小説『薬と仮面』4 | まことアート・夢日記

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まことアート・夢日記、こと徳村慎/とくまこのブログ日記。
夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

小説『薬と仮面』4
徳村慎

「ぐあっ」僕は背中の痛みに目が覚める。ピアノの前に座っていた。背中を押さえながら振り返ると白い髪をして耳の尖った乙女が言った。仮面の女がまだ若い姿をしているのだった。「弾きなさい」とだけ言った。僕は肺を落ち着けようと胸と背中を両手で押さえた。誰もがやらねばならない事を抱えている。その事の大半は喋る事だったりする。僕の背骨の中を小さくなった僕が落ち続けている。背骨は言葉に変わる。君だってバックボーンとする思想を持っているはずだ。僕は、小さな僕に語り掛ける。小さな僕にも背中が有って、その中を更に小さな僕が背骨の中を落ちて行く。言葉が優秀な人間に生まれたかった。僕は言葉を扱う事が出来ない。言葉の海に飲まれて一晩中泣いてアマチュアが小説を書く事に成るんだから。眠れずに朝を迎えて痛々しい姿を鏡に映して。鏡の中にも言葉を探して。ああ、言葉から逃げたくなる。再び声が聞こえた。「弾きなさい」僕はピアノの前に座っていた。「何を?」と尋ねた瞬間、後頭部を殴られた。痛みは希望である。希望とは絶望の彼岸に生まれた勇気の事で夢を成し遂げるには絶望を経験しなければならないのだ。痛みは必ず明るさを生む。死んではならぬと誓いを立てるのは痛みのせいだ。これが希望だ。痛みが心地良く感じられる場所へと登って初めて夢は成し遂げられる。分かってはいるが、僕は挫(くじ)けそうになる。「弾きなさい」「弾きなさい」「弾きなさい」僕の脳内で女性の言葉がこだまする。ディレイエフェクターのフィードバックレベルを上げて言葉が音へと変わって行く。後頭部にも遅れて痛みが何度も走った。「ピアノをよ。アンタが言った事を証明してみせなさい」まるで僕の母親のような口調だ。僕は深く息を吸い込んで指を叩きつけるように鍵盤を押さえた。僕は好き勝手に指を走らせた。それからペダルを踏んでGのコードを低音から高音まで走らせる。余韻が残って指を離しても音が響いた。「もういい」悲しそうに白い髪で耳の尖った乙女が言った。乙女は仮面をゆっくり引き剥がす。しかし、僕は弾き続ける。止まらない。僕には止められないんだ。まだ高みへと登る。一音一音が言葉に成って行く。まだ音の与えられない言葉へと変わり僕の脳へと蓄積する。まるで熟成を待つウィスキーのようだ。言葉は急に生まれるんじゃない。埃のように汚く積もってそれが結晶となって言葉として生まれ変わるのだ。何も無い所から言葉は生まれない。「もういい。もう、いいのッ」乙女は叫んで僕の手を掴んだ。瞳に涙が浮かんでいた。僕は最後に白鍵を弾いた。ポーンと投げ出された音は捨て去ったようでもあり、確かに踏みしめ掴み取った物でもあった。ぐらりと視界が揺れて雨の降り出したグラウンドに居た。サッカーボールを蹴って進む相手チームの選手が僕の近くに来た。仲間はパスカットに挑む。その位置で居ればパスはしにくい。身体ごとぶつかるようにしてサッカーボールを奪う。相手の動きが遅れる。その間に遠くへとロングパス。孤を描いてボールはきっちりと飛びドリブルで味方が攻めていく。肩にワザとぶつかられた。よほど悔しかったのだろう。「お前を一生、眠れんようにさせたる」と怖い顔で呟く。