こんにちは! こうの史代です。
夏の終わり頃のことです。
わたしはいつものように「日曜美術館」を見ていました。
で、ある展覧会の紹介を見て「あっ…これは是非とも行きたいな!」と思いました。
そして、珍しく手帳に記しておきました。
それから数週間。
何かの用事のついでに寄れるだろうと思っていたのですが、なかなかその機会に恵まれません。
普通なら忘れるところですが、今回は手帳に記したせいで、開くたびに目に入って、モヤモヤします。
そもそも 7月にも、同じようなことで悶々としていたのでした。
画集などに載っている作品なら全く気にならないのですが、載っていなくて行かねば見られない作品となると、見ないと見るべきだったかどうかも判らないわけです。
こっちの熱量が中途半端なため、わざわざまた夫とTさんに留守番を頼むべきなのか迷うわけです。
また、ぐうたらながらも主婦なので、家を空けるには家事もまとめて片付けておかねばなりません。
しかし。
これも行かねばならんでしょう!
見なければ一生後悔するでしょう!
おそらく今後の自分の漫画人生に必要不可欠でしょう!!
というわけで。
その31点の絵画を3巻の絵巻に仕立てたのが、今回展示されている
「大震災実写図巻」です。
絵巻なので原画が長くて、残念ながら部分しか見ることが出来ませんでした。
それでも、墨の色もみずみずしい軽やかな筆致はすごい迫力で、臨場感がありました。
何より、分かりやすさを優先した誠実な姿勢に心を打たれました。
この半蔵門ミュージアムは、もともと仏教美術を中心に所蔵しているようです。
常設展示の方は、運慶作の仏像やガンダーラの浮き彫り等がたくさんありました。
また、ありがたいことに、所蔵の仏像や曼荼羅についての美しい短編映画が上映されていて、実物と併せてじっくり味わう事が出来ました。
行けてよかった。
手帳に書いといてよかった。
これからも、気になるものはともかく手帳に記しておこう。
夫よ、行かせてくれてありがとう。
あなたに会期中にご紹介できなかったのがただ残念でした。
うん、次はもっと早く行動するぞ。
ではまたね!