「台湾漫画史不思議旅行」 | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

先日東京に行った時、幸運にもこちらにも行くことができました。


御茶ノ水駅で降ります。

夕暮れのニコライ堂です。
電飾きらめく山の上ホテルです。
ちなみにわたしは十数年前、このホテルに泊まったことがありました。
「夕凪の街 桜の国」についての取材が多かった頃で、普段の仕事部屋では対応出来なかったので双葉社がここをとってくれたのでした。
「さんさん録」の「真夏の傷の巻」でおそばを食べている参平と仙川さんを、カメラの前で描いたりしたものでした。
…と、思い出に浸っていたら、なんか迷子になってしまったぞ…。
ここ降りて行けば、たどり着けるはず…。

というわけで、やって来られました!

明治大学 米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館です!

現在ここでは、企画展台湾漫画史不思議旅行 が開催中です。


会期は3期に分けられていて、年内は第2期が展示中でした。

1960〜90年代の台湾には、海賊版も含めて多くの日本の漫画が出回っていたのですが、
厳しい検閲を逃れるため、抹消加筆が施されていたそうです。
例えば
「はいからさんが通る」は…
うがー!
紅緒の着物の袖がー!
チンピラの着物がシャツにー!
吉次さんの髪がー! 着物がー! 左腕どこ行ったー!?

今だからこそ、元の作品と比べて笑い事に出来るけど…。
これ…、
読者も、作者も、加筆した人も、させた人も、誰ひとり(たぶん)悪気はないのに誰ひとり幸せにはならないね…。

そして、ちょっと前の台湾に限らず、これからも、どこででも、我々に降りかかっているかどうかも判りにくい問題なんだな、と思いました。

興味がおありのあなた。
開館日と時間が変則的なので、事前に調べてお出かけくださいね。

しかし急に寒くなりました。
昨日の夕方この絵に描いた黒雲が通り過ぎて、今朝は、山や車がうっすら雪化粧していました。
ラメ入りの絵の具が出ていたので使ってみましたが、写真だとやっぱり分かりにくいね。
え?
写真にも印刷にも乗らないのになんでラメ入り絵の具なんか出しているのかって?
それは2週間後にはお分かりいただけるはず…!

ではまたね!

台湾漫画のことはこちらにも。