久保田辰男先生との時間 | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! 福知山に無事帰って参りましたこうの史代です。

 

昨日は、安来市加納美術館で、高校時代の恩師で洋画家の久保田辰男先生との対談でした。

また、長くアシスタントをさせてもらった漫画家の とだ勝之さんも来てくださっていて、飛び入りでちょっとお話ししていただけました。

たったの1時間でしたが、司会の神さんの仕切りがうまくて、内容はとても濃かったです。

おいでくださった皆さん、本当にありがとうございました!

また、この対談は、youtubeチャンネルの「安来市加納美術館TV」でも近日配信予定だそうです!

 

久保田先生は、奥様がこの加納美術館の名誉館長ともう古いお友達なのだそうです。

そのおかげで、今回の企画が実現しました。

 

前日から安来に宿を取ってもらっていて、この日の朝は、久保田先生と一緒に足立美術館を見学しました。

足立美術館にいつか行ってみたい! とわたしは数十年思い続けていました。

ちょうど久保田先生に教わっていた高校時代、母が旅行のおみやげに足立美術館の図録を買ってきてくれて、それはもうなめるように大事に眺めていたからです。

どの絵も知っているけど、本物は迫力が全く違っていました。

やっぱり大観はいいなあ…菱田春草も好きだなあ…。

「ぼくは竹内栖鳳が好きでね」と先生はおっしゃいました。

敬愛する人の好きな名画の話を聞けるのは幸せだな、と思いました。

ベン・シャーンもお好きだと、この時初めて知りました。「わたしもです!」と鼻息荒く言ってしまいましたが、そういえば少し先生の絵に似ているような気もして、それも知らず知らずのうちに先生の影響なのかもしれないなあ、と思いました。

あまり時間がなかったので、庭園は急ぎ足で通り過ぎてしまいました。次はゆっくり見られるといいな。

 

先生のスケッチは、昔からいつもミリペンです。

今回持ってきて見せていただいた被爆樹木の絵も、ミリペンで描かれ、透明水彩で彩色されていました。

高校3年間は、久保田先生に出逢ったこともあり、スケッチや油絵を描くことや名画に親しむことに夢中でした。

わたしは漫画を一生描いてゆくのだ、とすでに決めてはいたものの、同じくらい絵画が好きでした。

 

帰りの列車で、なんとなくわたしも絵が描きたくなって、

持っていた万年筆で描いてみました。

 

ん? 豊岡!? 福知山通り過ぎてない?

と鉄オタのあなたは不審にお思いかもしれませんね。

そうです!

今回は列車を4本乗り継いで、山陰側から安来に行ってみたのです!

面白かったので、詳しくはまた明日にしようかね。