娼年 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:三浦大輔
キャスト:松坂桃李/真飛聖/冨手麻妙
配給:ファントム・フィルム
公開:2018年4月
時間:119分




今夜紹介するのは,直木賞作家・石田衣良の初の恋愛小説を実写化した『娼年』。2016年に三浦大輔演出×松坂桃李主演で舞台化された際には,俳優陣が観客の目の前で一糸まとわず“表現”するというセンセーショナルな内容で話題騒然となり,全公演即ソールドアウトという伝説の舞台となった。映画でも三浦大輔監督×松坂桃李主演というタッグで,観る者の感情を刺激する鮮烈な愛のドラマが紡がれる。

森中領(松坂桃李)は東京の名門大学生。日々の生活や女性との関係に退屈し,バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っていた。ある日,ホストクラブで働いている中学校の同級生・田島進也(小柳友)が,客の御堂静香(真飛聖)を連れて領の勤めるバーにやって来る。女や恋愛に興味がないと言い放つ領に静香は,オーナーをしている秘密の会員制ボーイズクラブ“パッション”に入るための試験を受けさせる。

入店を決意した領は,翌日から娼夫“リョウ”として仕事を始める。最初こそ戸惑ったが,娼夫として仕事をしていくうちに,女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき,やりがいを見出だしていく。そして彼を買った女性たちは,どんな女性の欲望も引き出すリョウとの時間を過ごすことで自分を解放していく。やがて静香に対しても思いを寄せるようになるリョウだったが…。

“R18+”のレイティングがあるので,お子ちゃまは見ちゃダメ! 冒頭の20分で「ただのエロドラマやん」って思っても最後まで見なきゃダメ! 妥協のない性愛描写を通して描き出されるものを,誤解を恐れずに敢えて乱暴にまとめると“オトコは回数と人数コナしてナンボ”,そして“女性はいつまでもオンナ”ってこと。行為から見えてくるもの,行為の先に見えてくるもの…をコッソリと自問したのは,自分が“知命”なお年頃に近づいたからだろうか? それとも,やはりこの作品の魅力に拠る処だろうか?

文字通り“体当たり”な松坂桃李にはとにかく称賛。江波杏子はこの作品が遺作となった。


映画クタ評:★★★★


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