監督：マット・リーヴス
ｷｬｽﾄ：マイケル・スタール＝デヴィッド／マイク・ヴォーゲル／オデット・ユーストマン
配給：パラマウント映画
公開：2008年4月
時間：85分
『スター・ウォーズ／フォースの覚醒』の大成功で，全世界に映画監督として有名になったJ・J・エイブラムスだが，監督としては『M:i:III』がデビュー作で，まだ５本しか撮っていない。しかし『LOST』『エイリアス』をはじめとするTVドラマや，多くの映画をプロデュースしてきたハリウッドの売れっ子クリエイター。12月15日から公開される『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』でも製作総指揮に名を連ねている。
そんなJ・J・エイブラムスがプロデューサーとして放つ異色作『クローバーフィールド』シリーズの第３弾が，来年２月に全米公開。おさらいとして２夜連続でシリーズ作品を紹介しておこうと思う。
まずは2008年に公開された『クローバーフィールド／HAKAISHA』。全米では，インターネットを中心に，公開直前まで謎と仕掛けに満ちた新機軸のプロモーションが展開され大いに話題を集めた。タイトルの『クローバーフィールド』とは，作品内での合衆国国防総省が保管する事件目撃記録の暗号名。実はJ・J・エイブラムス率いる映画制作会社“バッド・ロボット・プロダクションズ”のオフィス前の行政区画名に由来するとか。
ニューヨークが未曾有の大惨事に襲われた5月22日。その様子は偶然にも民間人のビデオカメラに収められていた。カメラの所有者はロブ・ホーキンス（マイケル・スタール＝デヴィッド）。その映像は暗号名“クローバーフィールド”と呼ばれる惨事の一部始終を捉えた貴重な資料として合衆国国防総省に保管されていた。
マンハッタンのアパートの一室。仕事で管理職への就任が決まり日本に栄転となったロブを祝うため，兄のジェイソン（マイク・ヴォーゲル）やその恋人リリー（ジェシカ・ルーカス）を中心に，多くの友人たちが集まって送別パーティーが開かれていた。ハッド（T・J・ミラー）がビデオカメラを手に，別れを惜しむ友人たちの間を巡りメッセージを撮っていく。想いを寄せるマリーナ（リジー・キャプラン）も出席していてテンションの上がるハッド。遅れてロブの恋人ベス（オデット・ユーストマン）も現れるが，ロブと口論になり帰ってしまう。
すると突然，爆音が響き渡る。屋上に出たロブたちの目の前には，街の一部が爆発炎上する光景。避難しようと通りに飛び出す一行。するとその目の前に，吹き飛ばされた“自由の女神”の頭部が転がってくる。信じられない光景にパニックを起こす人々。そして，人々はこの事態を引き起こした元凶で，およそ地球上には存在し得ない巨大な怪物を目の当たりにするのだった…。
ハッドがビデオカメラで撮る擬似ドキュメンタリーというスタイルは，見る者に，圧倒的な臨場感と忍び寄る恐怖を味わわせてくれる。１カメでの構成不足を補うように，当時のアナログカメラだからこそ可能な，ひと月前(4/27)の映像の混入というアイディアは秀逸。基本的にいきなり現れた感のある巨大生物についても，最後にこっそりとヒントを入れる巧みさが心地よい。ラストシーンのコニーアイランドの遊園地，海の中央右側に注目すると“何か”が発見できるよ。
ｸﾀ評：★★★★☆
T・J・ミラー作品まとめ◆シリーズ一覧◆
『10 クローバーフィールド・レーン』(2016年)
『クローバーフィールド・パラドックス』(2018年)
もっと『クローバーフィールド／HAKAISHA』
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