夏にすべきこと(小学生編) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 夏休みが目前に迫っていますね。夏休みとは、自由な時間が多い反面、その子の本性が出やすい期間です。縛られてできている子も、縛られなくなると、だらしない部分が出てきます。それはその子の本性だと、僕は思います。

 

 本当に優秀な子は、放っておかれても割と嬉々としてあるいは淡々と、時には自分で自分を責めながらもやっているものです。(僕は専ら自分にプレッシャーをかけ続けて中高6年を駆け抜けていますが)

 

 今日は大体の人に公約数的にあてはまる「夏休みにやっておいた方が良いこと」を学年別に、あくまで簡単にですが、あげてみたいと思います。

 

 先に言っておきますと、読書は基本事項です。どの学年でも最低1冊、まんが以外の本を読んでみましょう。

 

 

・小学低学年

 ……小3までの子供は身体を動かして体力や心肺機能を鍛えておいた方がよいです。身体を動かすことが、知能と関係するデータもあるようです。

 塾でずっと室内はまだ早すぎます。野外で虫とり・魚釣りなどをするのも良いですし、それを家に帰って名前を調べたり、検索するのも良いです。博物館や各美術館に行くこともプラスします。

 

 読書は宮沢賢治の「注文の多い料理店」はおススメかつどの学年でも読めます。各種図鑑、伝記まんがなどが良いでしょう。無理して重松清などの受験書籍を読ませることは感心しません。素養がすでにできている子は、ハリーポッターが読めます。(読めれば、中学受験は大概うまくいきます)

 読めるかどうか、挑戦するのも一興です。

 

 

 

 百ます計算などで暗算を鍛えておくのも、のちに大きなプラスになりますが、低学年期では勉強が嫌いにならない、マイナスイメージを作らないことが最も大事です。

 

 

 

 

 

・小4

 ……中学受験を考えている、もしくは受験塾にすでに通っている方は、計算力を高めておきましょう。分数・小数の四則計算などは、原理を教えることも大事ですが、たくさん解いて慣れてしまえばそれだけで効果します。

 

 小5でつまずく子の多くは、計算力のなさ、遅さが原因・遠因です。今のうちに、公文の市販教材などである程度の力を持たせておけば、無駄な労苦を後に味あわなくて済みます。

 小5からするのでは、ちと後手です。

 

 中位以下の方は、めっちゃ楽なのを超速でさせ、達成感を感じてもらうほうが良いと思います。

 

 

 

 

 読書は、ハリーポッター全巻が夏休み中に読めれば、トップ層は決定です。(素養としては、ですが)また、宮沢賢治や芥川龍之介の初期作品は読めます。塾の課題文などで気に入ったものがあれば、それを購読してみるのも良いです。あさのあつこ、重松清、灰谷健次郎などは読めます。

 

 目標としては、3冊の読書を心掛けてみましょう。

 

 

 

・小5

 ……中学受験ではすでに差が開き始めている時期です。すでに開いているパターンもあります。特に下位に位置していると自分で思われる方は、ここでリカバリーを図りましょう。

 

 首都圏の夏期講習はすでに目一杯の日程が入り、6年とあまり差がないのも特徴です。サピなどでは、初習の分野もするので、休むわけにもいきません。特に比が出てきて、最重要事項の一つをすることになります。

 

 特に「割合」が弱い子がその後、大きな苦労をします。割合が苦手な原因は、一つは「問題文の読解力が低い」こと。もう一つは「小数・分数の計算力が弱い」こと。掛け算の概念(イメージ)が弱いことも関係します。

 

 そのどれが弱いのかがはっきりわかる場合は、そこに特化した対策をした方が良いです。

 まあ大抵は全部が理由にあてはまるので、しっかり問題文を読む癖をつけつつ、分数小数の計算を練習するのが良いでしょう。割合の三用法はすらすらとパッと問題を読んだ瞬間にできるくらいには訓練しておきましょう。塾でお使いの問題集をもう一度すれば良いです。

 

 まあそれよりは、塾の夏期講習に追われることになると思います。まずはその宿題などをしっかりこなしましょう。

 

