子供を伸ばすオススメ読書100タイトル vol.9 サブカル・啓発系① | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 このジャンルは読み易い本が多いかと思います。というのも、サラリーマンの方が読むような自己啓発系のモノも含まれるからです。

 いろいろなジャンルの本を読んで思うのは、やはり、手早く情報を与えるために創られた本は、濃度が薄く、非常に読み易い反面、得る物もそれなりであると言えます。自己啓発系のものも、20代のころはいろいろと求めるものがあり、怪しいものも含めて、相当数を読んできています。

 やはり、「見えないもの」「簡単な奇跡」を主に扱ったスピ系もの、一時流行った江原さん的なもの(なんとかの泉がありましたねw)は注意が必要だと感じます。本物もあるのかもしれませんが、詐欺まがいのものがやはり多いので、子供に与えるべきものはありませんし、自己判断できる年齢まで与えるのは避けるべきです。
 まあ、幽霊やらオーラやら、いずれ科学がそれを検証できる時代も来ることでしょう。それまで待ちましょう。

 また、僕は三大宗教を始め、ゾロアスター教やヒンドゥー、ラマ仏教(当然神道も)にいたるまで、その辺も洋の東西を問わず、相当数の勉強を広範に、自分なりにやっています。ですので、スピ系の本がどのあたりの知識を悪用? 流用して誘導しているかもわかるようになっています。また、変にハマった方のパターンもある程度はわかっています。

 やはり、不自然に組織になったり、お金をとったりした瞬間に、「?」は着きます。やはり、個人でする日本古来の神道ががもっともないような気もしています。今年はサミットもあったし、伊勢神宮はおススメですね。

 「中庸」が僕のモットーです。
 そのあたりのバランス感、透明感もある程度の自信はあるので、そこから厳選し、「生き方」として素晴らしいもの、プラスの大きいものを選んでいます。


<子供へのおススメ読書100タイトル vol.9 サブカル・啓発系編①>

41、らくごDE枝雀 桂枝雀 文章レベル★☆

 



とかいいながら、最初は落語です。落語は20代まで全然わからなかったのですが、大手塾時代にある生徒に志ん朝さんのDVDを貸してもらったのがきっかけで、かなりハマってしまった経緯があります。そこから、YouTubeで怒涛のようにいろんな方のものを見て、寄席にも行って、今でも年に2、3回はどこかの寄席にいっています。

ハマってしまったのも、元々興味があったからではあります。漫画家さんや芸人さんなどでもすごいなと思う方ほど、古典落語を聞いている方が多いことは知っていました。
いざ聞いてみると、塾講師ですと、落語家の方から勉強することは非常に多いのです。何度も同じ話をし、それを退屈する(させる)ことなく、面白おかしく「ええなぁ」と思わせる技術は素晴らしいものがあります。また、同じ話でも噺家さんによって、全く違って聞こえるのも新鮮です。

まあ単純に面白いですよね。個人的には、古典落語が時代性も感じさせて好きですね。

そしてその中でも、やはり関西人なのか、平成の爆笑王、2代目桂枝雀さんに行きついてしまった次第です。まあ、YouTubeにいくつか動画があり、30分もすれば、爆笑の渦に叩き落とされることと思います。オススメですよ。

枝雀さんは、兵庫県神戸市生まれで、苦学した末、神戸大学に入学するのですが、すっぱりと辞めてしまいます。
その特徴は、なんといっても完璧主義者であることです。高学歴者の宿命か、徹底して「笑い」を分析し倒し、どこまでも笑いを追究していきます。最後には、それが故か精神を患い、残念ながら自ら命を絶ってしまいます。

残念ではあるのですが、今のお笑いにも与えた影響は大きいです。人間がどんなことを面白い、おかしいと思い、どんなことで退屈してしまうのか、そのあたりをどこまでも追及した方の笑いは、やはり凄みすらも感じさせます。

この本は、まだ元気なころに書かれたもので、その枝雀さんのお笑い哲学が数本の古典とともに感じられるようになっています。落語の落とし方を「あわせ」「どんでん」「へん」「なぞとき」4つに分類などは、普段の会話でも使えます(笑)

枝雀さんでなくても、落語は楽しく国語力をあげる良いきっかけになりやすいと思います。古典落語のいくつかを見ながら、どれくらい理解できるか、をみるのも楽しいです。「笑点」に出ている有名な人あたりの寄席をまずはYouTubeなどで見てみるのもプラスになりやすいと思いますね。

国語が苦手な方は、ちょっと聞いてみると変わるかもしれませんよ。


42、マザーテレサ 愛と祈りのことば 文章レベル★★☆

 



