ウォーム・ボディーズ | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Warm Bodies
監督:ジョナサン・レヴィン
キャスト:ニコラス・ホルト/テリーサ・パーマー/ロブ・コードリー
配給:サミット・エンターテインメント
公開:2013年9月
時間:97分




X-MEN/ファースト・ジェネレーション』からの〈トリロジー第2章〉でビーストを演じたニコラス・ホルト。『X-MEN』シリーズではどうしても他の強烈なキャラに隠れてしまうが,2013年公開の『ジャックと天空の巨人』やこの作品では,主役として甘く繊細な魅力を見せてくれる。

原作は,ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』をもとにして書かれたアイザック・マリオンの小説『ウォーム・ボディーズ/ゾンビRの物語』。つまり,ゾンビ映画なのにラブ・ロマンス仕立て。このカッブリングの妙がウケて,全米で予想を超えるスマッシュ・ヒットとなった。

近未来の地球。街にはゾンビがあふれ,生き残った人間は砦を築いて身を潜める日々を送っていた。ゾンビの中には完全に感情や思考能力を失い,どう猛な“ガイコツ”と呼ばれる種族になる者もいたが,R(ニコラス・ホルト)は,まだわずかに人間らしい意識を残すゾンビの青年。ある日,仲間のゾンビと食料を求めて人間狩りに出向いたRは,物資調達に来ていた人間たちを襲って青年ペリー(デイヴ・フランコ)の脳を喰らうが,それがもとで彼の元彼女ジュリー(テリーサ・パーマー)に恋をしてしまい,住まいとする廃航空機へ連れ帰る。

最初はRに恐怖しか感じていなかったジュリーだったが,彼のつたないながらも純粋な優しさに触れ,次第に心を開いていく。やがてジュリーとの関係が特別なものとなるにつれ,Rは人間の心を取り戻してゆく。そして2人の関係は,ゾンビの世界と人間の世界に大きな変化をもたらすのだった…。

ニコラス・ホルトの澄んだ表情豊かな瞳が,ゾンビという存在に新たな深みを与える。それはゾンビになったことで単語を発することしかできない程度に低下してしまった会話力を補う以上に感情を伝える。それでも足りない想いや心の揺れを,何と“ゾンビのモノローグ”で語らせる。こうして,誰からも恋愛対象とみなされず,自分でも恋愛不適格者だと思っているゾンビが,いかにしてキュートなお嬢様のハートを射止めるかというラブ・ストーリーは,恋にオクテな若者の共感をも誘う。ジュリーの父親のグリジオ大佐はジョン・マルコヴィッチ。

“人間を人間たらしめているものが愛”ならば,その逆もまた真なのか? その1つの答えを,軽いテイストで味わってみて♪


映画クタ評:★★★★


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