2022年8月【読書記録】9冊(後編) | ひとしずくの純金

ひとしずくの純金

たったひとつのわたしの生き方を見つける旅

 

ひさびさにたくさん読めた8月、
前・中・後に分かれました。

後編は夏休みの課題図書、
「戦争を考える書籍」を集めました。



7月から8月にかけて
図書館や書店では

戦争をテーマにした書籍を集めた
コーナーが企画されていることが
けっこうあります。

戦争というテーマは
どうしても避けたくなる面がありますが

企画コーナーで取り上げられたものは
比較的読みやすいものが
選ばれている印象です。

もちろん、それでも苦しい部分は

ゼロにはならないですけどね・・・。



というわけで、

何かを読みたいけど
どれから読んだら・・・と迷う方や

あまり最初から
ショックを受けそうなものは・・・

と二の足を踏んでいる方は

そういう企画コーナーから
選んでみるのもいいんじゃないかな、

と思います。
 

もしよかったらニコニコ

 

 

 

 

『すみれ島』
今西 祐行 文
松永 禎郎 絵

美しい表紙の青に惹かれて
手に取りました。

どこか暗い影を落とした

美しく優しい、

ページいっぱいの絵。

 

 

 

校庭に出て

飛行機を見上げる子どもたち。

 

出兵するお兄さんたちに

無邪気な手紙を書く子どもたち。

 

返事を書く

特攻隊の若者たち。


島いっぱいにすみれの花が咲く
小さな無人島。



こんな日本の南洋の島に
たくさんのすみれの花が咲く。

どうして?

そのいわれが
優しく描かれています。



絵本というのは・・・

心をぱっと捉える絵と共に
素朴なごまかしのない文章がね・・・

理屈抜きで記憶に残ります。

いま思い出しても
切なくてやりきれなくて涙が出ます。

若者を戦地に向かわせた大人たち。
どう責任をとるのだろう。
 

 

 

 

『世界の果てのこどもたち』
中脇 初枝 著

恥ずかしながら
ぼんやりとしか理解していなかった

中国残留孤児の方々や
在日韓国人の方々が

どういういきさつで
日本で、中国で、韓国で
生き抜くことになってしまったのか、

その背景が
理解できるよう構成されています。



もちろん、

みんながみんな同じではないし
これは理解の入り口でしかないけれど

それでも
どれだけ知らなかったのか、は
少なくとも気づくことができた。



この物語では
三人の女の子が出会って

それぞれの人生を経て
晩年に再会するまでが描かれている。

再会してハッピーエンドなんて
そんな簡単な答えは用意されてなくて

それぞれの人生が
どれだけ狂わされてしまったか

狂わされた中に見つけた幸せを
どう受け入れていくか

取り返したくても
そうできないものとどう折り合うのか・・・。



彼女たちの


苦悩
強さ
やりきれなさ
諦め
もがき



さまざまな感情を
三者三様に表現しながら
生き抜いていく姿があります。

不幸なだけではないけれど、
それでももし、戦争がなかったら・・・。

「もし」を
問うても意味がないことは
誰もが承知している。

だけど
「もし」を問うてはならないなら

問わざるを得ない状況を
つくるべきではない。

私はそう思います。
 

 

 

 

『太陽の子(てだのふあ)』
灰谷 健次郎 著

最近の映画とかドラマでも
同名の戦争作品があるんですね。

私が読んだこっちは
1978年に出版された
神戸の沖縄料理店のお話。

小学生のふぅちゃんを中心に
ふうちゃんの両親が営む沖縄料理店を舞台に
 
沖縄出身の常連さんたちを
巻き込みながら物語が展開していく。



沖縄への想い
語れない出来事
語っても伝わらない何か
語っても語りきれない何か・・・

そんないろいろを
常連さんたちそれぞれに抱えながら

泣いたり笑ったりケンカしたり。

とても温かい物語。



戦争を扱った物語で
これほど温かい気持ちになるのは
今までなかったと思うくらい

主人公のふうちゃんをはじめ
登場する大人たちみんな

知り合いになりたいな、と思うくらい
いい人たちばかり。



この人たちの温かさがあるから
辛い物語にもついていけるけれど

出来事の残酷さ、
過酷さは変わらない。

無かったことにならない。

温かくありながら、かつ
厳然とした事実から目をそらさない。

そういうふうちゃんや
他の登場人物たち。

強くたくましく賢い。
 
そんな彼らでも傷つき
やりきれなさに自暴自棄の波に
飲まれそうになる。
 


戦争を考える上で
沖縄がなぜ特別なのか。

彼らが ”内地” の人間に

何を感じてきたか。
何を諦めてきたか。
何を怒っているか。

私たちは何を押し付けてきたか。

考えなければいけないこと。
もう一つ見つかった。

宿題は終わりそうにないですね。。。



***  ***  ***



いつからか
夏には戦争を考える本を読む
という習慣ができました。

世の中には
なかなか総意がまとまらない問いが
たくさんあるけれど

中でも大きなテーマの一つが
戦争ではないかと思います。



「よくない」
とは誰もが分かっている。

それなのに
一向に無くならないし

無くなるどころか

「自国を守る」となれば
「是」とする意見も飛び出す。

これだけ議論が割れるテーマも
少ないのではないかと思います。



そういう中で
「いまの自分には答えが出せない」

と立場を留保するのは
ひとつ手段ではあるけれど

いつまでもその手段に逃げていて
自分の考えを持たないでいるのは

なんだか嫌だなぁ・・・
と思うようになったのがきっかけです。



まずは知るところから、
なんてよく言いますが

1冊読んで知ったことにならない。
2冊読んでも足りないかもしれない。

じゃぁ、何冊読めばいいの?
どれを読めばいいの?

といえば
「自分なりの意見がまとまるまで」
「これと思うものをなんでも」
ですよね。

自分なりの答えが出るまで
歩みを止めないことだと思います。



何年かかけて
何冊か読むうち

私は私なりの答えに辿りつきました。

けっこう時間がかかりました。

でも、置いたままにしなくて
よかったな、と思っています。

ひとつ自分の内側に
柱をもった感覚です。



だけど、
一旦答えが出たからといって
終わりになるわけではない。

自分なりの答えがもてたら
また新しい宿題が出される。

だから、もう少し続けると思います。



お題目ではなく、他人事ではなく
本当に一人ひとりが考えるべき
テーマだと思っています。

考えておかないと
いざというときに行動できないからね。

考えてないこと、
自分に軸がないことは判断できない。

判断できなければ
行動できない。

いざというときに
行動できる人間であるために
自分の中に答えを用意しておく。

そのために、
これからも読み続けると思います。



▼前編

 

 

▼中編

 

 
 

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