テルマエ・ロマエ | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:THERMAE ROMAE
監督:武内英樹
キャスト:阿部寛/上戸彩/北村一輝
配給:東宝
公開:2012年4月
時間:108分




今年の【くた★むび】初めは,年末どん詰まりまでお仕事と忘年会にまみれ,年始も変わらず酒浸りな心身の湯治願望から,このシリーズを2夜連続で紹介。

原作は,マンガ大賞2010を受賞したヤマザキマリによる痛快お風呂ギャグマンガ。「ヨーロッパにはお風呂も銭湯もないから,お湯につかりたくてもつかれない。でも,そこら中に古代ローマ時代の浴場の遺跡がある。昔はあったのになぜ今ないのか?」という発想と,彼女のイタリア人の夫がローマ皇帝の名前を全員言えるほどの“古代ローマおたく”だったことから生まれた作品だとか。監督は『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』(2009年・東宝)の武内英樹。

古代ローマ帝国。浴場設計技師のルシウス(阿部寛)は生真面目な性格が災いし,流行に乗り遅れて職場をクビになってしまう。気分転換にと友人のマルクス(勝矢)に誘われ,公衆浴場(テルマエ)にやってきたルシウス。突然そこで溺れてしまった彼は,なぜか現代日本の銭湯にタイムスリップする。漫画家志望の山越真実(上戸彩)ら,見たこともない平たい顔ばかりを前に途方に暮れるルシウスは,ローマよりも遥かに進んだ風呂文化を目の当たりにして愕然。やがて古代ローマに戻ったルシウスは,平たい顔族(日本人)の風呂文化を採り入れた浴場を設計し大評判となる。

名声を高めたルシウスは,ついには第14代ローマ皇帝ハドリアヌス(市村正親)お抱えの浴場設計技師となり,側近のアントニヌス(宍戸開)にも気に入られる。ハドリアヌス帝から,後継者のケイオニウス(北村一輝)のために新たな浴場建設を命じられたルシウスは,再び日本にタイムスリップし,今度は真実の実家である古い温泉宿に現れる。そこには,漫画家への道を諦め,実家の温泉宿の跡継ぎとなる決意を固めかけていた真実がいた。ルシウスと再会する日に備えてラテン語と古代ローマ史を猛勉強し,彼と完璧に会話ができるまでになっていた真実。そして,ルシウスに巻き込まれて真実も古代ローマへとタイムスリップしてしまうのだった…。

奇想天外な展開の面白さと,二枚目なのに,ちゃんと落としどころも知っている阿部寛の魅力が存分に発揮された作品。“古代ローマ人に相応しい濃い顔を”とキャスティングされた阿部寛や市村正親,北村一輝らが,見ているうちに本物の古代ローマ人に見えてくるから不思議。対照的な“平たい顔族”の個性豊かな面々も笑いに味を増させる。時空を繋ぐラッセル・ワトソンのアリア『誰も寝てはならぬ』が,気品と,次のシーンへの期待を膨らませる。

出演は他に,竹内力,笹野高史,キムラ緑子など。


映画クタ評:★★★★


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◆シリーズ一覧◆

テルマエ・ロマエ II』(2014年)