年末年始の広島 その3 | こうのの日々

こうのの日々

漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

 

<前回までのあらすじ>

2021年12月30日、こうのと夫は広島市にやって来た。31日は、元宇品公園と宮島を訪ね、船を乗り継いで、呉に向かった。

 

ずいぶんあっさり済ませたな…。

 

まあいいや。

広島と宮島での人込みとはうって変わって、船の中は暖かで静かでした。

宮島桟橋で買った温かいコーヒーを飲みながら、ふたりでぼ――――っと窓から波を眺めました。

呉に着いて、昼食がまだだったので、ゆめタウンで、温かいおうどんをいただきました。

 

晩ごはんを買い込んで、宿に着いたのは16時頃でした。

ほーら。この日の宿「ビューポートくれ」からの海側の景色だよ。

 

荷物を置いてすぐ、散歩に出かけました。

歩き回って疲れていたはずですが、山々に抱かれた可愛らしい呉の街を見ていると、つい歩きたくなるから不思議です。

はい! 龍王神社(正式名は貴船神社だったかな?)です。

5年前のわたし達の初詣では、ここでした。

映画「この世界の片隅に」が公開されて間もない頃でした。

ちいさな神社で普段は無人ですが、お正月に向けて、きれいな垂れ幕が掛けられて、陽気なお兄さんたちが竹ぼうきで境内を掃き清めていらっしゃいました。

 

本当は…、ここには「幸先詣で」ではなく初詣でに来たかったのです…。

前の初詣ででは珍しく人がいてお守りが売られていました。

その時買った鈴のお守りがだいぶ古びてきたので、新しいのに買い替えたかったのです。

この日は人はいたけど、残念ながらお守りはまだ売っていませんでした。 

1年の締めくくりに優しい夕景が見られたので、まあいいか。

龍王神社からの眺めです。

ちなみに左は休山やすみやまです。

 

この後は、整備されてからはまだ夫は訪れていなかった「すずさん家がた」に寄りました。

まだ家があった時を知っている南天が、赤い実をつけていました。

 

歩いて坂を下るうちに2021年最後の日は暮れました。

境川の川べりのイルミネーションを見ながら宿に戻りました。

実は、わたしは毎年、漫画を描きながら年を越す、と決めていました。

ひそかに誓って、誰に打ち明けるでもなく、これを数十年守ってきました。

とはいえ、漫画の道具はどこにでも持ち運べるから、形だけでも鉛筆を持ち、年越しの瞬間にはいつも何か「かいて」いたのです。

でも今年はいろいろあり過ぎたせいか、…22時過ぎには眠ってしまいました!

うーん…。

いびきは「かいて」いたかもな。