もう10年も前のこと
家から歩き線路越え
スーパーの灯りを越えた闇
防風林の松さえも
黒く染まった夜と化し
堤防越えて砂利の浜
地面と空の区別なく
黒い海が僕に呼びかける
入って死ねや気持ちええぞ
死ね死ね死ねと呼びかける
そんなに気持ちええんなら
黒い海に入ろかいねェ
むしろ明るい気持ちのまんま
砂利浜踏みしめ進む僕
夏場に食べた苺の飴
甘くてべたべた溶けていく
そんな明るい気持ちのまんま
闇の砂利浜踏みしめた
大きな口を開けて待つ
黒い海は笑ってる
突然ザザンと白い波
ビビった僕はハッとなる
怖い怖いよ白い波
龍のごとくの長さあり
稲妻のように光る波
怖さでもって教えたか
とにかく僕は救われた
死とは快楽、生とは地獄
その逆もまた真理なり
意味を知った気になって
こうして僕は生きている
ありがたいねェ黒い海
ちょっとは怖いままだけど
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