不能犯 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:白石晃士
キャスト:松坂桃李/沢尻エリカ/新田真剣佑
配給:ショウゲート
公開:2018年2月
時間:106分




“思い込み”や“マインドコントロール”などで精神的に追い詰め,自殺を実行させるため,警察では犯行の実証ができない犯罪を“不能犯”と呼ぶらしい。これを題材にして『グランドジャンプ』(集英社)に6年に渡り連載されている宮月新×神崎裕也の人気コミックスを実写映画化したサスペンス・スリラー『不能犯』を今夜は紹介。監督は『シロメ』(2010年・S・D・P)『貞子vs伽椰子』(2016年・KADOKAWA)など,ホラー・オカルト系を得意とする白石晃士。

検死をしても何一つ証拠が出てこない不可解な変死事件が連続して発生。これらの事件のただ1つの共通点は,事件現場で必ず黒スーツに身を包んだ宇相吹正(松坂桃李)が目撃されていることだった。彼こそが,とある電話ボックスに殺人の依頼を残しておくとどこからともなく現れ標的を確実に死に至らしめるとSNSで噂されている“電話ボックスの男”だったのだ。

しかし死因はマインドコントロールによる病死や自殺に事故など,いずれも立件できないようなものばかり。警察は宇相吹の身柄を確保し,任意で取り調べを開始するが,彼のマインドコントロールによってベテラン刑事・夜目(矢田亜希子)さえも手玉に取られてしまうのだった。そんな中,唯一マインドコントロールの効かない多田友子刑事(沢尻エリカ)は,部下の百々瀬(新田真剣佑)と共に,凶行を繰り返す宇相吹に立ち向かっていくのだったが…。

松坂桃李が演技の幅を一気に広げたことを実感させた昨年。『娼年』,そして日本アカデミー賞・最優秀助演男優賞を獲得した『孤狼の血』に先駆けて公開されたのがこの作品だった。共演者を凌ぐ存在感を見せるようになった松坂桃李が,宇相吹(うそぶき)という狂気なキャラを見事に演じ切る。そこには,彼が日頃見せてくれる爽やかな印象とはかけ離れた空気が漂い,シーンから目が離せなくなるのだ。対峙する多田刑事役の沢尻エリカも,30歳を越え,一時期の“尖った”印象が抜けて,この作品では“人間臭い”ほどの好演を見せる。

共演は他に,間宮祥太朗,小林稔侍,安田顕 など。


映画クタ評:★★★★


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『不能犯』
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