夏にすべきこと(中学生編) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 夏休みは自由な時間の使い方ができる貴重な時期です。まあ中学生ともなると、塾と部活で大半が埋まってしまうものですが。ただ、そこすらも、自分で行く行かないの選択ができます。

 

 今日はリクエストもいただいたので中学生編です。現小学生の(親御さん)方も先々のために読んでみてください。

 

 私国立中高一貫校と、公立中ではかなり違うので分けて書いてみたいと思います。大学付属系の学校は、公立中と中高一貫校の間ですが、やや公立中よりだと思っていてください。

 

 

・中1(中高一貫校)

 ……中1の間は遊んでもいい、という中高一貫校が多いです。意外と宿題も少なめだったりします。僕の母校では、めちゃくちゃ宿題が多かった上、夏期補習だなんだで、夏休みが実質20日しかなかったので、遊ぶ暇もありませんでした。そういう意味でも、校風によってずいぶん変わってきます。

 

 部活もまだ主力にはなっていないし、勉強内容もそこまで難しいものはありません。まあ確かに、最低限の課題をこなしているなら、遊んでもよい時期です。ただ宿題を忘れるほどだらけることはおススメしません。人間、一度だらけると、締め直しに時間がかかるものです。ここで全く何もしなくなって人生を狂わせる子もよく見ています。

 

 正負の数や一次方程式の速度が遅かったり、定期テストの点数が平均に届かなかった場合は、宿題とは別に公文の「基礎固め」シリーズなどで100問くらいを一瞬で解く練習をしておくと、良い方向に行きます。

 最近は連立方程式まで進度が進んでいる学校は少ないようですが、連立方程式の予習、演習をしておくのも良い方向に働きます。

 

 また、読書は完全に大人と同じものを読めるようになっているべきで、なっていると思います。僕はこの時期から吉川英治の三国志を読んでいます。そのような歴史小説でも良いですし、ミステリー・SF,文芸と幅広く読んでみることをおススメします。まあ5冊くらいは挑戦してみて欲しいですね。

 

 注意としては、読書感想文課題は最も重要度が高いと思って、しっかり読んで書くことです。ここで手を抜いてしまう人間と、とりあえずはちゃんとやる人間で運命が分かれていきます。

 

 

・中2(中高一貫校)

 ……進学校系の中2は、すでに高校内容が出始めています。運動部の子は、そろそろ中心学年になるので楽しくなってもくるころです。部活をするなら、まずはこの時期までやってみて欲しいところです。

 

 特に英語などを予習しておくと良い時期です。ここから受動態や動名詞など込み入った英語文法が出てきます。英語も英検3級程度からやっと、言語らしくなってきます。

 

 ここまででつまずいているパターンの子は、中2の夏でなんとか文法の総復習を行うと、まだついていきやすいです。これが中3や高校生になってしまうと、結局は全復習をしないとリカバリーできないことになり、労力が増します。英単語も教科書に出てきたものは片っ端から覚えておきましょう。日本語を見て英語で書けるくらいにまでしていないと、使い物にはならないです。英検ばかりやっている子は、書けない子が多いので注意です。

 

 数学は、中学内容というのは浅いものでしかないので、もう大学受験を意識して動いたほうが良いです。青チャートやフォーカスを配られている学校も多いと思いますが、それはまだ早く、体系数学(中高一貫校の進学校が使うハイレベル教科書)に準拠しているチャートシリーズの方が良いです。習った部分を中心に片っ端からやっていると、数学のセンスが見についてきます。

 

 読書は読書感想文があるなら最優先。そろそろ自分が将来進みたい分野などを意識して、探してみるのも良いでしょう。

 

 

・中3(中高一貫校)

 ……部活では中学での最後の大会も終わり、中だるみ全開の段階かと思います(笑) この中だるみの時期にいかに頑張れるかが、勝つ人間の条件です。

 

 僕は周りをみて、中だるんでいるのを肌で感じ、「今のうちに抜き去ってやろう」とたくらんで、中3の夏はかなり頑張っています。(実際に抜き去っている)それがのちの大学受験に大きなプラスをもたらしてくれたことは疑いないです。世の中3たちは、高校受験の勉強をしていることを忘れないようにしましょう。

 

 ただ、最近の名門女子校や最上位に位置する男子校では、中だるみは感じられないところも多いですね。精神性が高く、勉強するのが当たり前の子が多いです。まあでもそれは上位2割の話。その他8割の我々凡人は、意識して頑張った方がよいです。

 

 中高一貫校の中3ならば、ここで英検3級は持っていないと若干恥ずかしいです。別に高2で2級とれていれば上位層なのですが、3級までは当たり前にとれる、と思っておきましょう。持っていないならば、3級からでも受けてみましょう。その勉強をするのにもちょうどよいです。

