湯道 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



監督:鈴木雅之
キャスト:生田斗真/濱田岳/橋本環奈
配給:東宝
公開:2023年2月
時間:126分




2020年のLINEリサーチによると,日本人の入浴でのシャワー派と湯船派はほぼ半々,20代ではシャワー派が6割以上とか。毎日のように浴槽に湯を張って浸かる世界中から“お風呂好き”と認識されている国にしては,この湯船派の低さには驚かされた。これも時代の流れなのだろうか。

そんな中,放送作家・脚本家の小山薫堂は2015年から,花道や茶道などの日本の伝統文化の中に,入浴という行為を入れるべきだと“湯道”を提唱し,様々な啓蒙活動も行っている。さらに自ら脚本を手掛け,豪華キャストを揃えて映画化。そんな『湯道』を今夜は紹介。監督は『HERO』シリーズや『マスカレード・ホテル』シリーズの鈴木雅之。

地元の人々に愛されてきた銭湯“まるきん温泉”。先代の死後,次男の悟朗(濱田岳)が店主として看板娘の秋山いづみ(橋本環奈)と2人で店を切り盛りしていた。そんなある日,父の葬儀にも顔を出さなかった兄の史朗(生田斗真)が突然戻ってくる。その目的は,銭湯を畳んでマンションに建て替えるという計画を進めるためだった。もともと仲の良くなかった悟朗とは店の存続を巡って一触即発の状態に。

そんな中,ボイラー室の事故に巻き込まれ入院する悟朗。史朗は渋々ながらも弟の代わりに数日のあいだ店主を務めることになる。いつもと変わらず暖簾をくぐる常連客や家族たち。入浴・お風呂について深く顧みるという“湯道”に魅せられ,湯道会館に通う定年間近の郵便局員・横山(小日向文世)も訪れる。不慣れながらも湯を沸かし,“まるきん温泉”で様々な人間模様を目の当たりにしていく史朗だったが…。

6世紀に仏教とともに伝わり,江戸時代に“銭湯”のブレークで大衆化されたと言われる“お風呂”。映画としては大ヒットした『テルマエ・ロマエ』シリーズを思い出すが,この作品では“湯道”と“銭湯”と家庭での“入浴”を,是非ではなく“整う”ことの追求として捉え,面白くエンタメ化している。

何より,キャストの豪華さと,キャラの造形が愉快で,気軽に楽しませてくれる。まさに,「笑って,泣いて,整って」な1本だ。


映画クタ評:★★★★


右矢印鈴木雅之作品まとめ

右矢印小日向文世作品まとめ

右矢印寺島進作品まとめ

右矢印柄本明作品まとめ

右矢印戸田恵子作品まとめ

右矢印濱田岳作品まとめ

右矢印笹野高史作品まとめ

右矢印浅野和之作品まとめ

右矢印橋本環奈作品まとめ

右矢印窪田正孝作品まとめ

右矢印吉田鋼太郎作品まとめ

右矢印生田斗真作品まとめ

右矢印梶原善作品まとめ