僕が彼より出来ないと思い込んでいたから恨みが強いのだろう。出来ないのは彼の思い込みだ。僕らが彼のボールを奪わないのは虐(いじ)めが怖いからだ。虐めが怖くないのなら彼のボールを奪うのは容易(たやす)い。天狗になっていた彼のボールを僕はその後も何度も奪ってやった。彼は怒りに任せて僕を殴って退場した。退場する彼の背中を見つめているとぐらりと視界が揺れて僕は気を失った。脳内に波の形が黒地に白い色で現れて消えて、また現れて。波の音で目が覚めた。車の中で眠っていたらしい。堤防の近くだった。「起きた?」見知らぬ女が言った。金髪で少しぽっちゃりしていて好きなタイプだった。「うん。……君は誰?」と僕は言った。金髪の女性は笑って僕の手を引いて車の外へと連れ出す。そして赤い仮面を顔に付けたのだった。波の音は繰り返している。しかし、そのリズムは揺れている。一定では無いのだが、ある法則に満ちていて、1/fゆらぎ、などと数式で表(あらわ)せるらしいと思い出す。では、ここに津波が起これば、ゆらぎは変わるのだろうか?……そんな自然災害さえも数式に表現出来るならば、人類の歴史そのものが、ゆらぎの中の1つでしか無いのかも知れない。女性に対する恋だって揺らぐ。好きになったり離れたりを繰り返すのだ。恋は諦(あきら)めた。僕に恋など必要無い。ハッキリ言えば向いていないのだ。そう感じつつも金髪のぽっちゃりさんに手を引かれて嬉しく思う。結婚したいな、とも思う。しかし、結婚の向こうに僕が居ないのだ。結婚で僕が失われてしまう事が、確かな未来として容易に想像出来る。赤い仮面の女たちが取り巻く。そして赤い仮面の女たちは同一人物である可能性が高い。すると女たちの姿が変わるのは月日が経ったのだとしか考えられない。海の潮風が気持ち良い。少し生臭くて塩と無機養分と昆布のような生命の匂いが1つに溶けたような潮風の匂いに薄っすらと目を閉じた。「どこにあなたのフィールドが有るの?」女性は風で髪が飛ばされて顔にかかるのを長い指で払う。そんな仕草も美しい。潮風を吸い込んで僕は言う。「ここ……熊野やよね?」海が運んで来た石が浜辺になっている。間違いない。七里御浜だ。「そう」嬉しそうに女性は言った。僕は生還したのだ。車ごと谷底へと落ちて這い上がった。そうだ。そうに違いない。……いや、車ごと落ちた記憶と、今見ている、この海の風景は、どちらが先なのだろうか?「ずっと向こう。有馬のオークワの近くやよ」僕は、ずっと向こうを指差す。スーパーの近くに僕の好きな散歩コースがある。昔は良くフィールドノートを記録していて、フィールドとも呼んでいたっけ。何故フィールドと金髪の女性は呼ぶのだろう。僕の過去を知っているのか。浜砂利を踏みしめて歩く。七里御浜の砂利が全国各地の全ての神社で再現されているという説が有る。熊野を再現する事でパワースポットとして力を増す事が出来るのだという。海とは生命誕生の場所だ。鯨は争いを捨てて海に帰った哺乳類だとも言われるのだと本で読んだ。争いなんか陸地に捨てて僕らも海に行こう。人の夢を馬鹿にするな。それ以上に自分の夢を馬鹿にするな。人に何か言われて自分の夢を捨てるなんて最低だ。神様の贈り物を捨てているのだから。本当の夢ならば神様は何らかの意味を持たせているはずだ。夢に向かって進む事で得られる境地を体験しているはずだろ?「綺麗」そう言った女性の金髪が風で舞う。僕は彼女が自分の夢を捨てようか迷っているのを感じた。どうしたら「夢を捨てる事」を捨ててくれるのかが分からずに少しイラッとする。それでも彼女の指先から伝わる温もりは異常な執念で夢を追いかけてたあの頃と同じで、僕は少し安心した。