私のホームグラウンド多摩丘陵では、ハイタカは例年4月上旬が終認となることが多い。もう繁殖地へ向けて旅立っている頃だと思う。というわけで、今回はシーズン最終盤、3月のハイタカレポをお届けする。
識別済みの個体はこの5個体。
【いまひとたびのお風呂】
3月10日、池の対岸に雌成鳥が浸かっていた。入浴の流儀は以前紹介したときと同じで、10分あまり足湯(半身浴未満)をしてから、数回全身パシャパシャして上がるという順序だった。
残念ながら全身浴はうまく撮れなかったのだが、最愛の雌成鳥にお風呂シーンを今季二度も見せてもらえたのだから不満はない。
【新確認の雄幼鳥】
3月20日、谷戸の斜面にやってきた個体。枝被りだが、全体に褐色よりで濃淡コントラストは低く幼鳥、体格的には雄と推定する。しかしこの後すぐに見失ってしまった。
視線の先は、グミの実を食べに集まったヒヨドリだったと思われる。
翌3月21日早朝。
ほぼ同じ斜面に来ていた。狩場に定めて通っていたようだ。このあと枝から谷へ滑空したが狩りには失敗。獲物として狙ったかどうかはいざ知らず、キジバトが飛び去った。ハイタカ自身はカラスに追われて退散。
翌日以降も狩りに現れないか、無論チェックはしているが、今のところ再登場はない。
飛翔下面で初列風切の横帯が何本あるか数えると、7本。
11月に見た雄幼鳥では6本だった。時期も離れており、別個体と見なしていいと思う。ほかの日に横帯5本の個体も見ていて、今シーズン少なくとも3個体の雄幼鳥が現れたことになる。
【太眉の雄成鳥】
3月27日早朝。池のある谷戸から見上げる尾根の枝に、1個体が休んでいた。上面は灰色よりで、尾羽上面の横縞が薄く不明瞭(さきほどの幼鳥の尾羽では横縞が明瞭なのがわかる)。
少し移動して正面を向いたその姿は、おそらく冒頭5体の右端であろう。以前も書いたが、これはやはり雄と見てよさそうだ。
【観察記録集計】
個体 | 確認日 |
雄幼鳥(秋) | 11/2、11/6 |
雄幼鳥(春) | 3/20狩、3/21狩 |
雌幼鳥 | 12/30浴、1/8、2/18 |
雄成鳥眉なし | 1/3浴、2/4、2/18浴 |
雌成鳥 | 1/6浴、2/17、3/10浴 |
雄成鳥太眉 | 1/16休、3/27休 |
不特定 | 1/27雄幼鳥、1/21雌、2/12、3/10、3/19雄幼鳥 |
11月から3月の期間、私が谷戸に足を運んだ回数は計54日程だった(早朝短時間も含む)。うちハイタカの目撃回数は上記の通りで計20回。まあこんなもんかという集計結果だった。
課題としていた狩りの目撃頻度は今年も低かった。私のフィールドは狩場よりもねぐらや水場といった休息施設としての利用がメインのようだった、とも考えられる。
次の冬、どの個体が帰って来てくれるだろうか。みんな来て欲しいが、現実的にはそうはならないだろう。幼鳥に関しては生き延びたとしても、全身換羽して別の姿になっているはず。今まで見なかった成鳥を見かけたら、もしかしたらと想像してみるのはアリだ。
たとえば2021年2月、はじめてお風呂シーンを見せてくれた雌幼鳥なのだが…
私はこの子が成鳥になった姿こそ、冒頭の雌成鳥なのだと信じている。
話半分と断ってはおくけどかなり本気。眉斑の形、上まぶたの辺りがよく似ているというか、変わってない。顔つき全体の印象も然り。
★★★
すっかり身近な存在になったハイタカだが、見つけたときの高揚感は変わることがないし、新たな発見も尽きることがない。今後も探索・観察方法をアップデートし、さらにマニアックな記事を書ければと思っている。
最後までお読みいただきありがとうございます。ぜひまたご訪問ください^ ^