2-2. 2次筆記試験(続き) 

継続して行っていたJNet21要約練習や演習の復習も、年を重ねる中で少しずつ改善をしています。例えば、毎日行ったJNet21の要約は最終的に200字に纏める際に、いきなり200字にするのではなく、まず40字で要約、次に120字で要約、最後に200字で要約することで、与件文から幹として書くべきことは何で、文字数によってどの枝葉をつけるかの見極めのスキルを向上させるように工夫しました。また、演習の振り返りでは、事例を解く全体のコントロールで80分の時間をいかに使うか(解く順番や時間配分の見極め)がポイントだと考え、解答作成順序が妥当であったかを毎回検証していました。具体的には、演習での設問の解答順序と返却された点数から、2番目までに解いた問題で7割以上の得点、3番目までに解いた問題で6割以上の得点を取ることを目安にできたかどうかをチェックし続けていました。

試験直前の1ケ月は、セルフ模試を2回実施し時間感覚を忘れないようにすること以外は、ひたすら過去問を読み返していました。解答はすでに覚えてしまっているため、編集等のスキルは要約練習で維持する方針とし、事例の与件文と設問を読み解答の方向性を思い浮かべるところまでを、H14からH26までの52事例(13年分×4事例)を可能な限り回転させていました。事例Ⅳだけは、それに加えて、過去の予備校の演習問題を引っ張り出してきて毎週3~4事例を解くことも行いました。また、演習の振り返り時に纏めていた自分の弱点リストと事例Ⅳのポカミスを繰り返し読むことで、同じ間違いを本番でしないように己を知ることも直前1ケ月に集中して行いました。これらは、通勤の電車、風呂、トイレの中の隙間時間でできますので、まとまった時間の取れない平日にも途切れることなく少しずつでも続けることができます。

それでも、本番では思い通りに進めることができたわけではありません。事例Ⅰはやはり緊張しましたし、事例Ⅲの時点で右腕の腱鞘炎がぶり返し、事例Ⅳが始まった時点ではまともに数字が書けない状態に近くなっていました。しかし、上記で積み重ねてきた訓練が、事例を解く80分のコントロール、事例の文脈からの出題者の意図の把握、事例Ⅳでは計算方法など、読む・書く・計算するといった作業部分は身体に染みついて自動的にできるようになっていたことが、大きな助けになったと考えています。

(続く) 

2-2. 2次筆記試験 

2年目以降は、2次試験中心に学習を行いました。2年目から4年目まで、各年度に強化するテーマを持って取り組みました。2次試験は、「設問の解釈」→「本文の(文脈を)読む」→「解答を考える」→「規定の文字数で編集して書く」という作業と、「それをコントロールするプロセス」から成りたっています。そのどこに自分の弱点があるのかを自己診断して改善することの繰り返しでした(H27の事例Ⅲで出題されたTOC理論のごとく、やっかいなことに、ボトルネック工程は移動します!)。

2年目は、2次試験の作法を知ることと、80分をどう使うかの手順をある程度確立することがテーマでした。また、事例を解くにあたり、課題解決を強く意識することを心がけました。合わせて、JNet21の企業事例の要約練習等により、書く(解答要素を編集する)スキルの向上を中心にトレーニングを行いました。また、1年目の1次試験の学習方法から離れ、2次試験は「復習」こそが重要との認識のもと、予備校の演習に対して、解説のチェックだけでなく、自分の解答とのギャップ分析(解答の方向性・要素漏れ・マスデザイン)に力を入れました。また、交換した勉強会メンバの答案の解答を採点し自分だけが取れていない観点を弱点として意識するようにしました。

3年目は、事例Ⅳ対策が最大のテーマでした。H24は経営分析で収益性だけを問われたり予測P/Lを作成したりと前年度までと違う出題形式にパニック状態、 H25は経営分析でP/LがなくB/Sだけで安全性だけの分析だったり、200%定率法が問われたりと、変化球が続いており、基礎ができていないために反応できなかった反省を踏まえ、放送大学のファイナンス入門やイケカコノートを教材として追加するとともに、過去の予備校の事例Ⅳの演習問題を引っ張り出してP/L, B/Sだけを電車の中で眺めて経営状況を把握する訓練も行いました。もうひとつのテーマは、過去問の徹底的なやり込みです。H14~H25までの問題を解き、自分の解答と予備校の模範解答とのギャップの確認、事例の写経・要約による事例の作られ方の研究等を行いました。3年目は、演習や模試も上位の成績をキープしていましたので、それなりに自信を持って臨みましたが、残念な結果に終わりました。本番の恐ろしさを改めて知った年でもありました。