あの頃は夢まで遠く離れていても彼女は真っ直ぐに走っていた。我武者羅(がむしゃら)で汗だけを流してひたすら走っていた。今は歩いている。あの頃より実力も付いて余裕なのだが、あの頃より少し自信に欠けている気がするのは何故だろう?……料理を作る彼女の後姿(うしろすがた)が見える。こうして砂利をザクザク踏みしめても見える。真剣でも愛すべきドジも踏んで可愛くて。何より料理を楽しむ彼女が居た。何故だろうか。僕ならば、進んで来た事を振り返ったら自信が出ると思うのに。彼女は遠くばかりを見ている。過去に見ていたよりもずっと遠くを見ているから苦しいのかも知れない。でも誰もが褒めているんだから自信を持てば良いのに。料理人は夢の形と違うのだろうか?……料理が嫌いになったのだろうか?……彼女は暫(しばら)く歩いて赤い仮面を外した。仮面の夢ではなく、昔の夢を思い出したのだと気付いて僕は笑った。笑い疲れてふっと気が遠くなる。「眠いん?」その言葉を聴きながら砂利の上に倒れるように眠ってしまった。「おい。また眠っとるんか?」水色の髪のソバカスの娘が僕の額を小突いた。「ん?」僕はベンチで眠っていたらしい。「アンタが科学知識も豊富なのは分かった。けどな。それって何の役に立つっていうんや?」それがどうした?……料理をする時に役立つからとか儲けたいのが先に有ったのだろうか?……得意な物を伸ばしていって、それがいつか夢になっていただけだろ。「科学の知識は趣味やよ。実生活で役に立つ事は少ない。けど、生きていく上での楽しみにはなるやん」僕はゆっくりと伸びをした。「ほんなら金にはならへんのやな」と笑うソバカスの娘が赤い仮面を付ける。疲れた表情を隠すためなのだと思えた。それで良いのだろうか?……夢に疲れたんじゃない。決して疲れたんじゃない。夢に付随する大人のルールに疲れただけだ。料理をするのにルールなんて無いはずなのに。ルールばかりの世界だと決めつけたのはソバカスの娘自身なのだが、それを与えた周囲の大人たちが悪い。自分を剥奪された少年少女たちが大人になって次には少年少女たちの夢に嫉妬して奪いに行くのだ。嫉妬だろうか?……夢を持っていた頃を、弱かった自分なのだ、間違っていた自分なのだ、と解釈しているのではないか?……親切心から夢を諦めろなんて言っているつもりかも知れない。大人に成れよ、なんて。こういう大人は誰かに夢を託すタイプに多いのだ。そして自分の生き方が偉大なのだと信じて、他を認めない。趣味らしきものを持たない大人は、何(いず)れ廃人のような老人の生活に入るというのに。酒やギャンブルや異性に溺れて一時の快楽に逃げるのも有りかも知れないが、弱さを完全に克服しない者特有の、愚痴ばかりが出て来る人生なんて悲劇だろう。ソバカスの娘は「料理」という名の宝石を取り戻すには、どうしたら良いのだろう?……悪魔がソバカスの娘の思想を変えようとしている。言わば頭脳というボードを挟んで睨(にら)み合う陣取りゲームだな。僕が勝つのか、悪魔が勝つのか。いや、悪魔側からしてみたら、僕は悪魔だと思われているのだろうか?「お金のために読書をしたら本を読むのが嫌いになるやん」と僕が言ったら「逆やろ。何の役にも立たへんモンを読んどる方が嫌やろ」と言い放つ。「でも、映画を観て役立つ事なんかあります?……お金になりますか?」と尋ねてやった。お金は大事だ。しかし、ほどほど有れば良い。夢を捨てるほどにお金に溺れたら何のために生きているのか?……映画を観て役立つ事なんて無いのだ。「あらへんな」と答えて水色の髪をいじくる娘。