 開成・筑駒や桜蔭をはじめとする名門校を狙う方で、偏差値もそれにふさわしい値が取れている(偏差値65近辺以上か。サピなら55以上あればなんとか)ならば、名著プラスワン問題集・ステップアップ演習を始めても良い頃合いです。(一応、公式のレベルはプラスワン問題集>ステップアップ演習)

 

 

 

 

 また、小5のこの辺りからわからないことが増えてくる、ついていけなくなるパターンがよくあります。それは「具体性」、「イメージ」と「論理性」の欠如が原因です。主に算数ですね。

 

 小4までの算数は、具体性が強く、イメージがしやすいです。団子3つ入りの袋が3袋であれば、3×3というのは分かりやすいものです。

 

 これが、時速・分速などの概念や、割合の概念が出てくるあたりから、怪しくなります。

 

 テキトーに勉強をする子、親に叱られないためだけに勉強をする子、見栄っ張りでできない部分を見せたがらない子などは、「わかった」を装うので、イメージがついていかなくなることがあります。

 テキトーになんとなく数字をほじくって正解を出すのが平気になってくるので、結果として論理性に欠け、成績が目に見えて下がってきます。このあたりで締めておいた方が楽です。

 

 まあ理社はまだ完璧でなくても良いです。算数と国語に注視すれば良いです。特に国語は長期的でないと伸びないのですが、このあたりでくさびを打っておかないと、受験までに間に合いにくいです。後述しますが、小6のこの時期から国語の点数を伸ばすのを考えるのは戦略上好ましくないのです。

 

 親御さんとしては、小4の後半からはできないことで叱るのはやめておいた方が良いです。サボったこと、約束が守れていないことで怒るならまだ分かりますが(叱るべき)、点数が悪いことに対しては怒りの矛先を向けない方が良いです。親御さん側が結果を見てがっかりするのも分かりますが、表面には出さないように頑張ってほしいものです。

 

 もしくは、思いっきり子供より落ち込むくらい本音を出すなり、「頑張ろう」と伴走感を出すなり、お子さんの個性にあわせてみるのも一興です。親御さんが見栄っ張りだったりプライドを振りかざしていると、子も無言のプレッシャーを感じ、良い影響はありません。悪い点数は隠し、良い点数だけを出すようになります。

 

 本来はが望ましいです。良い点数のテストなどどうでもよく、悪いものをしっかり治す・直すほうが、将来の禍根を断つことになります。小5のこの時期くらいから、如実に点数が落ちてくるので、その辺を徹底し、悪い点数のテストでも親に出しやすい雰囲気を作るようにしてみて欲しいです。

 

 読書はかなり読解力に差が開く時期ですが、小6と全く同じ書籍が読めます。男子なら興味のある分野の専門書のようなもの、女子ならミステリーなども読めます。やはり3冊くらいは読んでみて欲しいところです。小6になると読む余裕はもうなくなりますので、ここが大きな読書習慣をつけるラストチャンスだったりします。図書館に通って勉強してみるのも良いでしょう。

 

 

・小6

 ……すでに歴然たる差が開いています。最近は中間層の子の人数が少なくなっていますが、それでも2割の上位の子たちと、2割の超できない子、その他、という構成になっていると感じます。

 

 ほとんどの方が「その他」に属します。そのボリュームゾーンからいかに抜け出すかを考えた方が良いです。また、志望校に特化した対策に徐々にカスタマイズしていくべき時期です。(先に総復習ですが)

 

 また、仮に2割の超できない層に属していても、ここからでも頑張って基礎学力をつければ、将来には大きな土台となります。中学受験はどの成績層でも無駄には全くなりません。

 中堅校の進学校なら十分に狙えるので、受験自体を諦めるよりは、そのようなところをお狙いになった方が、人生に逆転要素を残すことができ、良いと思います。

 

 公立中にいく選択ももちろんあります。が、いろいろと問題のあるシステムに翻弄されるのは、中学受験の勉強をしているのでしたら余計におススメはしません。私立小の方も、そこから公立中に行くのは「良→悪」は適応しにくく、(視野は広がりますが)その年代で触れることはおススメできません。

