仕事柄か肩こりがひどく、マッサージによく行きます。行きつけの店舗で、割引制度が変わるという説明を受けました。従来は、次回予約をすると割引する制度でした。それが、60分施術の回数券を購入すると割引という制度に変わりました。

この制度変更には、やや疑問があります。利用者としては、次のことを考えます。
・自分は90分の施術を受けるので、60分の割引+30分の普通料金を払うことになります。割引が少なくなり、カードに加えて、回数券を持ち歩く手間が増えますガーン
・従来から、カードに事前チャージするシステムがありましたが、半年間有効でした。回数券は2枚つづりで有効期限 1ケ月間です。用事があるなどして2回/月 来店できないと捨て金になります。イラッ
・お店側は、売掛を回収する期間が短くなるメリットはありそうですが、顧客のデメリットを増やしてまで資金繰りをしなければならない経営状態なのかと思ってしまいます。回数券が紙くずになるリスクを感じてしまいます。アセアセ
・予約割引がなくなるので、終了時に次回の予約をせずにすることが必須ではなくなり、必要になったら電話予約する方がよくなります。結果、足が遠のくことになるのは必至です。うーん

顧客満足度を下げてまでやる価値のある施策なのでしょうか。
従来の制度の方が、単価の高いヘビーユーザの満足度を高めリピートを確実にとらえられる制度のような気がします。短期的に、資金繰りが良くなるメリットはありますが、「そんなに危ないの?」という疑問を持つと回数券の購入にも躊躇してしまいます。

個人的には改悪であり、中長期的に見ても経営にはマイナスではないかと危惧してしまいます。

東洋経済 エグゼクティブセミナー「利益体質企業へ導く間接費プロセス改革」を聴講。
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早稲田大学大学院 経営管理研究科 入山章栄准教授のイノベーションに関するお話しがおもしろかったです。「世界の経営学者はいま何を考えているのか」「ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学」の著者。

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今日の講演は、認知心理学と社会学をベースとしたアプローチで、イノベーションを読み解くことがテーマ。時間切れで、社会学的アプローチのお話しが省略されてしまったのは残念でした。

 

新しい斬新なアイデア(知)はどうしたら生まれるか。常に今ある既存の知と今ある既存の知同士の新しい組み合わせ(new combinations)であることは、ずいぶん前からわかっている。

ただし、目の前の知ではなく、なるべく自分から離れた遠くの知を、なるべく幅広く探索して、自分の今もっている知と組み合わせることが必要。Exploration(知の探索)×Exploitation(知の深化)。探索と深化をバランスよく両利き経営できる企業からイノベーションが生まれる。これは、世界の経営学の共通認識。ところが、知の深化に偏りがちで、目の前の知の組み合わせの深堀りに走ってしまう。そこからはイノベーションは生まれない。

 

もっと知の探索を促し、探索と深化の両利きの経営を促すにはどうすればよいか。
(1)経営者レベルの両利き
Appleの製品:Lisa、Apple TV、Ping(Appleの昔出したSNS)、iPod Shuffle、iMacの丸いマウス。共通点は、すべてステーブ・ジョブズの失敗作であること。彼は実は失敗王だが、知の探索をした結果。知の探索には失敗が伴うことを知るべき。
(2)戦略レベルの両利き
オープン・イノベーション - アライアンス、M&A、CVC。CVCによる新興企業への投資は知の探索の投資。米国では第3のオープンイノベーションの手段として定着。ロート製薬など10年来やっている。
(3)組織レベルの両利き
①人材の多様化(ダイバーシティによってイノベーションが起こる可能性。日本のダイバーシティは女性のみにフォーカスし過ぎ。タスク型のダイバーシティが組織には重要。性別や国籍のデモグラフィック型ダイバーシティではグループ内グループが認知上出来上がってしまい多様性を実現できないことが多い。)。②Contextual Ambidexterity - 組織ルール・文化。3Mの15%ルール、Googleの20%ルールなどが知の探索につながっていく。

 

組織学習理論的には、トランザクティブ・メモリーが重要。情報の共有化(ただし、組織の全員が同じことを知っていることが重要なのではない。組織の誰が何を知っているかを、全員がうっすらと知っていること。Whatではなく、Who knows what。さらに、そこに気軽に聞きにいけることが重要。)

 

仮説は、過去の日本企業には、「知の探索」「トランザクティブ・メモリー」「弱い結びつき」などが充実していたのではないか(インフォーマルで)。①ヤミ研、②平場のオフィス・研究拠点の集約、③インフォーマルなつきあい、④人の縁。それらが効率化によって失われているのであれば、それに代わる施策が必要。逆に、今シリコンバレー企業が入れている:①20%ルール、②建物の中央のコーヒー飲み場 など。日本企業も、こういった仕掛けを再びルール化してに取り入れることが重要であろう。

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実に興味深いお話しでした。

 

Books:

 

 

小倉仁志(著)「なぜなぜ分析 管理編」を読了。

なぜなぜ分析 管理編/小倉 仁志
¥2,160
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神奈川県中小企業診断協会の小倉会長の著書です。

ストーリ仕立てで事例をあげながら、具体的にどのように「なぜなぜ分析」をするのか、その結果と共に紹介されているので、理解しやすくなっています。

トヨタ式「5回のなぜ」は有名です。自分の勤務する会社でも、「落穂ひろい」という名前で、失敗の原因を追求して再発防止策を考える仕掛けがあります。若いころに設計職場で「なぜを繰り返す」ことについては教育されてきましたので、「なぜなぜ分析」の意義に違和感はありません。

ただ、その際に気をつけなければならないのは、失敗した人を吊し上げる場になってしまっては、いけないということ。あくまで再発防止のための皆での原因と対策の検討と共有の場という意識でやらないと、内発的原因に踏み込んだ際に、感情的な反発が起きてしまいます。

本書の最後に、著者インタビューがありますが、「犯人捜しの原因追求とお別れしよう」というタイトルを見て、同様のことをおっしゃっておられたので、意を強くしました。さらに、再発防止策が、形骸化することに警鐘を鳴らしているのが本書の本質と感じました。ありがちなのは「チェックリストを作る」という再発防止策。これは、チェックのためのチェックのような手続きが積み重なって、仕事のプロセスが重くなり業務スピードを落としてしまう危険があります。

具体的で効果のある再発防止策を考えることは労力がかかるので、日頃の業務でも、ついありきたりの結論に陥りがちになってしまいがち。心しようと思います。