「読書だって同じですよ。フィクションでもノンフィクションでも、同じです。学者でも無い限り科学知識なんて役に立たないでしょ?……単に好きだから読むんですよ」僕の発言を聞いて笑ったソバカスの娘を急に可愛く感じた。赤い仮面を外そうか外すまいか考えているのか仮面に何度も手をやった。「屁理屈やな。そんなんやから金を持ってへんねん」と言って手をつないで林の中に入る。キスのような感触が唇にあって僕は急に暗闇に落ちた。夜のような闇の中で微(かす)かにアイドルの歌う旋律がループした。
冷たい。頬に冷たい感覚があって目を覚ます。「また忘れたったんか?……自分のしやる事」女の人は黒い服に包まれている。スーツだろうか?……美しい黒さに満ちた女の人。助手席側のフロントガラスの近くに置かれた赤い仮面を手に取り眺める女の人。僕は冷たいと思ったペットボトルを開けてコーラをひと口飲んだ。僕を呪い殺そうとしている女子を思い出す。あの子は今は何をしているのか?……しかし近づくと命が削られていく。それは単なるオカルト的発想なのだ。気にするな。今は、この女の人が赤い仮面を眺めている事実を知れば良い。眺めるという機能において人は情報の遮断を上手く使ってボカしている。ピントを合わせずに何となくの存在で生きている。そうやって生きている時間に集中出来ないのが全て無駄であるのか?……これは難しい問題だ。目標からすれば無駄である。人生においては無駄ではない。赤い仮面を弄(もてあそ)ぶ女の人は僕が見ている時点で過去なのだろう。光が眼球から入り視覚となるまでの微妙なレイテンシーの積み重ねを考えれば同時に何かが起こる訳ではないのかも知れない。何故、人はキャッチボールが出来るのか。僕が思うに、人は軌道を読んで予測するからなのだ。軌道の読めない球は受け損なう。女の人は赤い仮面を付けた。悲しいようでいて、赤い仮面を付けた事でホッとしているようだった。コンビニの明かりに照らされて僕は尋ねる。「これから、どこへ行くんでしたっけ?」車内の暗さに慣れて全てが見える。女の人の暗い心に僕も染まっているのだろう。慣れてくると女の人の頭脳に入り込むほどになった。入り込む選択をすれば僕を失う。入り込まなければ僕が確立出来るのか、と問えば、否(いな)と答える僕が居る。僕とは女の人に押されたハンコのような物なのだ。あちら側からの全ての評価を繋(つな)ぎ合わせて僕の像が浮かび上がる。しかし、僕はその像の中には居ない。客観的事実の人間像は常に僕とは異なる。そうであれば赤い仮面の女の人も僕の作り上げた像でしかない。どこへ行くのか?……との僕の問いに答える女の人。「山。いつもの道やで。そんなんで上手いコト走れるんか?」あくびをして僕は答える。「いつも通りに走ります」僕は伸びをして赤い仮面を見る。携帯電話でメールを打つ女の人は目がディスプレーの明かりで光っていた。その瞳は宇宙に浮かぶ地球みたいだった。夜が宇宙なのではない。宇宙と夜は別物だろう。時に柔らかな肌のような、時に暖かな毛布のような、時に海の波のような。それが神秘の黒に包まれているのだ。幽体の飛び回る宇宙の中で僕は力が有る者の滅び方だけを考える。そして自分の身を滅ぼしてみた。頭の中で僕の肉は腐り骨となり僕は消える。しかし、怖くはない。仮面の女の人も怖くはないのだろう。ただ遺(のこ)された者たちだけが心配なのだと言う。けれど、それは間違っているように思えた。遺族ですら僕自身であり、全くの他人なのだから。そして僕は世界と一体になる。眠りの中へと消えた。永遠の生を得たのだ。永遠の生は意外に硬かった。