2024年の活動方針を考える前に・・・
せっかくの企画だったので2023年、私の神奈川県内探鳥で得られた(あくまでも個人的な)データを紹介し、軽く分析しておこうと思います。202種一覧はひとつ前の記事をご覧ください。
【観察時期】
アカハラを例にとると、夏は丹沢山地で見られ、多摩丘陵では主に春秋の渡りの時期に多く、河川敷などでは冬も見られる。つまり四季を通じて県内どこかしらで見られるという意味で「通年」カテゴリーに入れる。ルリビタキも同様。ビンズイも同じタイプの可能性があるが、私自身に夏の観察記録がないため「冬鳥」に入れる。
ハチクマなど、県内で繁殖している可能性があっても私が夏に見てないものは旅鳥に入れている。まあメインの観察機会は通過だと思う。
洋上の鳥にも季節性はあるのだが経験が浅いのでそのまんま海鳥というカテゴリーにした。
通年+冬鳥で130種に達することから、やはり冬は観察適期だと言える。
旅鳥のうち、春秋とも確認できたのは9、春のみが8、秋のみが16であった。旅鳥探しは期間限定のお宝探しみたいで盛り上がる。
旅鳥として最大の分類群はシギチドリ類で、18種を数えた。とはいえ安定した立ち寄り地はきわめて少ないため、見つけても1種1個体というような、絞り出すような探鳥を迫られた。今後もその傾向は続くだろう。
【俗な表現だけど、レア度】
次のような基準で分類した。
多:いる時期には広く見られ数も多い
普:生息地や通過地を知ってればまず見られる
少:ほぼ毎年見られるが少ないか局地的
希:毎年見られるとは限らない
珍:十年に一度かそれ未満の珍鳥
不明:初心者のため情報不足(とくに海鳥)
カワセミ類でいうとカワセミ多、ヤマセミ少、アカショウビン希、ヤマ○ョウビンでも出たら珍、という感じ(伏字にしているのは検索にひっかかって読者を期待させないため笑)。KBY2023ではコグンカンドリとイスカの2種を珍とした。異論はあると思う。
多+普で137種。そこまでは誰でもいけると思うが、170くらいからは伸び悩むことが予想される。そこからは、毎年は見られないような希少種をどれだけ拾えるかの勝負となる。
1992年刊行の『かながわの鳥図鑑』では、通年生息している種と、安定して飛来する渡り鳥とを合わせて、神奈川県の鳥類相は約200種だという記載がある。その200種を記録することがここまで困難なことからして、やはり全体として鳥類相は貧弱になってきていると言わざるを得ない。
【情報源】
自力とはあくまでこの1年の話。10年前に本格的に探鳥を始めた頃はガイドブックなどを手掛かりにしたし、まったくゼロからスタートしたという意味ではない。
ちなみに、情報を得て現場かエリアに行ったものの(すでに抜けていたりして)見られなかった種が5種。キレンジャクなど。観察会でメンバーが同定したのに私自身は確認できなかったのが少なくとも6種あった。後者はおもに海鳥であり、これから上達して上乗せできる余地はある。
【地域別探鳥日数】
下見だけで終わったものとか、出勤前ほんの20分だけの渡りチェックとかいうのも日数としている。
地元の川崎市内での探鳥日数が多くなるのは必然で、多摩丘陵、多摩川中流下流を合わせると(のべ)142日。川崎市内だけで実に124種記録できた。横浜に対抗できるかな!?
【得たものと課題】
目標200種設定の功績としては、探索域が広がり脱マンネリを果たしたことと、楽しみを共有できる人脈を得たこと、そして自分自身の探鳥スキル底上げである。
2023年は、思い切って3組織ほどの観察会や探鳥会に参加した。自分のペースで行動できないのを嫌って敬遠していたのだが、どこでも親切にしていただいたうえ、学ぶことが非常に多かった。日常のソロ活動にも定点観察的な方法を取り入れることで、ひと味違う鳥探しを楽しめるようになった。ちなみにこのブログや企画のことはオープンにはしてないけどさすがにバレただろうか。
問題点としてはまず、目標達成が目的化するあまり、新規が見つからないと無駄足だった、みたいなネガティブな思考が多少なりとも出てくること。「情報」が気になってしまうこと。
あとは県内に限定したところで渡りの時期は毎週のように三浦や県西部まで出かけたのもあって、化石燃料消費(と高速代)は減っていない。これは鳥類相貧弱化を憂う立場とは明らかに矛盾している。よりローカル化するか、公共交通機関利用で楽しむ方法を模索中である。今度やるときはそれをシバリに加えてしまうとかね。
2023年12月29日、川崎市。自宅近くの公園に来ているルリビタキ雄成鳥。
ところで今年は鳥類目録が改訂され、亜種の格上げで種が増える見込み。さらにうるう年で1日多いので、ビッグイヤーをやるなら昨年より有利になります。挑戦する方がいたら応援はします、いるわけないか(笑)
いまさら補足すると、私がビッグイヤーという用語を知ったのはこの作品である。
北米が舞台なので、日本では一般的な鳥が珍鳥として登場するシーンもある。コメディとしてはそのまんま自分じゃんみたいな場面もあるので笑えたり、逆に笑えなかったり。懐と時間に余裕のあるかたには視聴をおすすめします。
さて、能登半島(と舳倉島)は私にとっては憧れの地です。何度バーチャル探鳥旅行したことか。被害が広がらないことを祈り、復旧復興に向けてできる範囲で支援したいと思います。
ではまた、今年もよろしくお願いします。