ジェントルメン | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:The Gentlemen
監督:ガイ・リッチー
キャスト:マシュー・マコノヒー/チャーリー・ハナム/ヘンリー・ゴールディング
配給:エンターテインメント・フィルム・ディストリビューターズ/STXフィルムズ/キノフィルムズ
公開:2021年5月
時間:113分




今夜紹介するのは『コードネーム U.N.C.L.E.』『アラジン』のガイ・リッチー監督がロンドンを舞台に贈る痛快クライム・コメディ『ジェントルメン』。ガイ・リッチー監督が自身の原点に回帰した映画として,公開前から注目を集めていた作品だ。初期の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1999年・ユニバーサル)や『スナッチ』(2001年・コロンビア)で夢中にさせてくれたガイ・リッチーの“原点回帰”と知ったら,遅れ馳せでも見なきゃでしょ♪

ロンドンで大麻ビジネスを展開して莫大な資産を築いたアメリカ人のミッキー・ピアソン(マシュー・マコノヒー)。その右腕のレイモンド(チャーリー・ハナム)が帰宅すると,リビングに私立探偵のフレッチャー(ヒュー・グラント)が忍び込んでいた。フレッチャーはレイの前に『ブッシュ(大麻の隠語)』というタイトルの映画の脚本を突きつけ,2000万ポンドの支払いを要求する。その脚本の内容はこの2ヶ月間にミッキーとレイモンドの周囲で起きた事件の数々。スコッチで饒舌になったフレッチャーは得意気に語り始める。

裕福な中年となり,美しい妻ロザリンド(ミシェル・ドッカリー)と穏やかな生活を送ろうと考えたミッキーが大麻ビジネスから足を洗い,誰かに譲るという噂が暗黒街に流れる。その利権総額は何と500億円。目の色を変えたのが強欲なユ ダヤ人大富豪マシュー・バーガー(ジェレミー・ストロング)にチャイニーズ・マフィアのジョージ卿(トム・ウー)とドライ・アイ(ヘンリー・ゴールディング)。さらにはゴシップ紙の編集長ビッグ・デイヴ(エディ・マーサン)に下町のチーマーを率いるコーチ(コリン・ファレル)からロシアン・マフィアまでも巻き込んで,一筋縄ではいかない“ジェントルメン(=一流のワルたち)”によるダーティでスリリングな 駆け引きが始まるのだったが…。

レイモンドとフレッチャーの掛け合いをベースに“映画の中の映画”として進むストーリーだが,小気味良いスピード感にまくし立てられ,気づけばエンディング。展開に取り残された悔しさで,もう1度見直して,伏線と回収の見事さ,幾重にも張り巡らされたストーリー上のトラップの連鎖反応の末にスッキリさせる“騙される快感”に酔いしれてしまう。

公開時,ロンドン版『アウトレイジ』などと評価されていたが,むしろ,本能的な『アウトレイジ』とは対極にある,“エロ”と“グロ”と“ゲス”と“ワル”を小気味よく紳士的にまとめ上げた秀作。結局3度見直して,興奮状態で5つ★付けてしまった。


映画クタ評:★★★★★


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『ジェントルメン』
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