思考力が足りない? | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 前回の記事で、「得点力と学力は別」と書いたのですが、今の高校生などを見ていまして、最もトップ層の国立大受験生との違いを大きく感じるのは「思考力」です。進学校でちゃんと6年間過ごしてきた子でも、そのあたりが国立大受験の標準まで達していると感じる子は少ないです。(つまり進学校の子でもこれなのだから、標準が落ちてきている

 

 得点力とは、ちゃんと「思考」できているか、を表していると思います。

 

 ですが、注意としては、本当に思考できているかの判断は難しいです。大人でもしっかり思考できている人は少ないと思います。僕とて、思考力を鍛えてきてはいるものの、まだまだな部分は自分で感じています。

 

 例えば、ワインが流行っていると聞けばワインを飲み、友達がスマホでゲームをやっているから自分もやってみたいと思い、テレビでいっていたから自民党嫌い、というのでは思考しているとはいえません。

 それは『反射』と言うべきであり、日本人的な同調圧力に流されただけの結果かもしれません。

 

 ですから、本来は「皆が大学行くからいく」「親が行けというから行く」くらいの動機の子は、思考をそもそもしていないのです。「なぜ大学に行くのか、行きたいのか」はっきり言える子が何人いるでしょうか。まずはこの根本からなのです。

 中学受験でも、しっかりしている子は、必ずなぜ中学受験するのか、しなければならないのか、言える子が多いです。やはりそういう子は上位に行きやすいです。(が、中高でぬるくなる子も多いです、笑)

 

 大学で、特に上位を狙う場合は才能がある子でもきついです。そこをまずは勘違いしないでいただきたいです。

 僕も今まで見てきたどの生徒よりも中高6年の物理的勉強時間が長いです(効率はさておきですがw)。

 その中であまりに苦しい時期もあり、「なぜこんなことをしているんだ?」「そこまでしていくほどの場所か?」など自問自答は何度もし、自分なりに答えを出して突き進んでいます。でないと、潰れていることでしょう。

 

 その中で、テストの構造や入試の意味に気づく部分もありました。視野を広げることに成功すると、テストの文章は敵やうっとおしいものなどではなく、「こちらが何を答えればいいか」を教えてくれている、という感覚になれる時が来ます。

 それが思考力への第1歩です。

 すると、長文を読んでいても「ここにこう書いてあるからこう答えるべきだな」というのが一人でにわかるようになります。これは、努力量ではなく、視野の問題ですので、小学生でも気づいている子は気づいています。

 

 これが思考力の正体であろうと思います。視野が広くなったうえでの、『関連付け』『理由さがし』の能力、そして『忖度(相手が何を答えてほしいかを推理する)』の力です。

 

 それが最も表れているのは、現国の記述解答です。それをただ何となくやっている子と、そうでない子の解答は明白に違います。思考できている子は、確かに現国などわざわざ時間を割いてやる必要はないでしょう。(実際に筑駒出身の友人などは、現国を全く高3でやっていない)

 高2まででなんとか、基礎的な思考力にまで到達できていることが最も肝要かもしれません。

 

 また、教師もそこのあたりを教えるべきだと思うのですが、今の生徒たちの学校の先生の言動などを見ていますと、進学校の先生でも「受験で本当に苦労したことあるのかな?(受験で苦しむ生徒たちを忖度できてるのか?)」「どうやって点をとるのかわかってるのか?」と疑問を感じる指導も多いです。

 

 やはり自分の生徒にズレた指導をされると、腹立たしいこともあります。どんな奇策であろうと、それが根拠があり、理にかなっているなら僕はどんなものでもOKなのですが(実際それで大きく勉強になっている部分もあります)、テキトーな策、根拠がない策はなんとなく見抜けるようになってきていて、許せない部分もあります。予備校や家庭教師と違い、学校においては、生徒は先生を選べない部分があるのですから、責任と覚悟を持ち、しっかりしてほしいと思うのです。

 

 あるカリキュラムに疑問を感じる場合は、「なぜそれをするのですか」ということを聞いてみるのも良いでしょう。長期的視野が持てている先生ならば必ず明確に答えることができるはずです。そこが明確になっていないならば、あまり信用はできません。

 

 同時に、今の自分の勉強法も、「なぜ今の時期にこれか」「本当にこれでいいのか」を考えてみることです。それもお母様お父様が答えを与えるのではなく、自分で考えていろいろやってみることが大事です。

 

 その感覚が持てたら、現国などで(できれば80字以上の)記述を見て、「この文章にこう書いてあったから、ここだ」ということが明確にわかるかどうかをセルフジャッジしてみると良いです。自分の思考の段階を感じることができることでしょう。

 

 また、僕の経験から、公平無私なる完全思考と、いわゆる感性はまったく矛盾もしないし、妨げになることはないです。なっていると感じるならば、それはまだ中途半端なのではないでしょうか。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

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