行動のない若者 | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 今の10代・20代を見て、歯がゆく思うことが最近多くなっています。僕も年の功を重ね、経験や知見が増えてきたことで、世の中が少しわかってきたからなのでしょうか。自分の縁ある若者たちの、若さにかまけて腐らせている時間がもったいないように思うのです。

 

 15年前と比べると、若者の生活は特に様変わりしています。ツイッターなどのSNSやユーチューブの発達で、プロフェッショナルでなくても表現活動ができるようになり、宣伝やアピールもネットである程度ならお金を賭けなくてもできます。

 

 スマホ一つで、曲を作ったりアップしたり、生放送したり、と、趣味や人のつながり、さらには社会の構造が変化しています。

 

 さて、そのような激変の中で、これからの十代はどうしていけば良いでしょうか。学歴などくだらないもので、否定していれば良いのでしょうか。

 

 結論から言いますと、否定しても良いと思います。ただ、否定する権利があるのは、何か将来の展望があり、自立する手立てや見通し、目標がしっかりしていて、すでに行動している人間だけです。

 

 少し検索すれば人類の大体の知識が手に入り、いろいろなデジタル技術の時短を考えると、現在では人生でなせるタスクの数が30年前と比べても数倍になっています。今では、昔の人では考えられないような知識量に到達することがわりに簡単なのです。

 

 例えば今、僕が戦国時代にタイムスリップすれば、竹中半兵衛や山本勘助を超える先見の明や戦略を簡単に授けることができるでしょう。読んでいる本の数・量も彼らの数倍、しかも分野が多岐にわたります。

 

 最近、気になるのは、このようにネットがあって、自由なこの現代日本で、「何もしない」「動かない」という若者が多いことです。少しの先も考えることができない若者が多いです。

 

 情報やインフラはあるのに、肝心の人間が弱くなっていることを思います。科学では割り切れない、「何か」を忘れている気もします。

 

 受験生が非常にわかりやすいのですが、数か月後に絶対に入試があるわけです。小学生でも数年後には絶対に大人になるわけですし、少なくとも進路を選ばねばなりません。であれば、できる限り限界まで勉強をした方が良いのに、そうは9割9分なっていません。

 

 限りなく限界まで勉強したと言える高校生活を過ごした僕としては、不思議に思うことが多いです。

 

『数か月後に本番』という当たり前の視点が抜け落ちている子が非常に多く、目先の快楽と楽しみに心奪われ、大事なことや小さなことは置いといて思いっきりいろいろ努力してみたいと思えるものだと僕は思うのですが。(来世を信じるかにもよるかw)

 

 これが、驚くことに、鉄緑会(または開成、筑駒、桜蔭など超トップ校)に行っているような優秀な子でも同じなのです。

 

 彼らの6割近くは、素直である程度プライドと矜持を持てるがために優秀ではあるのですが、「目の前」に差し出された課題を延々とこなしているだけになっていて、「とりあえず東大」とある意味無思考な子が意外に多いのです。

 

 成績的な頭脳は持っていても、世の中に対して働きかける気概のある子は少なく、来た課題を完璧にこなすだけの、ある種機械のような反射で終わっている子が多いように思います。

 

 

 過去にこのような子がいました。そこそこ優秀な学校に通い、頭もそこそこの子だったのですが、ある日、「ベースで食べていきたい」と言いだしました。バンドを組んで、ベースとして食べていきたいと。

 

 まあ、気持ちはわかります。その頃は僕がちょうどベースを再び本気で始めたころでもあり、最初の手ほどきくらいはしてあげました。それが中3のころだったでしょうか。はっきりいって、才能はあるとは言えず、ピアノをやっていた僕なら最初からできた技術のいくつかもできないような感じでした。

 

 高校受験にやや失敗し、行けた学校には軽音部がなく(まあそれも調べとけよ、とは思いましたが)普通に大学受験をし、偏差値65を超える良い大学に滑り込むように入りました。

 

 大学入学後、会う機会がありました。まだ「ベースで食べていきたい」と言っていました。ベースプレイを聞くと、まあまあうまくなっていて基礎練はまずまずやっとるな、というのはわかります。大学でバンドサークルに入り、経験を積むと言っています。1年くらいはそれでも良いかもしれません。

 

 ただ、気になったのはその後の、「行動」がないことでした。もしくは非常に遅い。のんびりしてしまっているのです。

 そもそも、今の若者は練習方法などもユーチューブでいろいろ見れるので、良い方法にたどり着きやすく、高校の3年あれば僕のテクニックなど抜いていないとだめなくらいです。