堅固(けんご)な岩のようだ。岩?……岩だ。雨の中で目が覚めた。誰も居ない。岩場で眠っていたらしい。灰色の雲が覆って昼間なのに暗い。「あの人、どうするんやろ?……置いてかれたやろ?」と声がした気がする。ぼんやりしていると身体が冷えてしまう。僕は足元にカバンを見つけた。素早く周りを確認して地形を読む。ここは……ダムの下なのか?……とにかく上を目指そう。やっぱりそうだ。ダムの近くの公園だったのだ。公園の屋根の下で雨宿りした。寒さに身体が震えた。カバンの中身を確認したが食べ物など無い。仕方なく地面を這い回る蟻を捕まえて次々に食べた。蟻酸が美味しく感じられる。それほどに空腹なのだろうか。前に食べた記憶自体が無い。この雨の中を帰るべきか雨が止むまで待つか。空を見上げた。雲は層雲だ。積雲ならば直ぐ止むかも知れないが層雲ならば無理じゃないか。そう判断して道を歩く。雨に濡れて青暗い道。ケタケタと笑う子供の声が何処かから聞こえる。空耳だろうか?……まあ、どうでも良いが。道がくねって竹藪(たけやぶ)の向こうまで出ると、お婆ちゃんの家に、たどり着いた。雨に濡れたまま、玄関に転がりこむ。「どしたぁ?」お婆ちゃんが尋ねる。「記憶が無いんよ」僕が答える。そして眠ってしまった。夢の中で竹藪が僕を取り囲んで食べていた。竹が生きているのか竹藪が生物なのかは分からない。僕は白骨に成り、雨に濡れて苔が生えて苔は成長して肉に成り、また竹藪は僕を食べた。竹は肉食だったんだと知った。竹がぐるぐると僕の周りを回って踊る。太い竹が「ぶおぉ」とチューバみたいな低音を吹き鳴らす。いや、違う。チューバに似ているが、これは低いディジュリドゥの音だ。太い竹を吹き鳴らすのは巨人か?……違う。竹藪だ。いや、竹藪という名の巨人でも間違いではない。カンカラ、カッカッ、カンカラ、カッカッ。低音に混じってビートが竹で打ち鳴らされる。竹たちが踊っている。いや、竹藪たち、だろうか。雷鳴が聞こえた。竹たちも竹藪たちも喜んで踊り続ける。人間は竹に比べれば全く踊りの出来ない生物なのだ。竹で出来たフルートが何重にも重なり、竹の音楽はEDMなんだと気付いた。竹が僕を食べて、食べ尽くして、食べ終わる事が無い。僕は食べられると肉が膨れ上がり、人間の形に戻るのだ。しかし、また、竹が食べる。人間の形、竹が食べる、人間の形、竹が食べる。そんな繰り返し。目が覚めた。「起きたか?……お前どうやって来たんな?」お婆ちゃんが尋ねる。「記憶が無いんよ。分からん。気づいたらダムの下の川でおった」竹がまだ脳裏で舞っている。ぐるぐると。頭の中の小人のように。「すみませぇん。あのぉ。ヤク君帰ってませんか?」ピンク色の髪をした少女が玄関から声を掛けた。そして僕の姿を見つけて言う。「あ、やっぱりおった。勝手に帰ったら心配するやんか」僕は不思議に思いながらも答える。「勝手に、って周りに誰もおらなんだし。……っていうかアンタ誰?」僕がお茶を飲んでご飯をガツガツ食べながら言った。「へへへ、困ったでしょ」と青年が笑う。「アンタか!……怪我でもさせたら、どないするんよ?」とピンク色の髪の少女。「また、お前らか。勝手にウチの孫連れ回して、薬飲ませて記憶を忘れさせて。出てけッ。犯罪者どもがッ」お婆ちゃんが怒った。僕は満腹で睡魔が襲いかかる。畳の上で、横になる。竹の回る中に入って僕も一緒になって踊った。踊る内に視界は全ての色を混ぜて1色のグレーに混ざり合い、僕は眠った。






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