X-MEN/ファースト・ジェネレーション | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:X-Men: First Class
監督:マシュー・ヴォーン
キャスト:ジェームズ・マカヴォイ/マイケル・ファスベンダー/ケヴィン・ベーコン
配給:20世紀フォックス
公開:2011年6月
時間:131分




〈トリロジー第2章〉の始まりは,ファンが〈トリロジー第1章〉でずっと抱いてきた疑問に応えるプリクエル。迫害されるミュータントを救うという目的は同じなのに,なぜ最強テレパスのプロフェッサーは人類との平和共存を目指し,磁力を自在に操るマグニートーは人類を滅ぼそうとするのか? なぜ相反する道を選んだのか? 若き日の2人とX-MAN誕生にまつわる物語が,後に『キングスマン』で見事な〈対比と継承〉を描いてみせたマシュー・ヴォーン監督によって,壮大なスケールで描かれる。

第1作目『X-メン』と同じオープニング・シーンに,シリーズ・ファンなら誰もが一気にのみ込まれてしまう。1944年,ナチス・ドイツ占領下のポーランドの強制収容所。両親と引き離されたユダヤ人の少年エリック・レーンシャーが鉄門を捻じ曲げるのを目撃した科学者のシュミット(ケヴィン・ベーコン)は,わざと彼の母親を目の前で殺害し,エリックを強い能力に目覚めさせる。

同じ頃,ニューヨーク州の裕福な家庭に育つ少年チャールズ・エグゼビアは,屋敷に忍び込んだ青い肌と変身能力を持つ少女レイヴン・ダークホルムと遭遇する。チャールズは自分と同じ存在に出会えたことに喜び,彼女を家族として迎え入れる。

18年後の1962年。セバスチャン・ショウと名を変えたシュミットに復讐しようとするエリック(マイケル・ファスベンダー)と,CIAに協力していたチャールズ(ジェームズ・マカヴォイ)は,ついに運命の出会いを果たす。2人はショウが率い暗躍するミュータント集団“ヘルファイア・クラブ”の野望を食い止めるために,ハンク(ニコラス・ホルト)が作ったテレパシー増幅装置“セレブロ(スペイン語で「脳」の意味)”を使って各地のミュータントを探索し,仲間になるよう個別に説得を始めるのだったが…。

人の心を操作し,戦闘を回避させようとするチャールズ(後のプロフェッサーX)。武器をねじ曲げ,力を誇示して人を押さえ込もうとするエリック(後のマグニートー)。対照的な2人の葛藤を軸にミュータントの哀しみやコンプレックスの深さ,ミュータントを恐れ排除しようとする人類の心の狭さや弱さ,そしてビーストやミスティークの誕生エピソードが綴られてゆく。さらにキューバ危機も素材として違和感なく絡め,ていねいなドラマとアクションに仕立てられ,二転三転するクライマックスへとなだれ込む。

最も『X-MAN』らしくなく,しかし最も『X-MAN』を捉えた,シリーズ最高傑作と言えるのではないだろうか。ちなみに,ローガン(ヒュー・ジャックマン)は1シーンだけのカメオ出演となっている。

若き日のエリックを演じたマイケル・ファスベンダーは,公開中の『アサシン クリード』(20Cフォックス)の主人公カラム・リンチ。また,若き日のチャールズ役のジェームズ・マカヴォイは,5月公開予定の『スプリット』(ユニバーサル)で多重人格者ケヴィンを演じている。


映画クタ評:★★★★★


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