148_幕が上がる | mimi 読書三昧

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図書館で借りた本が中心ですが大量の蔵書から愛読書も紹介しています
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平田オリザ

講談社

2012年11月発行

 

はい、お初の著者さんです。

その上、実は借りたのではなく・・

除籍済みのリサイクル資料!

不要になった本を無料で頂けるありがたい制度。

文庫じゃないので迷いましたが・・

題名に惹かれ、珍しく頂いてきました。

 

いやもう・・大正解!

主人公は高校生たち

もちろん「幕が上がる」なので・・演劇部!

 

最初に主な登場人物 と言う紹介があるのですが。

これもなかなかに凝った作りになっていて。

手書きの波線が付いてたり、マーカーを引いたようになってたり。

(白黒ですけどね・・)

 

語り手は・・さおり(高橋さおり)部長。

 作・演出を務めるようになります。

ユッコ(橋爪裕子)お姫様キャラ。看板女優

ガルル(西条美紀)独特のダンスを踊るムードメーカー

わび助(桃木)後輩の男子部員。天性の才能を持つ

中西さん(中西悦子)県内強豪校からのクールな転入生

顧問は・・溝口先生。演劇は素人

副顧問になった新人美術教師、吉岡先生。元「学生演劇の女王」

 

スタートのプロローグは地区大会。市民会館。

さおりは2年生。この時・・敗退。秋の地区大会で負けたらお終い。

これで3年生は引退。次の部長決め。3人の3年生が抜けると残りは5人。

 

そして部長になったさおり。

新生演劇部を率いていくことに。

2年生で集まっては今後の公演予定を考えたり・・

もちろん目標は地区大会突破、県大会出場です。

 

さおりの語りが良いんです。

少しずつ語られる家族のこと、今までの部活のこと

友だちのこと。演劇について。

自然に状況がわかってくる。

そして意外に時間の流れが早いと言うか・・

突然飛んでたりします。

 

3年が引退し、2年中心になり

4月になって新任の吉岡先生がやってきて・・

溝口先生の勧めもあって副顧問を依頼してみることになり

 

その後は突然、中西さんが途中から転入してきて。。

どうにか演劇部に入って欲しいと思い切って誘ってみる

そして時は流れて・・夏になり・・

合宿もすることに

 

秋になりいよいよ地区大会を目指して。

このへんでやめておきましょう。

エピローグは翌年の夏

 

思い切って口に出せないもどかしさ

自信があるような、ないような自分

台本を作っていくこと

エチュードをすること

仲間であること

自分も高校や大学時代に戻ったかのように思えて

 

最後に著者紹介を読み・・

平田さんは劇団「青年団」を1983年に旗揚げし

劇作家、演出家としての活動をされている。

「静かな劇場」とされる1990年代の小劇場演劇の流れを作った方

演劇関連では数々の受賞をされているようです。

 

なので・・この本は・・平田さんの体験談が相当入ってるのかな

なんて思ってしまいました

 

はあ・・

もう途中で止められなくてですね

完全に午前様

 

いや、もらってきて本当に正解

借りたのなら購入も考えたかな

 

もう6月のベストはこれで決まりです!

機会がありましたら是非!

演劇好きな方も是非!

 

学生時代、演劇をやってる方が身近にいて・・

小劇場どころではなく、普通に狭い喫茶店で見たりしてました。

舞台もなくすぐそこで演技をしている。生の迫力ってあると思います