劇場版 SPY×FAMILY/CODE: White | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:片桐崇
キャスト:江口拓也/種﨑敦美/早見沙織
配給:東宝
公開:2023年12月
時間:110分




今年の【くた★むび】のシメは,先週公開された『SPY×FAMILY/CODE: White』。昨年春のTV放送開始当初から熱狂的なファンで,劇場版の発表以来,公開を待ち望んでいた作品だ。公開前から続々と登場したタイアップCMの効果もあってか,初日3日間の観客動員は86万6000人,興収12億2400万円で初登場首位というロケットスタート。

シリーズ累計3100万部を突破した原作者の遠藤達哉が監修・キャラクターデザイン原案を手がけるオリジナルストーリー。TVアニメ版監督の古橋一浩がアニメーションアドバイザー,TVアニメ版助監督の片桐崇が監督を務め,ゲスト声優に中村倫也と賀来賢人,主題歌にはOfficial髭男dismの『SOULSOUP』,エンディングには星野源の『光の跡』と豪華揃い踏み。

世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。西国(ウェスタリス)の情報局対東課〈WISE〉の敏腕諜報員“黄昏”ことロイド・フォージャー(江口拓也)は,進行中のオペレーション〈梟(ストリクス)〉の担当を変更すると告げられる。その頃,アーニャ(種崎敦美)の通うイーデン校では,優勝者に“星(ステラ)”が授与されると噂の調理実習が実施されることに。少しでもオペレーション〈梟〉の進展を示し〈WISE〉へ任務継続を交渉するため,ひいては世界平和を守るため,ロイドは調理実習の審査員長を務める校長の好物であるフリジス地方の伝統菓子“メレメレ”を作ることをアーニャに提案。本場の味を確かめるため,フリジスへの家族旅行を計画する。

出発前にロイドとフィオナ(佐倉綾音)の姿を目撃し,仮初めの関係に一抹の不安を覚えるヨル(早見沙織),今回は同行でき大喜びのボンド(松田健一郎)。アーニャは列車内で怪しげなトランクケースを発見するが,その中にはなぜかチョコレートが。そこに持ち主のドミトリ(中村倫也)とルカ(賀来賢人)が現れ,驚いた拍子に誤ってチョコレートを飲み込んでしまうアーニャ。ところが,そのチョコレートには世界平和を揺るがす重大な秘密が隠されていた。たたみかけるようにハプニングの続く中,世界の命運はこの仮初めの家族に託されることになるのだったが…。

冷戦時のドイツを思わせる東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)。そこに,スパイの男,殺し屋の女,エスパーの少女,予知能力を持つ犬が“仮初めの家族”を築き,ハードなアクションとコメディとサスペンスとファミリードラマまでも絶妙のバランスで融合させ,見る者に疑問を抱く暇を与えないテンポで展開する原作やTVアニメ版のパワーに,メインキャラの魅力存分,サブキャラの旨味もキチンと配合した秀作。

言葉で伝えきれないキャラと空気感がもどかしいので,ぜひあらかじめTVシリーズで予習してからの鑑賞を。きっと,劇場版が10倍キラキラわくわくで味わえるはず。


映画クタ評:★★★★★


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