 

 数学が早いところでは高1内容(公立高校での。数1・A全般)が終わっていて、そうでないところでも、数1・Aの半分は終わっていることでしょう。苦手意識がある方や、将来数学を武器にして受験を乗り切りたい方は、ここで総復習をすることをおススメします。

 

 もう中学生用の教材は要りません。高校生用の「4ステップ」や「チャートシリーズ」で良いです。僕は中3時に赤チャートをやっているのですが、これは大きな間違いでした(笑) きつすぎます。標準難度がおススメです。

 

 現行では青チャートか、フォーカスGOLDが良いでしょう。東京出版の「1対1」シリーズも数1と数Aならできます。これをやっておくと、数学のセンスがついてきます。意識の高い方はおススメ。

 うちの学校は夏期補習で1冊(当時は合冊だった。今でいう2冊)の主要部分(幾何はやらない。今なら確率分布や統計はする必要がない)終わらせています。大きな力になっています。

 

 中高一貫校では、中3の夏休みが一番余裕があり、暇です。いろいろと体験学習などの行事に出ても良いと思いますし、家族旅行などをするのもこの辺までが思いっきり楽しめます。遊びも勉強も両方すれば良いでしょう。

 

 ただ、そろそろ理系文系の選択は意識しておきましょう。得意教科ではなく、将来になりたいものから逆算して決めるべきです。そのための読書などにもあてやすい時期です。

 弁護士に興味があるなら弁護士の本、科学者になりたいなら興味ある分野のブルーバックスなどの本、など興味のまま、5冊は読んでみると良いでしょう。将来に対して悩んでも良い時期です。

 

 次から公立中編も書きますが、公立中の子たちはまだ高校受験があり、最低学力が担保されます。一番怖いのは、中高一貫校でサボり倒している子であるので、「遅れているな」「数学(英語・古文なども)わからねー」など、少しでもわからない分野がある場合は、夏休みに総復習しておいた方が良いです。

 

 

・中1(公立中)

 ……全く小学校と違う定期テストのシステムに右往左往していることと思います。もしくは、テキトーにこなしてしまっていて、評価を下げてしまっている子も多いでしょう。

 

 公立中では、県立・都立などの高校に進む場合、推薦が大事になってきます。推薦といってもある程度の学力テストはあるところが多いですが、担任の先生が「多分無理」というところは、強引に受けても本当に落ちます。というのも、人数的割り振りが暗黙の了解でできていて、担任の先生はそれをすでにわかっていることが多いのです。

 

 最近は私立高校でも推薦枠が優先される傾向にあります。同じ入試を受けても、推薦枠をもっている子は合格ボーダーが教科合計で30点違うこともよくあります。英数国の300点満点などで30点は死活問題です。

 

 このようなことを考えると、定期テストだけでなく、普段の提出物なども100%近くやっていることが、前提になってきてしまいます。いくら学力があっても(仮に中3時についたとしても)、半分くらいの学力で品行方正な子の方が(推薦などの結果)優先されたりして、選択が狭まる現象をこれまで多く見ています。 

 

 ですので、提出物を期日どおりに絶対に出す練習をしておかねばなりません。また、ノート提出が義務化されているはずで、これも大事です。ノートも学力のことだけを考えると、きれいにとること自体にあまり意味はないのですが、提出用にカスタマイズしておかねばなりません。

 

 定期テストでは最低限該当範囲のワークは前もってやって、提出があってもなくても対応できるようにしておきましょう。テスト勉強にもなっているはずです。

 

 学力方面では、まだ手ぬるいので心配はあまりないですが、一次方程式などの予習をしておくことが効果しやすいです。英検も5級から積極的に受けておくと、プラスになりやすいです。早慶指向の子は、すでに早稲アカなどに通ってバリバリ予習しています。

 

 読書も、大人のものが無理な場合、ハリーポッターなどでも良いと思います。また、暗算が遅い子が多いので、百ます計算も効果します。引き算を2分台で行けるようにしておくとかなり良いです。

 

 

・中2(公立中)

 ……問題行動が多くなってくる時期です。ケイタイなどを持たせている場合は、管理をしっかりしてほしいと思います。最低でも夜22時以降は親が管理する方が良いでしょう。これが学力にも影響しまくりますし、悪友の影響を受けにくくします。

 公立はいろんな社会層の子がいるので、やはり一定の警戒はしておかねばなりません。過去には、麻薬の売人の子飼いなんてのもいました。身体も大人に近くなってくるので、そちら系の犯罪にも注意しておきます。夜帰ってくるのが遅くなったら注意です。

 

