監督:マイケル・マン
キャスト:アダム・ドライバー/ペネロペ・クルス/シェイリーン・ウッドリー
配給:ネオン/STXインターナショナル/キノフィルムズ
公開:2024年7月
時間:132分
フェラーリを知らない人はいないだろう。ロッソ・コルサを基調とするイタリアのナショナルカラーのボディ。そこに込められた歴史や情熱,そしてブランドとしての不滅のアイデンティティは,1947年に元レーシングドライバー兼レーシングチームオーナーのエンツォ・フェラーリによって設立されて以来,レーシングカーと高性能スポーツカーのみを製造している会社を象徴し続けている。
個人的にはやはりF1。フェラーリは1950年にF1が始まって以来,現在も継続して参戦している唯一のコンストラクターで,エンジンとシャシーの両方を開発・製造する数少ないコンストラクターの1つだ。過去16回チャンピオンを獲得しているF1の象徴的存在となっている。
今夜紹介するのは,『コラテラル』『パブリック・エネミーズ』のマイケル・マン監督が,そんなフェラーリの創始者エンツォ・フェラーリの衝撃の実話を映画化した伝記ドラマ『フェラーリ』。伝記とは言っても,エンツォの90年の生涯を辿るわけではなく,1957年夏のみを舞台として,その人間性と迫力のレースシーンが描かれていく。
1947年にフェラーリ社を設立してから10年。ローマ・グランプリで優勝して以来,世界のレーサーがシートを争う名チームを育成し,地元の名士になっていた59歳のエンツォ・フェラーリ(アダム・ドライバー)。だが,会社は倒産の瀬戸際で,家庭では難病を抱えた息子のディーノが1年前に亡くなって以来,妻ラウラ(ペネロペ・クルス)との関係は冷え切っていた。そんな彼の心を癒すのは,密かに愛する女性リナ(シェイリーン・ウッドリー)と12歳の息子ピエロ(ジョゼッペ・フェスティネーゼ)とのひと時。だがそんなエンツォの秘密もラウラに知られてしまう。
資金豊富なフィアットやフォードからの買収工作や私生活のトラブルによって,全てを失ってしまうのではと危機感を持つエンツォ。そんな時,彼は社運を賭けて,イタリア全土を縦断する公道レース"ミッレミリア"に参戦することを決める。ポルターゴ(ガブリエル・レオーネ),ピーター・コリンズ(ジャック・オコンネル),タルッフィ(パトリック・デンプシー)など情熱的なレーサーたちによってチームが編成され,ついにレースがスタート。しかし,思いもよらない事態がチームを待ち受けているのだったが…。
フェラーリ愛好家であるマイケル・マン監督が,“フェラーリ愛”をふんだんに盛り込んで作った作品。しかし,キチンと事実に即していて,その事実がちゃんとドラマになっている。また,登場するレースカーたちは現代の相場で数億〜数十億円を超える希少車のため,映画のために9台のレプリカ車が製作された。この車を使った迫力のレースシーンの再現が後半の見どころ。
レースファンやティフォシ(フェラーリのファン)には,もうヨダレ止まらぬお宝三昧の1本。ただ,興味のない人は,イマイチ楽しめないかもしれない。
■地上波OA情報■
2/13㈮ 21:00~ 日テレ系列
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023年)