 

 また、ここで、中位以下の子が大学付属系の学校に行ってしまうと、その低めの基礎学力のまま、大学まで特に鍛える機会を失って、暇な中高時代に快楽・享楽に溺れるか、無気力なパターンの子になりやすいので注意です。

 

 戦略としては、理社を固めて総合点の安定を図ることと、国語の読解に割く時間を減らし、語句を固めることです。

 

 プロである塾の先生方は言いにくいことですが、国語の長文得点力はここからはもう大きく伸びることはあまりないと言えます。(僕ははっきり言う、笑)

 もちろん、猛勉強をする中で何かをつかみ、急成長をすることは毎年あるのですが、それは博打みたいなものです。しかも、相当に真面目で、基礎学力が充実した子にしか訪れません。率としては、10人に1人くらいです。

 

 僕の見た生徒でも、6年秋に国語読解力が伸びたと言えるのは、数例しかないです。国語ができる子は、大体読書習慣があり、それは小さいころからそうなっています。本を読まない子は徹底して読んでいないので、これまで数年読んできた子とは歴然たる差があります。

 

 ですから伸びた例のその全員が、「ある程度読書量があった子」です。そのような子が、基礎事項をしっかりしかつ、4科のまとめなどで理社をしっかりして、論理的な骨子を理解すると、急激に伸びたように見えることがあるのです。

 小手先の読解テクニックは、読書量がないと焼け石に水、です。厳しいですが、現実なのでここに記しておきます。

 

 国語の長文を苦手とし、模試で一喜一憂しながら、そちらにばかり目がいき、結局総合的に大きく伸びなかった子も多いです。そのようになるくらいなら、確実性のある今できることをして、算理社を伸ばしたほうが、博打要素は少ないと思います。論理的な物事は理社のほうが具体性があり、分かりやすいのです。意外と「ついでに」国語も伸びることもあります。

 

 人生で一度しかないことですから、博打要素は少なくしておく、という考え方も大事かと思います。

 

 小6は読書はいいです(笑) そんなことしている暇はほぼないでしょう。それでも読む子は相当に好きな子であり、すでに成績は良いことでしょう。読んでこなかった子が、今更読んだところで、という時期でもあります。(興味が出た場合は1,2冊ならOK)中学高校での読書の目覚めに期待しましょう。

 

 また、過去問をこの夏に始める方も多く、サピの中位より上では国語から過去問もはじまることと思います。こちらも、過去問で学力が効率的に上がるわけではないので、怒られない程度にしておけば良いと思います。

 

 毎年、過去問の扱いを間違えて最後あまり伸びなかった方が結構多いです。

 過去問は基礎力ができてから、その学校の入試問題で最低でも5から6割以上取れるようになってからが良いです。そうでないと、直しなどに時間がかかり効率が悪いのです。もう時間は限られていますので、無駄なこと、得点に結びつきにくいことはするべきではありません。

 

 小6は、夏期講習でほぼ埋まっているはずで、バテないことが最も大事です。しっかり元気ですべての授業がうけられれば、相当に伸びているはずです。お盆のどこか1日くらいは、抜いても良いでしょう。

 

 また、体調が悪い場合は、新しい分野をするわけではないので、勇気をもってしっかり休ませて、1日~2日で回復を図る方が良いと思います。

 

 基本的には塾以外の時間は、「総復習」にあてることになると思います。中位以上の方は4科のまとめを中心にするのが最も力がつきやすいです。(算数は中学への算数、プラスワンのほうがおススメ)基礎もボロボロだと思える方は、メモリーチェックやベストチェックでも良いです。

 ここで全部の分野をすることで、自分の弱点を探してみましょう。それが最も大事な夏の目標です。

 

 

 いずれにせよ、夏休みは自由な時間が多く、逆転要素が多く存在します。もちろん上位生はさらにするので、大きく差が空くことも多いです。

 

 毎年、長期休みで大きく伸びる子は必ずいます。そこを信じて、皆さんも頑張ってみてください。

 

 次回は、中学生高校生編です。現小学生にも参考になるように書いてみたいと思います。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

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お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

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