4年目は、3年目にやりきっていた感もあり、学習を始めるにあたり強化ポイントのテーマをどう設定するか悩みましたが、2次試験対策の基盤はできていると考えたため、他の予備校で提唱している考え方や教材も取り入れ、自分の弱点と思われる部分を潰していくことにしました。予備校の講座については後述しますが、ひとつは国が中小企業に対して期待し行っている政策を理解すること、もうひとつは、事例を文脈として読むことで出題者が一番言いたいテーマは何かを適切に捉えることです。そのふたつを解答作成時の羅針盤として持つことで、出題者の準備した解答から大きく逸れることはないという仮説に共感したからです。また、スキル面で更に強化を図ったのは、80分を有効に使うためにどの問題から解答するかの見極め力を磨くこと、より採点者が読みやすい解答の書き方をすることの2点です。さらに、本番と同じ試験環境をできるだけ多く体験し疲れ具合も含めて身体で感覚を覚えるために、各予備校の模試等を活用し、少なくとも1回/月は本番と同じ時間で4事例を連続して解く時間を作りました。

(続く) 

2. 学習方法について 

2-1. 全般 

1年間を通じて学習のモチベーションを維持し続けるというのは、なかなか大変です。特に、多年度受験になってくるほど、時には合格への道筋が見えなくなって苦しくなります。しかし、多年度受験生は、1年間を通じてどのようなイベントがあり、それまでに自分の状態がどうなっているべきかを、身をもって経験したことで分かっている、という強みがあります。そのため、年度のはじめに、自分の弱点がどこにあるのかを振り返り、年間を通した学習計画を立て、必要に応じ途中で軌道修正を行いました。また、本番1ケ月前は学習計画を週次で立てそれをこなしていくことで迷いによるぶれを防止しました。PDCAを回すためにも、計画策定と学習記録は必須です。

なお、最終年度では、TACだけでなくAAS等複数の予備校の教材を使用しています。ただし、複数予備校のメソッドを中途半端に混ぜ込むと軸がなくなってしまいますので、基盤を持ったうえで目的を明確にして使い分けなることが必要と考えます(予備校の活用の方法については後述)。

中小企業診断士のミッションが、企業診断と助言であることを考えれば、試験対策として、自ら考えて自己診断と自己改善を繰り返していくことができるか否かは、診断士としての能力をつけることそのものでもあります。その意味で、予備校の授業や講師の先生の指導だけではなく、時間はかかっても自分自身で工夫を重ねることが、非常に大切ではないかと考えます。その際、思い込みだけで走らないように、自分で考えたことを、講師の先生に相談し助言をいただきながら進めることをお勧めします。 

2-1. 1次試験 

1次試験は比較的すんなり通過しました。1年目に、1次試験対策だけで1,000時間以上学習時間に使った結果、危なげなく通過したものの、2次筆記試験はお作法(試験の暗黙のルール)もよくわからないままに受験しあえなく敗退。その代わり、2年目以降は、1次試験向けは中小企業経営・政策を中心に100時間程度の学習時間で十分合格点を取ることができました。1年目にしっかり知識を入れておくことは、2次試験にも役に立ちますので、ストレート合格にこだわらず、1次の知識を曖昧なままにしないことをお勧めします。1次試験は、テキストの予習→授業での理解確認(& 講師への質問)→過去問題集でのアウトプットを愚直にやれば、必ず得点が伸びます。1次試験のポイントは、「予習」と「問題集の繰り返し」による知識の定着だと考えます。

中小企業経営以外の科目はほぼ毎年同じ内容ですので(H27は会社法等の改正があり法務の改正論点だけは追加で学習)、中小だけは基礎講座を毎年取って学習したものの、他の科目は暗記もののみスピード問題集を1回転させ、最後にまとめのレジュメを復習しておけば、1年目の知識で乗り切れました(3年目は記憶が薄れてきたので1次対策まとめ講座を取って1次試験の知識を再インプットはしました)。

(続く)