これか!? | こうのの日々

こうのの日々

漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

 

<前回までのあらすじ>

半月前に広島で、幼少時代の記憶の中の大木を探すため行者山に登り、見つけられず、無念のうちに下山したこうの。

月曜に広島に帰って来て、火曜に比治山大で講義、そして水曜に実家にやってきたこうのは、仏壇の前で、家族らに自らの野望を打ち明けた。

仏壇の横で微笑む母の遺影。

実家の猫をナデナデして別れを告げ、

今度は姉と弟と共に、再び行者山を目指すのだった。

…ん!? なんか無駄にかっこいい感じになっているけど、小2が遠足で登る山だからね!

 

 

行者山は、たぶん実家からも歩いて行ける距離なのですが、体力を温存するため、広電に乗り、古江ふるえ電停から出発しました。

電停のそばのファミリーマートで、急に仲間にさせられた姉と弟の飲み物を買いました。

最近のペットボトルの飲み物はなんで600㎖ばっかりなん、重いよねー、などと話しながら、古田小学校の横を通り、「大光寺たいこうじ」の案内板に従って登り、難なく大光寺のそばの霊園にたどり着きました。

ここまでは前回と違って寄り道も迷いもせず来たため、本当に早かったのです。

確かに、わたしの母校の庚午こうご小学校からだと、遠足にはちょうどいいくらいの距離なのでした。

でも、こんな美しい霊園もお寺も昔はなかったので、当然ながら二人からも、懐かしいとか思い出したとかの感想はありません。

あまりの異世界感に、案の定、姉も弟もただただ目を丸くしています。

そんな二人を引き連れて、前回途中で引き返した、大光寺の敷地の端にある散策道に入りました。

 

山道は、一本道ではなく、何本にも分かれています。

この記憶をもとに、頂上に近い、開けていそうな場所を探しましたが、道が途切れていたりして、なかなか見つけられません。

登っては戻り、登っては戻り、を繰り返して、次はこっちの道はどうかな、と登ろうとして、ふと振り返ると、

なんか大きな幹がちらっと見えたので、登らずそちらへ降りてみました。

 

すると!

ごめん!

わたしのスマホ、レンズに傷があってこういう逆光ぼやけちゃうんだよ!!

ちなみに、隣に立っているのは森の精…ではなくて姉です!!

 

この木じゃないかね!?

 

根元には柵の痕跡、幹にはしめ縄の切れ端があります。

ここまでの大木はそうそうないので、多分これなんだろうなと思います。

ただ、確かに開けた場所ではあるんですが、ちょっと狭すぎるような…。

ここでお弁当を食べたと思うんだけどな、庚午小学校は当時マンモス校で、わたしが2年の時は7組もあったけど、ここにはせいぜいひと組分ぐらいの人数しか入れないなあ。

お弁当ではなく、休憩しただけかな? 霊園を造るときに崩したのかも知れないなあ。

 

ちなみに、クスノキではなくて、どんぐりの木(クヌギ? コナラ?)でした。

 

周りをぐるぐる歩いていると、木々の間から霊園の端が見えました。

短い土の坂道を降りれば、すぐさっきの霊園です。

しかし、この坂、かなり急です…丸木で階段が作ってあったのが崩れています…。

なに、短いからたぶん大丈夫!

 

ではありませんでした!

思いっきり滑って尻もちついて、おまけに手もついたせいで現在五十肩真っ盛りの右肩まで思いきりひねってしまいましたよ!

 

なのに!

後に続いた姉と弟は「大丈夫!?」などと言いながら難なくスルスル降りてくるではないですか!

講義があるから、と新調したオシャレ靴を履いていたのがまずかったようです。

弟に「史代姉は運動不足なんだから…」と言われましたが、

違うんじゃ! 靴のせいなんじゃ! これでもいまオンラインマラソン中なんじゃ! と五十肩の痛さのあまり否定する力もありません…。

 

その後、お墓の前の喫茶店で、カクカク震える腕で、ソフトクリームをいただきました…。

めちゃめちゃおいしかったです!

 

帰り際、その木のあった方を振り返ってみました。

ひときわ高い、どんぐりの木の葉っぱの塊が見えました。

そういえば幹ばかり見て、ちゃんと見上げてなかったな、と思いました。

挨拶もし忘れたな、と思いました。

風が吹いて、手を振るように葉っぱが揺れていました。

 

弟とは実家の最寄りの東高須電停で別れました。

西広島駅に着く頃にはちょうどお昼時だったので、姉と駅前の「ちから」でラーメンを食べました。

おお、しょうゆ味の濁ったツユで、もやしが乗っておる。これぞワシが求めておった広島のラーメンじゃ…。

わたしはうどんが大好きなので、「ちから」でうどん以外のものを食べたのは初めてかも知れません。

こんなにラーメンも美味しくされては、次に来た時迷うから困るなあ、と思いました。

 

その後、広島駅のおみやげ売り場で、呉氏の文具をいろいろ買って、姉と別れて、のぞみ号に乗りました。

そうそう。

きれいに写せなかったので、簡単にスケッチもとったのです。

ブログを始めて雲を描くようになったおかげで、ずいぶん早く描けるようになりました。

ちなみに、立っているのは木こりの妖精…ではなくて弟です。

あと、抑えているのは、広島駅で買った呉氏の付け爪風指サック「メクリナ」です!

 

で、この帰りの車内で、友人から教えてもらって知りました。

このブログを読んで、この木を見つけてツイッターに載せてくださった方がいらっしゃいました!

ありがとうございます!

まさしくこの木で、やっぱりこの木以外には考えられないよなあ、と思いました。

 

帰って、夫に話したら「その木、おれも見たい」と言いました。

また行こうっと。

今度はちゃんとご挨拶して、もっとゆっくり眺めようっと。

 

 

それより肩大丈夫なん?

とお思いの優しいあなた。

それが…、なんかその後ちょっとポカポカして、ひねる前よりは五十肩が痛くなくなったような気がするんだよ。

ひねり方がよかったのかな?

まあ前がひどかったので、まだ痛いことは痛いんですけどね。

でも、良い子はマネしないようにね!