さて、古今東西の宗教的なものは、すべからく勉強してきた僕なのですが、やはりキリスト教系ではマザーに行きついてしまいます。

マザーテレサはノーベル平和賞などでよく知られた方ですが、壮絶な信仰の貫き方をしています。彼女がインドのカルカッタで創った「死を待つ人々の家」というホスピスがあります。ここは、1950年代から現在に至るまで、貧乏な人や恵まれない人々がごった返すようにいる地域です。
マザーは別にそこの人々をキリスト教に改宗してやろうとしているわけではなく、ただ「せめて死ぬときには誰かに見守られていてもらいたい」という信念で、ホームレスで寂しく死んでいく人々をそこで世話をしたのが始まりです。

最初はヒンズー教のボロ寺院だったのが、その活動を続けるうちに賛同者や支援者が増え、今では結構立派な病院になっています。ついには社会現象となり、ノーベル賞にまで行きつきます。今では、追従者も増え、大きな活動となっています。僕らでもこのような実践は不可能でも、その思想から学ぶところは多いです。

マザーの神様の捉え方が僕は好きなのです。キリストは「自身の中」に居て、悪臭を撒き散らしながら哀れに道端で死んでいく病気のホームレスの中にもいる。だから、そのような人を助けけることは「神様(自分自身)を助けている」ということであると言います。なんという慈悲深さでしょうか。現代人がなくしつつあるものかもしれません。

いわゆる仏教における「仏性(すべての人が仏になれる性質を持つ)」に近い考え方で、やはり実践を伴う真の宗教者は、皆おなじような境地に達するし、それが真理の一端なのかな? と思ってしまいます。

他にかける情け、思いやりは、勉強以前のものですが、じつはしっかり持っていると、勉強にもプラスになってくることを僕は知っています。関連書籍はたくさんありますが、この本あたりが最も偏りがなく良いかなと思います。

日々、親に文句ばかり言っている君、読んでみないか。


43、知の逆転 文章レベル★★☆

 



これはちょっと前に流行った新書です。NHKの記者が世界各地の識者にいろいろな質問をぶつける、というオムニバス形式のインタビュー本です。

僕はわりとインタビューという形式が好きで、その人物のをそこから探ろうとしてしまいます。この本では、作家のカズオイシグロやジェームズ・ワトソンといった、僕が好きな人物から(というかそれに釣られたw)、ジャレド・ダイアモンドなど世界史の権威、経済学の権威など、普段あまり親しむことのないそれも世界で有数の有識者の考えを知ることができます。

やはり面白かったのは、有識者にはユダヤ教やキリスト教の方が多く、やっぱ敬虔なのかなとおもいきや、意外と柔軟にそのあたりはこなしていたりして、その宗教との距離感が面白い部分ではあります。また、現代における社会問題のアプローチなども鋭い視点があることは疑いなく、中には、全く逆のことを言っている方も含まれています。

個人的には非常に参考になったと同時に、今やインターネットの時代なので、このあたりの識者でも僕らとそう情報量が変わっていないんだな、という印象もありました。

僕はここから、PHPの「知の最先端」などに手を出しています。ただ、質問のセンスがこちらの方が良い気がしていて、哲学性を引き出せているの方をと思い、こちらを薦めることにしました。小学生からとりあえずは読める本だと思いますし、将来勉強したい分野が決まらないなら、このようないろんな方の考えがわかる本を読むのも良いと思います。

この本の第2弾もあるらしいので、近いうちに読むと思います。


44、難関中学突破バイブル 前田卓郎 文章レベル★★☆

 



ジャンル分けがよくわかっていない感じなのですが、もうここに入れてしまいます。唯一の受験本です。

 僕は基本的に「勉強がうまくいく」本のようなノウハウ本を薦めることはありません。時間の無駄に近いからです。他人の勉強法を「知り、比較する」という意味ではある程度は良いと思いますが、僕や僕の友人たちは、そのような本を現役時代には一冊も読んでいないことを知っておいてほしいと思います。(いわゆるサンプル数1問題もある)

 それは、生でいろいろなやり方を実践し、隣の成績優秀者のナマの感じ(何時に起きて、何時間くらいどんな感じでやっているか、など)を知ったほうが僕には勉強になったし、そもそもそんな本を読む暇もなかったからなのです。ですので、実は勉強法系の本は塾に勤めだしてから読み始めています。でも、やっぱり、現役の時には「読まなくても良かったな」と思えました。

その中で、どうせ読むなら一番強烈で一流のものを読めば良いと思うので、この本を薦めます。親御さんにではなく、生徒さんにです。親御さんが読んでもなんの変化も得られないばかりか、こんな優秀な子たちばかりがいるのかと、ちょっと落ち込むことにもなるでしょう(笑)

