p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Candy Cane Lane
監督:レジナルド・ハドリン
キャスト:エディ・マーフィ/トレイシー・エリス・ロス/ジリアン・ベル
配給:Amazon Prime Video
公開:2023年12月
時間:120分




今年もクリスマスが近づいてきた。街も人の心も,人種も年齢も宗教も関係なく浮かれるこのシーズンに,今夜は,エディ・マーフィ主演のコメディファンタジー・クリスマス映画『キャンディ・ケイン・レーン』を紹介。アマプラで一昨年末から配信されている作品だ。監督は『ブーメラン』(1992年・パラマウント)のレジナルド・ハドリン。

タイトルの『キャンディ・ケイン・レーン(Candy Cane Lane)』とは,赤と白の縞模様の杖の形をしたクリスマス・キャンディ“キャンディケーン”に由来し,アメリカ各地にあるクリスマスの飾りで有名な通りを指す言葉。

カリフォルニア州エル・セグンドで“トゥエイン・プラスチック工業”のマーケティング担当者として働くクリス(エディ・マーフィ)は,地元のクリスマスデコレーションコンテストのために手彫りの飾りを作っているが,一度も優勝したことがなく,空気人形や量販の飾りで何度も優勝しているお向かいのブルース(ケン・マリーノ)を羨ましく思っていた。そんなクリスだが,クリスマスの直前に突然解雇され,ケーブルテレビ“プリズム”が今年の優勝者に与える10万ドルを目指して必死に。

さっそく飾りつけを探すクリスと末娘のホリー(マディソン・トーマス)だったが,賞金を目当てにした町の人々がいち早く,すでにどこの店でも売り切れ。すると,美しい飾りや人形がいっぱいの“クリングルの店”という不思議なクリスマスショップに偶然出くわす。クリスは“クリスマスの12日間”をモチーフにした大きな木の形をしたゾエトロープに惹かれ,店主のペッパー(ジリアン・ベル)から購入すると,嬉々として持ち帰るのだったが…。

定番なストーリーだが,大人も子供も一緒に楽しめる。で,定番と思っていると予想外の展開やギミックが登場して,きっと一緒に「おぉ!」って喜んだりドキドキしたりと,素敵な時間が共有できるはず。クリスマス映画,こういうのが良いよね。

ちなみに,クリスの妻キャロル役のトレイシー・エリス・ロスは,ポップ・ソウルの歌姫ダイアナ・ロスの娘。

アマプラ,機能的にエンドロール飛ばしがちだけど,ミッドクレジットシーンもあるのでご注意を。


映画クタ評:★★★★


右矢印エディ・マーフィ作品まとめ


■地上波OA情報■

12/27㈯ 21:00~ フジ系列
マスカレード・ナイト』(2021年)

12/29㈪ 19:00~ フジ系列
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022年)

1/2㈮ 21:00~ 日テレ系列
千と千尋の神隠し』(2001年)

1/9㈮ 21:00~ 日テレ系列
かぐや姫の物語』(2013年)




監督:豊島圭介
キャスト:大森元貴/菊池風磨/中条あやみ
配給:東宝
公開:2025年4月
時間:117分




客観的に証明できる出来事を「事実」,事実をもとに個人の信念や経験が加わった主観的な認識を「真実」,そして,隠されたり不明な出来事の奥にある最も根本的な「事実」や「真実」が「真相」と呼ばれる。つまり,表層的な「事実」と,立場によって異なることもある「真実」を見極め,「それがなぜ起きたのか,本当のところどうなのか」を示すのが「真相」。

今夜紹介するのは,この「真相」を題材にネット社会の匿名性や集団心理を背景に描かれ,2022年に最も売れたミステリー小説となった結城真一郎のベストセラーを,Mrs. GREEN APPLEの大森元貴とtimeleszの菊池風磨の共演で映画化したミステリー・サスペンス『#真相をお話しします』。監督は『森山中教習所』(2016年・ファントム・フィルム)『耳を腐らせるほどの愛』(2019年・KATSU-do)の豊島圭介。

かつて一流商社の営業マンだった桐山(菊池風磨)は,友人に裏切られて以来,人と深い関わりを持たず借金を抱えて,ビルの警備員として暮らしている。しかし,そのビルに事務所を構える不思議な雰囲気の男・鈴木(大森元貴)の出現で,桐山の人生は再び動き出す。人懐っこく話しかけてくる鈴木を,最初こそ煙たく思っていたものの,荒み切った桐山に多くを聞かず受け入れてくれる鈴木に,桐山もいつしか心を許していた。事件以来3年ぶりにできた友人だった。

そんな2人が,ビルの警備室でパソコンの画面をのぞき込む。始まるのはサテツ(岡山天音)の生配信暴露チャンネル『#真相をお話しします』。そこでは有名人の裏の顔,世間を騒がせた事件の報道されていない部分など,あらゆるゴシップの真相が明かされていくのだ。スピーカーに選ばれた者は,とっておきの真相の暴露と引き換えに観衆からの投げ銭を獲得する。借金地獄に陥っている桐山はその夜,鈴木の勧めでスピーカーにエントリーしていたのだったが…。

