翔泳社 Biz Zine 主催のセミナー「Business Book Academy コーポレート・アクセラレーター セミナー:大企業×ベンチャーによるオープンイノベーション」を聴講してきました。

http://bizzine.jp/article/detail/1480?utm_source=bz_tandokumail&utm_medium=20160401&utm_campaign=seminar20160412


コーポレート・アクセラレーターとは、大企業とベンチャー企業による共同事業開発モデル。そういえば、ミラサポの「グッド・ビジネス・ニッポン」も同じ考え方ですね。

イノベーションのジレンマは有名な話ですが、大企業では、事業規模がないと維持できなかったり、変革や失敗への抵抗があったりして、なかなか新規事業を自前主義で育成するのは難しいのが現実です。米国などでの事例は、そのひとつの解を示してくれているのだと思います。日本企業も、失敗を許容する先行投資も、ひとつの成長手段として考えてもよいのではないかと思いました。一方で、スタートアップ企業の数自体も少ないことも課題です。日本全体の風土として、起業に対するリスペクトを持ち、人材流動性をあげるように変わっていく必要があります。この壁が高いこともまた事実でしょう。

講演された株式会社01Boosterさんは、欧米のコーポレート・アクセラレーターの考え方をベースにしながらも、それを日本企業が実行できるようにカスタマイズして、スタートアップ企業の支援事業をされているとのこと。もちろん、ビジネスとしてやっておられるのですが、共同代表の合田さま、鈴木さまとも、大企業を経て起業した経験をもつとのことで、大企業の事情もわかりつつ、起業家を応援する情熱を感じました。


お話の中で、「まさにそうなんだよな..」と納得できると感じたことも多々ありました。その中で、特に印象に残った言葉をいくつか書き留めておきます。
・大手企業は、新規事業に出すお金が非常に少額。新規事業を実は起こしたくない企業も多い。社内変革を伴うから。
・日本企業はコミュニティ形成にお金を払わない。実は、プラットフォームを持つものが強みを持てる時代。エコシステム投資が必要。
・弱い紐帯の強み。The strength of weak ties. 同質化した文化からはイノベーションは生まれない。弱い紐帯が強いネットワーク同士をつなげるブリッジとして働き、情報伝播や相互理解促進の役割を果たすことによって、イノベーションが生まれる。
・企業内でイノベーションを起こしにくい理由は、①本業のオペレーションに最適化された組織制度、②イノベーション部門がない、もしくは、独立性・地位が低い、など。結局、オペレーションとイノベーションはひとつの人格(組織)に内在できない。よって、ベンチャー企業との共同事業化が有効。
・大手企業にとっては、本体から切り離した出島で、ベンチャー企業の新規性、実行力、覚悟を利用し、失敗コストを制限し、リスクを外部化し、スピード感を持って、数多くトライできる、というメリットがある。
・大手企業側は、ただのファンドではなく、「世の中は今後こうなる」「自分たちはこうなりたい」というビジョンを持つことが重要。そこに、良いベンチャー企業が集まり、社内での支持も得られる。

日本での事例としては、
・学研アクセラレーター2016 http://www.gakken.co.jp/accelerator/
・森永製菓 アクセラレータープログラム https://www.morinaga.co.jp/company/newsrelease/detail.php?no=1212
など、現状に危機感を感じている企業は、取り組んでいるようです。寡聞にして、その存在を知りませんでしたので、勉強になりました。


「共創」というキーワードは以前から使っていましたが、自前主義が強かったり、パートナーを共同事業者ではなく製品を売ってくれるチャネルと勘違いしていたり、など、あまりうまくいっていないのが、日本の大企業の実態だと思います。これからの時代は、オープン & クロース戦略が重要。ベンチャーや中小企業が起こしたイノベーションを、大企業のリソースもうまく活用しつつ、win-winのビジネスにしていくことが必要、と感じたセミナーでした。