堀江貴文氏の「多動力」という著書を、読みました。「多動
力」とは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを
言うそうで、これからはこの多動力が必要な時代なのだそ
うです。
その理由は、堀江氏が言うにはインターネットが「水平分
業型」なのでIT時代には多動力のある人しか生き残れな
いということです。
私も「多動力」がこれからは大事になると思います。理由
は異なりまして、物事というのは全て見えない糸でつなが
っているからです。というか、宇宙にあるもの全てはどこか
で連動しているものなので、一見何も関係ないようなこと
でも決して分けて考えるのでなく結びつけて考えることが
何より重要だからです。
そしてこうして色々な異なる物事を結びつけて考えられる
人は、「多動力」も発達します。そしてその発達した多動力
を発揮せずにはいられなくなるはずです。たまたまインタ
ーネットという、多動力を発揮するのに都合の良いものが
世の中を引っ張っているなら、より多動力があればあるほ
ど有利な時代になります。
なので堀江氏の言うことに、基本的には賛成です。そして、
「肩書をたくさん持つほど多動力が生まれるので有利」とい
うのも、わかります。
なのですがこの堀江貴文という人、色んな事柄や物を、切
り捨て過ぎですね。文章を読んでいると、自己愛に走ってい
るところもあります。
たとえば、電話に出ない主義だそうで、電話での会話そのも
のを否定します。スマホがあれば何でも事は足りるのだそう
で、コンピュータまでもいらないようなことを書いています。要
領の悪い人間を、真っ向から否定するところがあります。
私の知人にはこの人を「大嫌いだ」という者が数多いのですが、
理由はわかりますね(笑)。
「多動力」に関しては、私も同じ意見です。しかしその「多動力」
の源泉にあるのは、「全面否定と全面肯定をしない精神」なの
ではないでしょうか?全てのものに対し、否定する部分と肯定
する部分をかぎ分け、肯定できる部分をつなぎ合わせることが、
「多動力」の源となるはずです。しかもその作業に慣れれば、そ
こで養われた「多動力」が優れた「創造」につながると思います。
電話が効率を妨げる可能性が高いのはわかりますが、直接会
話すれば1分以内ですむことをメールで何度もやりとりしている
ケースは、多々見られます。堀江氏に言わせると恐らく、それは
その人間の資質の問題だということになるのでしょうが、そこで
切り捨ててしまうと、組織の運営は出来なくなると思います。
色んなタイプの人間を駒として使い分けることは、会社とか組織
そのものの「多動力」につながります。「多動力」のない「一筋型」
の人間を5人使い分け、5通りの事業を成功させるケースがあり
ますが、それは組織のリーダーに「多動力」があるからでして、そ
れによって組織に「多動力」が生まれるのではないでしょうか?
全面否定と全面肯定をしない精神を持たないと、本当の多動力
は発揮できない気がします。いかがでしょうか?
ただしこの「多動力」が大事という価値観には、大いに共感します。
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