ゴジラvsビオランテ | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Godzilla vs. Biollante
監督:大森一樹(本編)/川北紘一(特撮)
キャスト:三田村邦彦/田中好子/高橋幸治
配給:東宝
公開:1989年12月
時間:105分




前作『ゴジラ』を原点とする“平成ゴジラシリーズ”を,別称“VSシリーズ”とも呼ぶ。この作品から6作のタイトルが『ゴジラvs○○』となっているからだ。さらに,シリーズ初の試みとして,東宝外部の監督を起用。東宝プロデューサーの田中友幸は,城戸賞を受賞した大森一樹の脚本を高く評価していたことから直接面会して脚本を依頼し,第1稿に納得したことで監督も依頼したという。

原案を一般公募,特技監督には川北紘一,音楽は“ドラゴンクエストシリーズ”のすぎやまこういちの起用と,それまでの怪獣映画にない新たな息吹を取り入れようとした意欲作。

前作『ゴジラ』の新宿襲撃から一夜明けた新宿では,自衛隊が廃墟の残留放射能検査や“スーパーX”の回収を進めると同時に,ゴジラの体の破片を回収する作業が行なわれていた。そこに潜入していたアメリカのバイオメジャー(遺伝子工学産業大手4社)もG細胞を採取。自衛隊に発見され銃撃戦となる。それを横取りしたのが,中近東サラジア共和国の工作員SSS9(マンジョット・ベディ)。サラジア共和国に運ばれたG細胞は,白神博士(高橋幸治)の研究室で小麦などの作物と融合させ,砂漠でも育つ植物を生む実験に使用されていた。しかし,バイオメジャーの策略で研究室は爆破され,白神博士はG細胞とともに最愛の娘・英理加(沢口靖子)を失う。

それから5年後。精神科学開発センターの子供たちがゴジラ復活を予兆するような夢を見続けている事が判明する。超能力者である三枝未希(小高恵美)も三原山の火口内で息づくゴジラの存在を確認。ゴジラ対策のために設置された国土庁G対策センターの権藤(峰岸徹)も近づく危険を感じていた。対ゴジラの手段として抗核バクテリア(ANB)を研究していた桐島(三田村邦彦)は,日本に戻っていた白神博士に協力を要請する。だが博士はANBの他にも,生命力の強いG細胞を使って娘の英理加の遺伝子をバラと融合させる。暗躍する“バイオメジャー”により,ついに三原山火口から姿を現すゴジラ。一方,白神博士が作り上げた新生命体は芦ノ湖で巨大なバラの怪物“ビオランテ”となって出現するのだったが…。

前半から登場する沢口靖子が,前作とは全く違う役。今回のヒロインは元キャンディーズの田中好子。この作品と同年に公開された今村昌平監督の『黒い雨』(東映)で,その演技力は高評価され,女優として活躍していた。

ファンタジー要素を含んだストーリーと,ビオランテの不気味な姿のギャップが見どころ。特撮技術の進歩も素晴らしい。が,桐島と明日香のラブストーリーまで挟んだのは欲張り過ぎに感じる。

前作で火口に落ち,この作品でゴジラが登場する三原山は,この作品の公開3年前に噴火している。噴火の際に“ゴジラ岩”が形成され,三原山の名物スポットになった。


映画クタ評:★★★★


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