再び記憶の中の木を訪ねて | こうのの日々

こうのの日々

漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

 

<前回のあらすじ>

こうのは比治山大学での漫画の講義のため、広島市にやって来た。

川べりをうろついたりしながら、早めに宿に着いた。

そしてワイドショーで圭君など見ながら翌日の講義の準備を始めた。

…つもりだったが、やるべきことそっちのけでコンテを描き出してしまった。

夕食に緑のたぬきとカット野菜を食べながら、翌日の講義内容を変えようと思い立った。

そしてプッチンプリンの大きいやつを食べて、コンテを描き上げて眠りについた。

…どこが昨日のあらすじじゃ! 圭君も緑のたぬきもプッチンプリンも初登場ではないか!

 

ともかく。

翌日は、比治山大学の講義と、広島に来てくださっていた編集さんとの打ち合わせを無事終えて、また宿に帰ってきました。

その翌日は、姉と会う約束をしていました。先日法事は済ませましたが、本当はこの日が母の命日でした。

姉と一緒に、実家の仏壇に手を合わせに行くことにしました。

 

実家には、父と、ちょうど仕事の合間で家に帰って来ていた弟が居りました。

午前10時頃でした。

仏壇の前でしばらく話して、「何時頃帰るん?」と聞かれました。帰りは14時過ぎの新幹線に乗る予定です。

 

そこで言ってみました。

「昔遠足で行者山に行った時、ものすごい大木があったん覚えとらん? あれ見にいって来お思うんじゃが」

 

姉はこの木を見ているはずでした。姉が描いたこの木の絵が、我が家には長いこと飾ってあったのです。

弟は行者山に遠足に行ったかどうか覚えてないようでした。

 

父は今ちょっと膝の調子が悪いから…とここでお別れ。

姉と弟と一緒に行ってみることにしました。

 

おお、いかんこんな時間に!

留守にしていたせいで甘えん坊になったTさんをカキカキしていたら、絵を描く時間がなかった。

続きはまた明日ね!