須藤実和(著)「実況LIVE コンサルティング実践講座―戦略思考による課題解決とアクションプラン」を読了。


実況LIVEコンサルティング実践講座―戦略思考による課題解決とアクションプランコンサルティングのフレームワークは知識として学びましたし、業務で課題設定と施策への資料を纏めることもそれなりに多くあるのですが、我流でやっていましたので、実際にコンサルをする方はどのように進めているのか、という観点で「実況LIVE」というタイトルに惹かれて読みました。
本書は大きく2部構成になっており、前半が「戦略思考による課題解決」、後半が「プレゼンテーション」について記載されています。後半は、どんなに良い提案を立案しても、それがきちんと伝わり、実行してもらう気持ちになってもらわなければ意味がない、という考えから書かれています。それは同意。
正直、LIVE感は期待したほどではなかったですが、前半の「戦略思考による課題解決」は重要性はわかっていながらも、時間や情報量の制約で十分にできていないことが実際は多い、という反省もあり、前半の第2章から第5章の課題解決に至る進め方が特に参考になりました。

以下は、覚書を兼ねて、自分が特に留意要と感じたことのメモです。普段、仕事上でも感じていることも多々ありました。
・はじめに目的とゴールをはっきりさせること。経営者として何を手に入れたいのか、何を達成したいのかを明確にすること。
・十分な事実情報の土台なしに初期仮説を立ててしまうと”あてずっぽう”な仮説になってしまう危険がある。
・何を知りたいか、を再整理することが重要。それによって、情報から得られるメッセージが大きくことなってくる。
・競合は、潜在競合マップを作成した上で、どの競合の調査を掘り下げるのかを考えるべき。両社が狙っている顧客セグメントの相違、顧客セグメントの主な購買決定要因の違い、などの分析により、売上の相違を生んでいる根本的原因を明らかにすること。その上で、自社が有する可能性と制約を整理し、課題の全体像を捉える。
・構造化によって、ヒアリング調査する項目をMECEに作る。
・数字の傾向が読み取れたら、その要因は何かを解明する。傾向分析の結果を受けて何をしなければならないか、を考える。いろいろな全体(数値の対象)と、いろいろな切り口で要因分析を行い、多面的な角度から課題のありかを探る。
・因果関係が認められる複数の要因に関し、どの変数がどの結果をもたらすのかを明らかにする。(対策の調整ツマミを明らかにする。)
・仮説に基づく「もれ分析」により、もれた段階の前後における状況の相違を定量的に把握し、もれの影響度を評価する。
・競争優位性や差別化に向けた取り組みの優先順位付けを考えるにあたり、「商品カテゴリー展開」「バリューチェーン上の展開」「地域展開」の三軸で事業の全体像を把握する。
・自社資源をうまく活用して、市場環境に勝つための具体的な方向性を明らかにする。強み/弱み×機会/脅威。
・具体的に何をすればよいのか、経営資源を投じる優先順位を明確化する指針となる考え方を提示する。実行には何らかのトレードオフがつきもの。こうした難しさ・複雑性・無理を克服する突破口を見つけることが重要。
・斬新さや新規性が必ずしも戦略的に正しい応えに不可欠というわけではない。
・ビジョンの再構築は、将来にわたっての強み・弱みをマーケティングと技術開発の両面から明らかにし、グローバルな視野で勝ち残るために、どの領域に限られた経営資源を集中すべきかの方針を決めること。
・購買行動パターンや深層心理をもとに顧客の購買行動に直接影響を及ぼしている要因をあぶり出し、いんが関係を明らかにする。その上で、その購買行動に有効に働きかけるためのキーワードを見いだす。
・先行きの予測が難しい状況下では仮説を実行に移す前に、軌道修正が可能な体制を整える、または、うまくいかなかった時の対策を事前に考えておくことでリスクを回避する。
・不確実性の高い事業環境においては、実際に仮説を実行したのちのプロセスづくりが重要。
・仮説の設定においては、事実から、その意味するとことを読み取ることが必要。そのためには、肌感覚とビジネスへの嗅覚が大事。
・仮説を実行に移すにあたって、「ここが想定とちがっていたら困る」「この部分に関しては自信がない」という所は、事前に何らかの手段で簡易確認を行うことが得策。
・現状の抜本的な打開につながるような答えであることは必要条件。実行に移すにあたっての現実の制約や不確実性を乗り越えるための咲くが用意されていることが十分条件。
・課題解決を実行するには、誰がリーダーシップを取るべきかの見極めが重要。
・自らが導き出した解決提案を顧客企業に共感していただき、実行に移そうという気持ちになっていただく段階が一番のチャレンジ。
・キーメッセージは何かをはっきりさせることが重要。何を提案したいのか、具体的には現状のどこを変える提言なのかをはっきりさせることが出発点。
・顧客価値を伝える100万ドルのスライドが1枚あるか否か。
・前提と因果関係が重要。
・迫力の源泉は当事者意識と具体性。期待効果が明確であること、一般論でないこと、一つの方向性に絞り切ること、具体的であること、結果に対する責任意識を持つ事、目線を高くもつこと。
これ、中小企業診断士の実務補習の心得、にも使えますね。意識したいと思います。
