スマホを落としただけなのに | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:中田秀夫
キャスト:北川景子/千葉雄大/成田凌
配給:東宝
公開:2018年11月
時間:116分




携帯を持つようになってから20年以上が経つ。ガラケーからスマホへと,もはや電話ではなくなったその機能は,この先どこに行くのだろう? と,時折考えたりする。だって,最初の携帯でできたことって,通話とカタカナでのショートメールだけだったんだよ? 手元のスマホ見ながら,20年後の技術って想像を超えちゃってるんだろうなぁって,楽しみのような不安なような気持ちに包まれる。

さて,今夜紹介するのはそんな“スマホ”を素材にしたサスペンス・スリラー。内容はほぼタイトルが語る『スマホを落としただけなのに』。“だけ”じゃ済まない恐怖を,次第に現実離れする展開で見せてくれるが,いや,日本社会も病んできたので「こんなヤツ,実在するかも?」って次第に思えてしまう。原作は志駕晃のデビュー小説。監督は『リング』(1998年・東宝)や近作『貞子』(2019年・KADOKAWA)などでジャパニーズホラーを代表する中田秀夫。

サラリーマンの富田誠(田中圭)は,プレゼン先に向かうタクシーにスマホを置き忘れてしまう。恋人の稲葉麻美(北川景子)が富田に電話すると,聞き覚えのない男の声が聞こえてきたのだ。たまたま拾ったというその男性のおかげで無事に富田のスマホを取り戻し,ひと安心する麻美。しかし,その日を境に,身に覚えのないクレジットカードの請求や,SNSで繋がっているだけの富田の先輩・小柳(バカリズム)からのしつこい連絡など,2人の身に不可解な出来事が立て続けに起こる。

不安になった2人は,麻美がSNSを通じて知り合ったITエンジニアの浦野(成田凌)に相談し,スマホの安全対策を施してもらう。そのころ,人里離れた山の中で次々と若い女性の遺体が発見され,連続殺人事件として捜査が始まる。身元不明の遺体は皆,長い黒髪を切り取られていた。刑事の加賀谷(千葉雄大)は,被害者がいずれも長い黒髪の持ち主である点から捜査にを進めていくのだったが…。

“だけ”じゃ済まなかったのは終盤。明らかになる麻美の過去の秘密が,物語にスパイスを加える。映像的な恐怖より,心理的な謎や恐怖を煽る作り,ハッキリ言って好きだ。途中何度も「それ,ヤバいだろ!」って,主人公たちの行動の安易さにツッコミを入れながら,でも,最後まで飽きさせず見せてくれた。

興収19.6億円を超える大ヒットを記録したこの作品。続編の製作が決定した。今度は千葉雄大が主演を務め,怪演が話題を呼んだ成田凌も続投。前作に引き続き,中田秀夫監督がメガホンをとる。公開予定は来年とのこと。


映画クタ評:★★★★


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スマホを落としただけなのに/囚われの殺人鬼』(2020年)