『脱獄の果て、森の奥』20夜になった。獣人の娘ヌーパと2人で川に出た。頭上は満天の星空。ヌーパは裸になって水浴びを楽しんでいる。きれいな身体だ。オレは性欲よりも先に美しさに射たれた。美しさが弓から放たれる矢のようにオレの心を射抜くのだ。油彩画を眺めるようにオレはヌーパの裸身を見つめる。左手についた鉤を見つめると無数の傷が入っていて、オレは温かい気持ちになる。使われない道具には意味が無い。ロボットメーカーの工場の機械のように、使われてこそ魂の宿るものがあるのだ。iPhoneから送信