教か?……はたまた、絵画に対するTV番組のような進化したメディア・アートであるのか?


もう一度魔王=仏を見て欲しい。彼は傾いている。そこに支配に対するアンチテーゼがあるだろう。悟った者よ、驕るなかれ。『鉄鼠の檻』に見える、仏の本当の姿に何を思うのか?……いや、悟りの後こそが禅である。坊主同士の殺し合いも、悟りゆえの行動か。


月と太陽、地球と火星らしき星。あれが地球でこれが火星か。それとも逆なのか。それはどうでも良い。未来に火星が地球となることもあろうから。木星を太陽にするのは『2010年』つまり『2001年宇宙の旅』の続編ではなかったか?


花は惑星を養分に育つ。植物が開拓者なのだ。酸素を作ったのも彼らだ。植物に意思は無いのか。イソギンチャクだったか。海底にへばりつくベントスだったと思うが。幼体は泳ぐのだという。泳ぐ間は原始的な脳というか意識があるだろうという。そんな話をインターネット上で読んだ。ところがベントスになった途端、脳が消えるのだというのだ。動き回る生き物には意識が必要で、動かないものには意識は必要ないのだという。


鳥は魚の上を飛び、虫は地を這う。鳥は飛ぶために体重をそぎ落としているらしい。かなり過酷なんだそうだ。じゃあ、太ったブロイラーのニワトリなんかは、実は幸せなのか?

虫は地を這い、分解者としての生活をする。彼らがいるから(最後には菌類によってだが)有機物が再び無機物になる。


彼らは地球というネットワークに生きていて、魔王と眷属なのだ。キリスト教の考える、仏の罪とは、何か?……愛することさえスルーする罪ではないか?……仏教では愛は罪とされるだろう。愛を描けば罪となり、愛なき道も罪となる。愛はマザー・テレサである。愛でさえスルーすべきかも知れないとも、禅の世界から僕は考えたりもするのだ。




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