 

 まず、ベース(に限らずギターとかも)プレイヤー「だけ」で食べていける人間はほとんどいません。日本でプレイヤーだけで食べている人間、さらにそれで一般サラリーマンよりも稼げている人間は、片手で数えられるくらいでしょう。有名な誰それも、意外と裏で講師(楽器の)をしたりして、働いていたりもします。

 

 少しライブハウスに出入りすれば、ほとんどのミュージシャンは働きながら自分の信じた音楽をやっているもので、それはすぐにわかります。

 

 彼は大学入学後、数か月経って、その行動をまだ起こしていなかったのです。起こしていれば、上記のような現実を知ることができ、そこから戦略なども練っていけるものです。

 

 作曲などでギャラを稼ぐなり、売れ線の「何か」をしかけて、大学生であるアドバンテージを生かした活動をするなど、今なら何かできるでしょう。それが1年遅れただけで、一気にできなくなることを自覚していないのです。(大学生にはゼミや就活などもあるので)

 

そもそも、彼はそのような現実を「思ってもみなかった」そうで、検索すらしていないことがわかりました。いろいろと「甘い」のです。スイーツ野郎です。

 ベースの練習もおっさんの僕の半分以下しかしておらず、それも無思考に課題曲を弾き続けているだけでした。(メトロノームも持ってなかった) 必死のおっさんには勝てないでしょう(笑)

 

 結論として、彼の夢は叶いにくいことでしょう。お子様の夢で終わってしまいます。非常にもったいないことです。それに対して本気で努力だけでもすれば、いろいろと良い経験にもなるのですが。

 

 このように、「○○になりたい」といっても言ってるだけ、そのための努力行動もその方策も、戦略もない探してもない、というパターンの若者が多いです。そもそも、なりたい展望も何もない子が大半であったりもします。

 

 たしかに現在の学校に通っているだけの「日本の教育」では何も見つかりませんが、甘ったれてはいけません。今は、ネットがあるのですから、簡単に探せる時代なのです。将来の展望が何もない子は、まず「探しているのか?」を自問自答していただきたいです。

 

 大昔で、職業といっても「武士・農民・商人・職人・坊さん」くらいしかなかった時代とは違い、生業を自由度があって選ぶことができる時代が今です。逆に言えば、現代社会では各人が自分の道を「選ばないといけない」のです。

 

 いろいろなものに興味を持ち、ネットの力をフル活用すれば今は誰でも「何か」が見つかるはずです。僕からみれば、「探してないだけ」という子が多いです。これは、成績層、社会層、文化程度を問わず、若者全般に言えることだと思います。

 

 返す返すも自由とは、恐ろしいものです。自由だからこそ、個人が試されるのです。人によっては、会社や学校などの縛りがあった方が良いと思える場合もあるのです。

 

 自由だからこそ、それでも大学に行ってしっかり勉強したスペックの高い子を企業は欲しがります。また、再び学歴熱は就活においてひっそりと高まっているきらいもあります。(ある一定層以下の大学生がひどすぎるからだと僕は思いますが)

 

 僕は受験勉強では、「達成する」練習をして欲しいと思っています。毎日のノルマ、毎週の目標、半年後の希望成績、これをしっかり定めて、「達成」の練習をしておく。これが大事だと思います。

 

 上記の彼も、受験では高校も大学も中途半端に良いところに行けてしまい、達成力に欠けます。受験勉強時代も、短期目標からしてしっかり達成することは少なく、やはり中途半端で、それがそのまま受験の結果に直結しています。(いや、ワシ、ちゃんと何回か注意したんやで、笑)

 

 まあ、でも頭はそこそこなので、数年後就活をし、ホワイト企業には入れることでしょう。学歴があってよかったね、とその時に言ってやろうと思います(笑)

 

 似たような感じで声優になりたい、漫画家になりたい、絵でやっていきたい、など甘いことを言っている子をたくさん見ています。言うのは結構ですが、「行動」をしていますか、それで十分ですか、他との比較も考えに入っているか、世間という視野に立てているか、いろいろと自己参照してほしく思います。

 

 サラリーマンになりたくないだけなのではないですか? 誰かしらの超レアなモデルケースにあこがれているだけなのではないですか? 自問自答してみて欲しいです。

 

 まずは、受験などで達成力を高める練習をしてみてはいかがでしょうか。

 

 学歴があれば、思わぬところで助けになります。それは僕が一番痛感しているところでもあります。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。次回は達成力の付け方を論じてみたいと思います。

 

 

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 お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

 5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

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