【向こう岸からの声】
5月2日早朝、相模川下流東岸。
2022年のリストから落ちた一種、コムクドリを目当てに2021年に実績のあるポイントを訪ねた。
2年前にコムクドリの集まった木を気にしつつ、中洲にシギ類でもいないかチェックしていると、さらに遠い向こう岸(西側)からかすかに、ある鳥の声が聞こえてきた。コムクドリはいったん忘れてクルマに戻り、橋を渡って声の主にアプローチした。
【意識の外に追いやられた一種】
声は本物だった。ツーキーヒーツーキーヒーなどと表記される。同定はこの時点で完結しているから姿を見なくてもイヤーリストに加えることは可能。でもせっかくだから探す。
高い枝にいて見苦しい見上げの撮影が精一杯だったが、この角度は都合良し。嘴下面に暗色斑があり、体下面や下尾筒に黄色味がない。典型的なエゾムシクイである。
撮影はまたの機会にがんばる(*_*)
ムシクイ類に関しては昨秋、下面での識別を試みたのが記憶に新しい。春夏にエゾムシクイの聞き分けをしたいと書いていた、その基本問題は解決できたことになる。
実を言うと、探鳥目的以前の普通の山登りのときからこの声は聞こえていたと思う。おそらくカラ類か何かの声だと決めつけて興味の対象から外した挙句、聞こえすらしなくなってしまったのだろう。ところが昨年データで聞いて、あれ?この声は?となった。
意味付けが成立したことで耳が働き始めて、この連休中にもう一度別のポイントでも声をキャッチした。やはり、すぐ近くにいた普通種の存在に何年何十年も気づいていなかったようだ。
【ムシクイ類は耳で楽しむ】
ムシクイ類というと5月中旬から6月上旬にかけてはメボソムシクイやオオムシクイが多摩丘陵を通過する可能性がある。センダイ、エゾに続いて普通種、しかも声だけで2種稼げれば大きい。
動画は2年前に録音したオオムシクイ。4種のうちでオオとメボソだけはつい最近まで亜種どうしだった間柄で声がよく似ている。
ところでBIRDER6月号はムシクイ特集らしい。ようやくエゾムシクイを同定した私がムシクイマニアを自称することはできないが、楽しみである。
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この日の探鳥はさらに続いたが、エゾムシクイだけで執筆に時間をかなり要してしまったので、ここで切ります。けっきょく本命のコムシクイは、いやコムクドリは見つからずじまいでした( ; ; )
ではまた、早めに続き書きます。