10月20日、戸隠最終日の朝に見つけたムシクイです。皆様の画面環境にもよりますが、かなり黄色く見えませんか!?とくに眉斑の前半(眼より後ろは白トビしている)、頰とのどは黄色く写っています。
もも、もしかして珍鳥!?
ここまで黄色く見えたのは室内で画像チェックしたときがはじめてで、現場ではさほどでもなかったのである。朝日の影響を脳味噌でフィルタリングしていたのかもしれない。
それでも全体的に明るい色には見えたので、まずセンダイムシクイを考えた。となると、我々の目標は決まってくる。上面つまりセンダイの特徴である頭央線をどうにか撮影しようとがんばった、はず…
しかしシラカバの高い枝にいて見上げの画像しか撮れなかったうえ、観察も満足にできずに見失った。下面だけでもある程度しぼれないだろうかと思い、頼りにしている探鳥会リーダーに相談した。
まあ、黄色いのは光線の影響もあるから普通種(メボソ系、エゾ、センダイ)から考えた方がよさそう(笑)だということと、いくつかの識別ポイントを教わった。
私自身も資料を揃えたうえで、吟味。
【1】『山渓ハンディ図鑑7新版日本の野鳥』(山と渓谷社)
【2】『決定版日本の野鳥650』(平凡社)
【3】『鳥説』(♪鳥くん著、主婦の友社)
【4】BIRDER2011年3月号の特集『ムシクイ類パーフェクトバイブル』
このうち【4】は今回ネットで購入した。BIRDERで最新のムシクイ特集だと思われるが、分類体系はメボソムシクイが3種に分かれる以前のものである。
・下嘴に暗色斑がある
【3】【4】センダイは無斑
センダイ脱落。ついでにイイジマも脱落。
これが実はかなり強力なポイントだった!
・翼帯らしきものが1本ある
【4】モリには翼帯なし(´ω`)
キタヤナギ、キマユには2本
珍鳥系ほぼ脱落。
・下面が白く、中央に黄色い部分
【1】メボソ系、センダイ、イイジマ
にそのような記載あり。
【2】エゾは「黄色みはない」
エゾ脱落。
センダイとイイジマは脱落済みなので、
メボソ系しか残らないことになる。
・下尾筒が黄色い
センダイの特徴といわれているが、
【1】では腹の中央から下尾筒にかけて黄色みがあるメボソも紹介されている。
【4】の37ページから以下のみ引用する。
「多くのムシクイ類は、繁殖後の秋の渡りの前に全身の羽を換羽する(完全換羽)。そのため秋に見る個体では、年齢を問わず羽が新しいものが多い。特に第1回冬羽は成鳥に比べて黄色味や褐色味が強いことを覚えておこう。」
こうなるともはやなんでもありになってしまう(笑)
というわけで現時点の識別としては、メボソムシクイ上種(メボソムシクイ、オオムシクイ、コムシクイのうちのどれか)が有力だと考える。黄色味のつよい個体が朝日を受けてますます黄色く写り、成り行きで珍鳥まで期待してしまったという話に落ち着かせる(それでもやたら顔黄色いし、尾が短く見えたり、胸腹が太かったり、落ち着かなさは残る^^;;)。
ムシクイ類はやはり春夏に声で識別するのが確実で楽しい。実はエゾムシクイをまだ確実には聞き分けていないので、来春のひとつの目標にしようと思っている。
声で識別したセンダイ、メボソと今回の個体を並べた画像を追加しておきます。うーん、黄色い…
おしまいまで読んでいただき無上の喜びです。
次からは軽い記事に戻ります(*´-`)