リクンカントモシリ | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

 

昨夜わたしは、また「コズミックフロント」を見ていました。

琉球やアイヌの星の伝承についてのお話でした。

 

で、アイヌ文化の世界観について説明していたのです。

それによると、世界は層になっていて、確かこんな感じなのでした。

急いでメモをとったけど間に合わず、うちのアイヌ語辞典(萱野茂 三省堂)で補足したので、放映したのとはちょっと違っているかも。

ちなみに、アイヌは人間、モシリは国、カントは天、という意味です。

 

まず、我々の住む地上の アイヌ・モシリ(人間界)でしょ。

その上が ウララ・カント・モシリ(霧の天界)でしょ。福知山はこれに近いんでしょうな…。

その上が ランケ・カント・モシリ(下の天界)なんだって。テレビでは風の世界といっていた、かな?

その上が ニシ・カント・モシリ(雲の天界)なわけよ。で、

その上は シニシ・カント・モシリ(上の雲の天界)。ここに太陽と月があるのだそうです。で!

その上に ノチューオ・カント・モシリ(星の天界)。太陽と星の居場所が違うというのはちょっと驚いたよね。しかしさらに!

その上に リクン・カント・モシリ(上の天界)があるというのです! これはカムイ(神)の世界だそうです。

そして、北斗七星は「横たわる神」を表わしているそうです。

 

あれ、確か…。

アイヌの世界では、生き物は死んだら魂が肉体を脱いで、眉間から抜け出して、神の世界へ帰ってゆくんじゃなかったかな。

しかるべき儀式を行って、よい送り方をすると、それを聞いてうらやましくなった仲間たちを連れて、豊かな着物(肉体ね)を着て、この世界に戻って来てくれるんじゃなかったかな。

でも…その神の世界、いくらなんでも遠くないですか!?

 

わたしは大好きだった祖母を亡くした時、しばらくの間、すぐそばに祖母がいるような不思議な感覚がありました。

四十九日まではこちらにいるというのは本当なんだな、と思ったものでした。

そして、それから十数年間は、よく死んだ祖母を夢に見たりしていました。悩んでいた時、耳元で祖母の声を聴いたこともありました。

もう30年近く経つ最近は、そういうことがほとんどなくなって、たまにちょっと寂しく思ったりしたものでした。

 

でも、昨日のこの番組を見て、向こうからこっちに来るのは遠くてすごく大変だったのに、いつまでも心配かけて悪かったなあ…と思いましたね! 

今日は、リクンカントモシリが見えるか、いつもよりじっくり空を見てみましたよ。

もちろん見えませんでしたけどね。

これから寒波が来て雪が降るらしいのですが、その寒波すら見えませんでしたよ!

 

あなたもどうぞ暖かくしてね!