公園の駐車場。
頼むぜ。と小池がワンボックスに誘う。
BOSSの低価格サンプラーを抱えて、車内へ入る。
FRPの流曲線の中でウーファーが唸る。そのCDを止めて、小さなミキサーにサンプラーの音を入れ込む。
ふん。トランスじゃねーぜ。ドラムンだよ。時代なんて関係ない。信念。
ジャズメンが自分たちを古いと考えるか?よせよ。自分の信じる音楽をやりたいだけだ。誰がどう考えたのか、ウ゛ァイナルの入ったスポーツカーのオーディオ同士を繋げて、どデカイ音を鳴らしている。小さなミキサーを使って連結された11台の四輪の鳴らす音の凄まじいこと。嵐でも退散しそうなくらい。聞きやがれ。これがドラムンベースだ。16分音符に込めた思い。ロングトーンの低音のシンセベースは、フィルターのカットオフでこもっていて、それでいて、ドライブがかったもの。
俺は林からサンプリング素材を借りている。それらをサンプラーにぶち込んでドラムンベースを作っているのだ。