 勉強の方でも、過去形や連立方程式など、やっと難しい分野が出てき始める時期です。とはいっても、要求度のレベルが低く、地頭がいい子はやればすぐにできてしまうので、舐めまくっていることが多いです。すぐできてしまうなら、できないくらいの難関塾に入れた方が良いです。

 中高一貫校に比べると学習面では児戯に等しいことしかやっていないので、そこで舐められても困るのです。

 

 学校によっては宿題が驚くほど少ないことも多いので、そろそろトップ校を目指す方は塾を検討する時期です。塾に行くほどではない場合も、自習スタイルで準備をしておくべき時期です。中学受験でいう小4後半から小5にあたります。

 

 公文の「基礎固め」シリーズの英数くらいのレベルを完璧にしておくと良いです。中2が終わったら中3の内容の予習をしても良いと思います。夏があけると、急に難しいものが増えるので、ここで方程式の計算などを速くしておくことが良いです。

 

 やる気があるなら、英検3級に向けて、現在完了などを予習するのも良いです。とにかく、いわゆる中だるみですので、問題行動の禍根を断ちつつ、部活をするならするで打ち込ませたほうが良いです。まだ受験を意識するのは難しい時期で、暇な時間を多く与えると、だらしない方向に流れやすいのでご注意ください。

 

 また、数検や漢検を受けておくと、推薦でプラスにもなりやすいので、中2くらいから始めるのがおススメです。3級を目指しましょう。

 

 さすがに大人と同じレベルの本も読めるようになっています。ここで自伝などを読むと、将来のことについて考えやすくなり良いかもしれません。読書習慣がなかった子もここで挑戦を始めるのは良いです。変わった例も何度も見ています。

 

 

・中3(公立中)

 ……ここまで、提出物などをしっかり出し、定期テストでもそこそこの点数で来れているならば、公立上位高校の推薦を狙うべきです。ただ、学校によっては中1・中2の評定も見られてしまう場合もあり、その場合はもう手遅れの場合もあります。

 その場合は、ある程度のしっかりした学力をここからでもつけて、少しでも偏差値の高い高校を目指されることをおススメします。

 

 高校はテストによってレベルが区切られるので、まさに層構造になっています。レベルの高いところは、やはり素晴らしい子が多い反面、そうでもないところは、授業も荒れがちで、ひどいところもあります。

 

 もう勉強が無理だと感じるならば、専科系の高校にいくことを考えても良いです。手に職をつける感覚も、それを究めれば、これからの時代は良い方に行くかもしれません。ただ、それでも勉強して、MARCHかそれ相当の大学に行く方が、平均して稼ぎも良いし、ホワイト企業も多く、社会での自由度が高いことも併記しておきます。

 

 ここですべてから落ちこぼれ、再起が見えない方も、公文の「基礎固め」シリーズを中1からすべてやればまだなんとかなる芽はあります。そこは本気になるかどうかです。今の若い方は、寝る間も惜しんで、という馬力がない子が圧倒的に多く、ストイックにできるならばそれだけで大人からは評価の対象になります。

 

 上位高校を狙う方は、中学受験の5倍以上の人数を勝ち抜かねばなりません。特に早慶付属は東大に行くなみの難しさです。部活が終わって夏からぼちぼち、という感じでは勝ちにくいです。東京出版の高校への数学は常識としてやっておきましょう。

 英検も2級程度があっても良いくらいです。3級以上あれば、推薦のプラス査定にもなるので、期日的に次の英検がラストですが、頑張ってみるのも良いでしょう。漢検のように、PCで受けられる形式ができるとかできないとか?

 

 また、注意としては、ここから半年くらいで地頭が良い子はそこそこの高校に行けてしまったりもしますが、大学受験では同じ感覚では全く通用しません。高校に行ったら、特に公立高校の方は最初から真面目にやった方が良いです。それでもMARCHレベルで中高一貫校の子たちと戦うのは大変です。

 

 読書などしている暇はないでしょう。公立中の高校受験は、中学受験どころではない大事な勝負です。当然逆転もできますが、その行けた高校で大体の進学大学が決まってしまいます。ガキくさいこと言ってないで、最善を尽くしてみましょう。頑張って損は全くないです。

 

 

 僕が普段、(特に都市部で)できるなら中学受験をおススメする理由もこの辺でわかっていただけるのではないでしょうか。縁があった視野に限りますが、すべてを見てきて、熟考し、そう言っています。

 

 

 長すぎて、高校編が書けませんでした(笑) ま、高校は状況もみんな違いすぎて煩雑になるし、わかりきってるからいいかな、とも思いつつ。暇があれば東大志望生編を書こうかなと思っています。

 

 とにかくよい夏をすごして行きましょう。人生はまだまだ上向きに変わります。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

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お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

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