金刀比羅宮にやって来た。 | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。
 
〈前回のあらすじ〉
年末に夜行フェリーで四国に行った。


そんだけか!!
まあ気を取り直して。
 
2022年12月31日7:20頃の壬生川にゅうがわです。
ここから多度津たどつまで行こうと思います。
特急列車もあるみたいですが、その20分ほど前に各駅停車が来るようです。
とにかく寒いので各駅停車に乗ることにしました。
車窓からの景色です。
石鎚いしづち山脈越しに朝日が差してきました。
 
そして、のんびり2時間半乗って、多度津駅に着きました。
小さな娘さんをふたり連れた若いお母さんが「ウタヅとタドツを間違えて降りちゃった、そっちに着くの遅れそう」と電話で話していました。
旦那さんの実家へ行く途中なのでしょう。
なるほど似とるな…、ウタヅ駅が途中に無くてよかったな。などと夫と話しながら、ここで土讃線どさんせんに乗り換えました。
アンパンマン列車が来ました。
これに30分ほど乗ったかな。
はい!
琴平ことひらです!!
ここからてくてく歩いて、おみやげ屋さんの立ち並ぶ参道の石段を登って…
金刀比羅宮ことひらぐうにやって来ましたよ!
 
785段の石段を登った本宮拝殿のあたりは、こんな景色。
中央のはぐれスライムみたいな山は飯野山いいのやま。別名「讃岐富士」だそうです。
さて、本宮の後ろには、石段がまだすこし続いているようです。
登ってみることにしました。
登ってみると、綿々と神社と石段が続きます。
そして、とうとう「奥社おくのやしろにたどり着きました。
むむ。
そもそも最初「785段もあるのかあ…きついな」と思いながら登っていたのです。
まさかそこからさらに583段も登ることになるとは思わなかったぞ!!
参拝者の皆さんが、奥社の右の崖を見上げて写真を撮っています。
なんだろう、と見てみると。
なぬ! 天狗だと!?
誰じゃ! 
あんなところにお面を飾ったのは!!!
 
この景色を眺めながら思いました。
「香川県かあ、こんぴらさんも行ってみたいよね~。こんぴ~らふ~ねふ~ね…」
と軽ー--い気持ちで登るような高さではなかったな!
そして、ここで非常に空腹であることに気付きました。
降りながら参道で何か食べることにしました。
石段を踏む振動が空腹に響きます。
しかし! 
ここで思わぬ伏兵が!!
高橋由一たかはしゆいちです!
あの鮭の絵の高橋由一ですよ!
高橋由一は、明治初期に活躍した、日本油絵界の先駆者です。
先駆者にして最高峰です。
てっきり東京芸大にしかないと思い込んでいましたが、なぜこんなところに高橋由一ばっかりの素敵美術館が!?
これは天狗のいたずらか? 
と思って、気づかず通り過ぎようとする夫に声を掛けました。
空腹でしばらく顔を見合わせていましたが、やがてお互い黙ってうなずきました。
そして入館しました。
こういう時、絵の好みが近いのはありがたいものです。
 
高橋由一は、油絵を日本に広めるために資金を必要としていました。
金刀比羅宮がその思いに賛同して出資し、代わりに多くの彼の作品の奉納をうけたのだそうです。
現代の油絵に比べると小さめですが、20点以上の作品があります。
 
大みそかの参道は人でいっぱいでしたが、この美術館は我々だけでした。
ゆっくりじっくり眺めることが出来ました。
 
ここ、毎年来たいな!
と思いを残しつつ、画集と空腹を抱えて美術館を出ました。

長くなったので続きます。

 

 

ターコイズイエロー って何やねん!?

と思いつつ。

ではまたね!