映画ドラえもん/のび太と空の理想郷 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:堂山卓見
キャスト:水田わさび/大原めぐみ/かかずゆみ
配給:東宝
公開:2023年3月
時間:107分




昨年は,古沢良太ファンにとっては充実した1年だった。『THE LEGEND & BUTTERFLY/レジェンド&バタフライ』に始まり,48回に渡り放送されたNHK大河ドラマ『どうする家康』と,“古沢時代劇”の世界に浸りまくることができたからだ。正統派でないヒネった構成のせいか,視聴率的には残念だったが,その変化球こそが彼の魅力であり特色。脚本家・古沢良太の新たな代表作になったと思う。

さて,今夜紹介するのは昨年のもう1つの古沢良太脚本作品として3月に公開された『映画ドラえもん/のび太と空の理想郷(ユートピア)』。藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とした『映画ドラえもん』シリーズ通算42作目となる。監督は『ちびまる子ちゃん/イタリアから来た少年』(2015年・東宝)で演出を担当した堂山卓見。ゲスト声優として,永瀬廉,山里亮太,藤本美貴 が参加している。

学校で出木杉(萩野志保子)からユートピアの話を聞き,理想郷に憧れを抱くのび太(大原めぐみ)。裏山で空に浮く三日月形の島を見つけると「あれこそが僕が探していたユートピアだ!」と,未来の配達ロボット(山里亮太)が届けてくれた飛行船“タイムツェッペリン”に乗り込み,ドラえもん(水田わさび),しずか(かかずゆみ),ジャイアン(木村昴),スネ夫(関智一)らと共に,ユートピアを探す旅に出かける。

色々な時代や場所を探してやっと見つけたその正体は,誰もがパーフェクトになれる空に浮かぶ楽園“パラダピア”。何もかも完璧なパーフェクトネコ型ロボットのソーニャ(永瀬廉)に案内してもらい,すっかり“パラダピア”に魅了されてしまうのび太とドラえもんたちは,理想郷を創り上げた三賢人に許され,“パラダピア”で過ごし始める。しかし,“パラダピア”には大きな秘密が隠されていたのだった…。

国民的人気キャラの『ドラえもん』。幼少期にTVアニメは見ていたし,3DCGの『STAND BY ME ドラえもん』シリーズも見たが,アニメの劇場版をじっくりと見たのは初めてだったかもしれない。そして,この子供向けの作品にさえ存分に伏線を仕込み,種明かしで楽しませるという,『コンフィデンスマンJP』シリーズ以降顕著な“古沢良太マジック”に歓喜。“平和と自己”という大人にも響くメッセージ,猫型ロボット同士の友情なども描かれていく。

最終興収43.4億円は,さすがドラえもん。今年も3月に新作『映画ドラえもん/のび太の地球交響楽(シンフォニー)』が公開される。


映画クタ評:★★★★


右矢印古沢良太作品まとめ