ジョーカー | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Joker
監督:トッド・フィリップス
キャスト:ホアキン・フェニックス/ロバート・デ・ニーロ/ザジー・ビーツ
配給:ワーナー・ブラザース
公開:2019年10月
時間:122分




昨年,異色のサスペンスとして世界中で大ヒットを記録した『ジョーカー』を,このコーナーではようやく紹介。アメコミを原作とする作品としては史上初となるヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞,また,R指定作品としての世界興行成績が『デッドプール2』の持っていた記録を軽く塗り替え10億ドル超え,日本での興収も50億円を突破という話題の中,劇場公開時にはどうしてもトキメかなかったのは,この作品がDCEUの作品群と接点を持たないと知ったのが最大の理由だった。

とはいえ,第92回アカデミー賞では予想通り,または予想に反しての2冠。映画好きを公言するからには,やはり1度は見ておこうとなる。

タイトルの『ジョーカー』とは,DCコミックス『バットマン』に登場するスーパーヴィランの名。監督は『ハングオーバー!』シリーズを成功させたトッド・フィリップス。

1981年,財政難によって荒んだゴッサムシティ。心優しいアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)はこの街の片隅で,体の弱い母親のペニー(フランセス・コンロイ)と2人でつつましく暮らしていた。コメディアンとして成功し,マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)の人気テレビ番組『マレー・フランクリン・ショー』で脚光を浴びることを夢見ながら,ピエロのメイクで大道芸人として日銭を稼ぐアーサーだったが,行政の支援を打ち切られたり,感情が高ぶると意思に関係なく突然笑い出してしまうメンタルの病が原因でトラブルを招いてしまったりと,どん底の生活から抜け出せずにツラい日々を送っていた。

ある日,少年らに悪戯され暴行を受けたアーサーに,護身用にと同僚のランドルが拳銃を渡す。ところが,その拳銃を小児病棟の慰問中に落としてしまい,仕事をクビになる。ピエロの格好のままで地下鉄に乗っていると,今度は酔っ払った証券マンら3人に絡まれ暴行を受け,反射的に全員を拳銃で射殺してしまうのだった。殺人への罪悪や恐怖とともに,言い知れぬ高揚感に満たされたアーサーは,同じアパートに住むシングルマザーのソフィー(ザジー・ビーツ)の唇を強引に奪って口説き,自分の出演するスタンドアップコメディショーに招待するのだったが…。

“新たなジョーカーの創造”と言えばそれまでだが,アメコミの実写化ファンであればあるほどに「このジョーカーはないわ!」って思うのではないだろうか。ファン的にはヒーローやヒロインと共に感情移入し愛してきたヴィランの中でも,超カリスマな存在であるジョーカー。印象深いのは『ダークナイト』で第81回アカデミー賞・助演男優賞に輝いた故ヒース・レジャーの演じた,バットマンに心理戦を仕掛けてくる理知的なジョーカーで,その“ビギンズ”がこの作品のアーサーに起こった偶発と狂気では納得できない。

人間ドラマとして評価すべき点は確かに多いし,オリジナルへのリスペクトも描かれてはいるが,個人的には残念賞。


映画クタ評:★★★★


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