「雪腹」と昔の辞書 | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

寒いですね! こうの史代です。

 

今朝はこちらは雪がうっすら積もっていました。

お昼過ぎまでは、みぞれが降ったりやんだりしていました。

 

さて。

昨日の午後わたしは、どうもお腹が痛いなあ、と思っていました。

別の場所にいた家の者も、痛いなあ、と思っていたそうです。

痛いから、明日はやっぱり雪かな、なんて話しました。

これは「雪腹」と言われる現象ですね。

辞書(広辞苑 第六版)にも載っています。

【雪腹ゆきばら

雪の降る前、または降っている時に、腹が冷えて痛むこと。

 

しかしね。

前からこの「雪腹」、ただ「冷えて痛む」のではないように思うのです。

我々は昨日はずっと、暖房のきいた屋内にいたのです。

しかも普段、寒いからといって腹だけが痛くなることは、めったにないからです。

 

そういえば、雨の前日に頭が痛くなる知人がいました。

台風の数日前に、ぜんそくの発作が出る知人もいます。

どうも湿度や気圧の変化から察知しているようです。

「雪腹」も、気温だけでなく、湿度や気圧が関係しているのではないかなあ。

辞書にも載るくらいありふれてはいるけれど、これも知人の頭痛やぜんそくと同じく、いわば予知能力のひとつなんでしょうね。

もしかしたら、温度管理された状況で育つ未来人は、この能力は失ってしまうのかも知れません。

 

ちなみに、昭和初期の辞書(広辞林 新訂版)にも載っていましたよ。

この辞書、「この世界の片隅に」を描く時、編集さんにお願いして、古本屋で買ってきていただいたものです。

当時は本当に参考にしまくりました。

旧仮名遣いが愛おしくて、今も愛用しています。

そして、文章の最後の「こと。」に、ご注目!

1文字で、しかも漢字ではない謎の字で表現されているのです!!

この文字便利だから、今も使えばいいのにね。

確か、ほかにも今使われてない文字があったと思うので、見つけたらまた紹介します。

 

大正末発行、昭和9年改訂の、三省堂の辞書です。こういう時は奥付の写真もあると楽しいよね。

 

今日はちょっと絵を描く時間がありませんでした。

おやすみ前の、まん丸く膨らんだTさんの写真をどうぞ。

また明日!