1人目のカテキョ(綱啓永)による「惨者面談」,2人目のミーコ(福本莉子)による「ヤリモク」,そして3人目の警備王による「三角奸計」の3話が映像的にもよくできていて,ラスオチとなるチョモの話が薄くさえ感じられてしまうが,この原作から少し変えられた部分が作品のメッセージで,情報の発信者と同様に,それを求める視聴者への警鐘。

ちなみに,前半部で桐山が電話で話す借金取りの役が,声のみで出演の二宮和也だ。


映画クタ評:★★★★


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原題:The Hitchhiker's Guide to the Galaxy
監督:ガース・ジェニングス
キャスト:サム・ロックウェル/モス・デフ/ズーイー・デシャネル
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ/ブエナ ビスタ インターナショナル
公開:2005年9月
時間:109分




ブリティッシュ・ジョークは皮肉や自虐,権威への反抗が特徴で,控えめだが機知に富んだユーモアが中心。一方アメリカン・ジョークは,ダジャレなどの分かりやすい言葉遊びや,期待を裏切る意外なオチで笑いを誘う,より直接的で陽気な傾向がある。歴史・文化・国民性が,同じ言語を持つ2国で異なる“笑い”の質を作ってきたのだ。

日本はと言えば,独自言語と文化の中で,イギリスの奥深さとアメリカのストレートさの共存したような“笑い”を創生してきた。明治以降はアメリカ寄りの文化形成となるが,多くの日本人は英語が判らないまま,当然,英語圏の“笑い”への傾倒は限られ,理論は判っても笑えないといった“笑い”の相違性が続いている。

今夜はそんなブリティッシュ・ジョークでどこまで楽しめるか? と見る者それぞれの“笑い”の傾向を試すことができる1本を紹介。イギリスの脚本家ダグラス・アダムスが,1978年にBBCのラジオドラマとして書き上げ,以降,小説・TV・ゲーム・コミックス・舞台と,イギリスではカルト的な人気を呼んだ原作を映画化した『銀河ヒッチハイク・ガイド』だ。監督は,この作品が劇場長編デビューとなったガース・ジェニングス。後に『SING/シング』シリーズの脚本・監督で世界的ヒットを獲得することになる。

ある日突然,地球の上空に無数の宇宙船が出現した。何と,運悪く太陽系を通る銀河バイパスの建設用地に位置していたため,地球は爆破されることになってしまったと言うのだ。地球にいる生命体の中で2番目に賢いイルカたちは地球の滅亡を察知し,事前に人類に警告していたが,人類はこれを,餌を貰いたいために行う芸だと思っていたのだ。そうしてこつ然と世界中のイルカが姿を消す。そうして,銀河でも屈指の醜い姿を持つヴォゴン人のジェルツ大尉(リチャード・グリフィス)率いる銀河バイパスの建設船団は,あまりにもあっけなく地球を消滅させてしまう。

運命のイタズラか,紅茶とジョークが大好きできわめて平凡なイギリス人男性アーサー・デント(マーティン・フリーマン)だけが地球人としてただ1人生き延びることに。彼を助けたのは15年来の親友フォード(モス・デフ)。実は彼は地球人でなく,ベテルギウス近くの惑星出身の異星人。さらに,宇宙で生き抜くサバイバル術とクールな風刺に満ちた銀河系最大のベストセラー『銀河ヒッチハイク・ガイド』の編集者だったのだ。ヴォゴン建設船団の宇宙船をヒッチハイクすることで,2人は間一髪で地球を脱出。こうしてアーサーは,ガイドブックを頼りに,広大な宇宙をアテもなく旅するハメになるのだったが…。

荒唐無稽だが筋は通っていて,アーサーとフォード,フォードのはとこで銀河帝国大統領のゼイフォード(サム・ロックウェル),ゼイフォードにナンパされたトリリアン(ズーイー・デシャネル),根暗ロボットのマーヴィン(声:アラン・リックマン)を中心に進むSFアドベンチャー。

しかしそのキャラとストーリーは,官僚主義の無意味さや人間の傲慢さと自己中心性,科学・哲学・テクノロジーへの皮肉,どんな異常事態でも“お茶”を求めるといった礼儀や習慣に固執するイギリス人の保守性や滑稽さへの自虐など,多くのテイストが隠されていて,これを楽しめるかどうかが評価の分かれ目。

ちなみに,スーパーコンピュータ“ディープ・ソート”のオリジナルの声はヘレン・ミレンが担当している。

もちろん,ハマった人が正解とか,ムリって評価が浅慮とかじゃなく,こういう映画を好きか,そうじゃないかって自分のバロメータの1つにってこと。個人的には好みで,原作シリーズの他の作品の映画化も待望している。


映画クタ評:★★★★


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