日経レストラン(編集)「日本全国 超繁盛店の すごい集客」を読了。

日本全国 超繁盛店の すごい集客/著者不明
¥1,575
Amazon.co.jp

日本全国の超繁盛店レストラン  が、どのようなポイントでお客様の心をつかみ繁盛  しているか、という事例が、各店舗数ページづつに纏められています。簡潔な纏めもあり、マーケティングの事例として、非常に興味深く読みました。

研究書のように、統計的にどうすれば集客ができるかの分析をしているわけではありませんし、個別個別の事情によって異なるので、結論も定性的でバラバラです。しかし、そこに本書の意義と面白さがあるのだと、感じています。

もし、1年前にこの本を読んでいたら「なんだか事例の羅列ばかりで宣伝本なの?つまらん。」と思ったのではないかと思います。しかし、今は、非常に面白いと感じられます。なぜか? 本の内容が変わるわけはありませんので、受け取る側の自分の感性が変わった、ということですね。

ひとつひとつの店舗は、決して大きな企業ではありません。明示されてはいませんが、おそらく中小企業の中でも小規模企業に属するようなお店がほとんどだと思います(小規模企業:中小企業基本法の定義では、サービス業だと常時雇用する従業員が5名以下の企業規模です)。

それらのお店が、集客のためのプロモーションを行い、お客様に満足していただけるサービスで既存顧客のリピートを増やし、クチコミで新規顧客を開拓する。まとめてしまえば、そういうことなのですが、個別の事情(経営環境)の中で、自分の持っている「知恵」という経営資源を最大限に使って、それを実現している様子が、生の姿でありありと伝わってきました。 

それぞれの店の事情にあわせたの工夫(すごいところ)に、感心させられましたし、一個人として尊敬するところも多かったです。

本書自体は、折に触れ読み返して知恵を貸していただく、という使い方ができるように、自分もまた、こういう多くの現場で「知恵」を提供できるだけの実力をつけるべく、学習にも励みたい、という思いを新たにしました。 


[2013-02-24 閑話休題:TV CM (docomo vs softbank)]

NTTドコモのCM 
https://www.youtube.com/watch?v=TNWbOaMyLA8

ソフトバンクのCM 
https://www.youtube.com/watch?v=iXZT1Q346hA

最近よく見かけますね。いろいろなバリエーションがありますが、対照的だと感じます。

ドコモダケのCMの白戸家のCMの二番煎じ? という話はしません(まあ、それは、わざとそういう所を狙ったのだと解釈しています。善し悪しは別として)。

ちょうど、そろそろ進学の時期を迎え、新入生をターゲットに、どちらも学生割を販促の目玉にして、家族全員を当該キャリアのユーザとして取り込もうとしている、という意図のように思います。


が、ドコモのCMは、家族全員を取り込もうとするメッセージが多めに入っているために、メリットの点で、いまひとつ訴求しきれていないように感じました。それに対して、ソフトバンク側は、これでもか、というくらい奇抜な演出で、学生3年タダをアピールしてきています。その上で、謎めいたストーリも織り込み、今後の新しい展開もあるぞ、ということを視聴者にメッセージしています。

どちらが視聴者の興味を引き、どちらがそのメリットを視聴者がより理解したか、という点では、私はソフトバンクのCMに軍配を上げます。まあ、もともと奇抜な家族構成設定で押し通してきたので、すでにそれが視聴者にあたりまえになっている、という状況の上でできることではありますが。

逆に、ドコモは、せっかくドコモダケ一族(AKBを使ったCM等も含め)というキャラクターを作りながら、そのキャラクターである意味を感じさせることができていないのではないでしょうか。

ターゲッティングの明確さと訴求力という点で、残念な結果に終わっているように思いました。


私は、広告業界は素人ですので、いち視聴者としての感想にしかすぎませんので、読み方が間違っているかもしれませんが..。


なお、個人的には、10年来のドコモユーザですし、株式も保有していますので、ドコモを誹謗するという意図は全くございません。失礼な表現がありましたら、ご容赦ください。m(u_u)m


アル・ライズ他(著)「ポジショニング戦略 新版」を読了。

ブランドを勉強しようとしたわけではなく、マーケティングの基本をちょっとおさらいしてみようと思って読んだ本なのですが、本書のかなりの割合が製品名について割かれていた印象。

それだけ、製品名(ブランド)というものは、その製品のポジショニングをどうするか、という問題と切っても切り離せない問題ということではないかと思います。

これも、結構古典のようなので、既にご存知かもしれませんが。

ポジショニング戦略[新版]/アル・ライズ
¥1,890
Amazon.co.jp

「会社名+名称」というパタンは、いわゆるブランド拡張と呼ばれるやり方ですが、その功罪についても、考察されていました。最近、周囲でこのパタンが多いので、ちょっと関心。

本書での製品は、消費財において顧客から想起されることを主眼に論じられていますので、システムの部材としてのみ使われる製品には、当てはまらない部分もあるので、そこは区別する必要があると思います。

ネジひとつひとつは、よぼど特殊なネジでそれ単品で訴求して売るのでなければ、特別な製品名をつけず、識別記号しかついていないのと同じですね。

---- 個人的なメモ:ここから ---- 

・コンピューターを最初に発明したのはIBMではなくスペリーランドだが、消費者の頭の中にコンピューターという商品のポジションを最初に獲得したのはIBM。だからIBMは成功した。
・新商品は既存商品に対比する形でポジショニングする。人は既にあるものと関連づけられていないと、全く新しいものを受け入れないから。例えば、自動車は、最初「馬なし馬車」と呼ばれた。
・ポジショニング戦略をひとことで表すと「穴を探せ」ということ。穴を探す観点としては、「サイズ」「高価格」「低価格」「性別」「年齢」「時間帯」「販売経路」「嗜好」など。
・ただし、「工場の穴」は落とし穴(明言ですな)。工場の稼働率を優先すると、顧客が望まない売れない製品ができあがる。
・マーケティング戦略の基本はライバルのポジションを崩すこと。入り込める穴はめったにない。であれば、ライバルが既に消費者の頭の中に築いているポジションを変え、自分で穴を作り出せばよい。
・シーソーの原則。ふたつの異なる商品に同じ名前はつけられない。片方の売上が上がれば、もう一方が下がる。自分が価値のあるポジションを持っているときに、自分で自分のポジションを奪おうとするのは悲劇である。
・スコットはかつてはトイレットペーパーのNo.1ブランドだった。が、タオル、ティッシュ、紙おむつなどなどスコットの名を冠した商品が増えるたびに、一般消費者の頭の中にあるスコットブランドが薄れていく。ポジショニングが不十分なままだと、スコットから特定のものを想起できなくなり、結果シェアを下げることになる。
・サービス業において、ポジショニング戦略は通常製品と同じでも、広告テクニックは異なる。商品広告では、最も重要な要素は視覚的要素だが、サービス業の場合は言語的要素。(サービスも可視化して訴求するパタンがあるので、必ずしもそうではないと思いますが、)
・規模の小さい企業でも、地域密着のブランド戦略により大手の侵略に反撃することが可能
・スピーディな銀行戦略は、知名度向上、売上向上とともに、行員の業務態度の変化(イメージ広告したスピーディな銀行を実現しようとして一人一人が業務スピードを上げた)を生み出した。それが最大の成果。

---- ここまで ----