前田卓郎さんは、僕らの時代から有名だった、浜学園という灘中に行くためのすげー塾がありまして、そこのカリスマ講師だった方です。その後、ケンカ別れ? して希学園を創られています。近年、東京にも進出してきたので、ご存知の方も多いかと思います。もう現場からは引退されているそうですが。

その指導法は「克己心」を軸とした、弱さに打ち勝つ教育方針です。遊びたい心、サボりたい心、それと戦っていくのです。でないと、中学受験は勝てません。今でも、もちろん、上位層は同じような現状がありますね。

「え、12歳の子にここまで要求すんの?」ってなことも多々ありますが、この先生の熱意は半端ではなく、皆、ついてくるそうです。ついてくると、灘中をはじめとする有名私立中に受かっていて(灘に1万人くらい入れたとかw)、その子たちはその後、東大など名門大学に行きます。まさにを創るような強烈な方です。

ま、僕の小学校時代では入塾テストにも受からないと思いますが、やはり古き好きといいますか、この方にはそういうモノが残っていますね。おそらく今の希学園はサピのようにシステム化されているとは思いますが。


45、サルに教える映画の話 井筒和幸 文章レベル★★

 

 



いきなり映画の本を持ってきてしまいました。僕は映画も年に100本くらいのDVDを見る生活を20代の頃はしていました。ほんとにあの頃は、惜しむように金と時間を使っていました。このブログを書き始めて、その時間がブログになった感じですね。

でも、いくら100本見ても、ハリウッドの派手にどんちゃんやっているモノばかりでは何と言いますか、得るものが少ないのです。特に90年台以降のものはエロ・グロ・ナンセンスに走ったヒドいものも多いです。そこで、この本が素晴らしい指標を与えてくれました。

井筒和幸監督は、深夜番組で映画を自腹でみて忌憚なき意見といいますか、時にボロカスに言うという番組のコーナーがあって、そこで知ったのですが、それが痛快に面白かったのです。また、良いと言った映画は必ず感動するものがありました。

その人格の批判はあるでしょうが、「この人は嘘を言わないな」と思えましたし、実際に井筒監督の映画はちゃんといいものがありました。(オススメは「ゲロッパ」や「パッチギ」)ですので、今でもものすごく好きな映画監督の一人です。

この100冊のコーナーを初めて鋭い視点の方はお気づきでしょうが、僕はどうしようもなく濃い人物が好きなのです(笑) 僕自身は癖のうっすい人間ですので、憧れといいますか、「自分」を確立させた人間がどんな変な人であれ、素晴らしいなと思えてしまうのです。また、音楽などを通じて、それがいかに難しいかも知っているつもりです。

井筒監督も実際に、あの番組でボロカスに言いすぎて、出入り禁止になった映画館などもあるそうです。一本筋を通すのはこの日本社会では難しいのです。でも筋を通さねば、何かの言いなりになって終わってしまいます。それでいいのか、は各人が一生考えていくべきことなのかもしれません。

この本は映画初心者のサルに、いろいろと井筒監督が教えてくれるという形式で、60から70年台のニューシネマの流れや、マーティン・スコセッシ、フランシス・コッポラなどのイタリア系移民の監督の話や、いい映画とは、という井筒監督の熱い持論も聞けて最高です。僕は、この本の中で、「ダメな例」として出てきているものも含め、ほとんどを見ています。大きな視野の広がりを与えてくれました。

別に井筒監督の価値観をそのままもらう必要はないのですが、重要な視点を獲得するきっかけになること請け合いの本です。

これを読んだら、同じく井筒監督の「アメリカの活動写真が先生だった」もオススメです。もう絶版でないかな? 


 どうせなら、ジャンルを問わず一流のものにたくさん触れる青春時代にしましょう。そこから得るものは、たとえサラリーマンになったって生きてきます。
 え、大人にも必要じゃないかって? そりゃそうですけど、こんなん読んで重くなった腰を動かしてくれますかね?

 いつも読んでくださってありがとうございます。

このオススメ100タイトルの判断基準は、子供の「視野を広げ」「思考力を深め」「エログロナンセンスの少ないもの」といった感じになっています。ご活用いただければ幸いです。




お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。


5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

教え子の医学部留学生がブログをはじめました。医学部にご興味のある方はどうぞご覧になってください。医学部生のきつさや海外生活なんかの赤裸々なところがわかるかもですよ、むふふ。
こちらです。
http://ameblo.jp/harryhawk-bp/entry-11385618245.html

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