こんにちは! こうの史代です。
というわけで。
天橋立にほど近い山寺「成相寺」で売られていた観音様の掛け軸に心を惹かれて、「次に行く時まだ欲しかったら買おう!」と夫と話したものの。
わたしには、ひとつ引っかかる事がありました。
どの掛け軸の観音様の周りにも、うっすらマス目が区切ってあったのです。
…あれはひょっとして「納経軸」ではないだろうか?
普段から、わたしは日曜朝のラジオ番組「西国三十三所 trip around」
が大好きで毎週楽しみに聴いているのです。
四国八十八ヶ所と同じように、この近畿二府四県と岐阜県には三十三所の観音霊場が点在していて、古くから巡礼の旅が行われているのだそうです。
昔は写経を納めて、その受け取りの証として御朱印を頂いていたそうで、御朱印帳は「納経帳」とも呼ばれます。
人によっては掛け軸に御朱印を頂くようで、これは「納経軸」と呼ばれるのです。
…ということはこのラジオで知りましたが、実際に見るのは初めてでした。
このラジオ番組は、我々が訪れる直前、ちょうど成相寺の特集でした。
成相寺は、西国三十三所の最北端の霊場だったのです。
あの観音様は納経軸で、納経軸を手に入れるという事は、西国三十三所を巡らねばならないという事ではないだろうか?
紀伊半島の端っことか、琵琶湖の中の小島とか、岐阜県の山あいとかも?
…。
…。
…。
まあ面白いかもな!?
ハラが決まると、今度はますますあの観音様が気になって仕方ありません。
で。
2週間後!
夫を説得して船に乗って!
葉桜とたけのこに囲まれたリフトに乗って!
成相寺に着きました!
シャガが咲き乱れています。
「③の掛け軸ください!」
と言うと、お寺の方が親切に説明して下さいました。
御朱印を書いてもらって、置いてあるドライヤーで乾かして、くるくる巻いて、専用の袋に入れます。
帰りは船に乗らず、天橋立をのんびり歩いて帰りました。
ね!
美人でしょ!?
表装もされていないのに、すごい存在感です!
じーっと眺めていたら、どういうわけか、右肩から上腕の辺りがびりびり心地よく温まってきました。
はい!
真面目に漫画描きますとも!